岬めぐりのソーラーカー

ザ!鉄腕!DASH!!」」(日本テレビ系)「ソーラーカー日本一周ひとふで書きの旅」。
ソーラーカー「だん吉」愛知県の旅も、残りわずか。愛知県田原市渥美半島の突端を回り、何に出会うのか。
今回のドライバーは山口達也国分太一。あれ?珍しく、太一くん登場ですか。オープニングのテーマソング
男達のメロディー」が、何気にTOKIOバージョンになってるし。
・海水浴日和
渥美半島は、真夏日になりそうな日差し。天気もいいので「海に入りたいねー」でも「海の家がいっこも無いねー」。
海が三河湾から伊勢湾に変わり、後ろにはこれまでたどってきた三河湾岸が見える。愛知の旅は、長い道のりでありました。
「でも、もう距離ないか」「半島?もうすぐでしょ。それで太平洋側出るんじゃない?」まずは半島の突端・
伊良湖(いらご)岬を目指す。
太公望の昼ごはん
海岸を見ると、釣りをしている人が多い。堤防に戻って来た釣り人に声をかける・・・「何釣ってるんですか?」
「鱚(キス)だけど、釣れんもんで。上がって来た」キスはかからなかったが、朝釣った鯵(アジ)は大漁だったという。
獲れたてをそのまま食べようということで、釣り人のお兄さんは小アジの身を手で開き始めた。
ワタと中骨を取ると、そのままアジの開きのお刺身に(イワシやワカサギの手開きみたい)。釣り人にはお弁当代わりだ。
アジはキスと並んで、今が旬の魚。「うまい!味がしっかりしてますね」。
・折り返し点はもうすぐ
もっと他に“海の幸”はありませんかね?
「この先、市場があるじゃんね。そこに行きゃ、魚が揚がっとると思う」先ほどのお兄さんは語る。
というわけで、伊勢湾沿い・西ノ浜を南へ。漁港を目指せば、待望の岬が目の前に。
「あそこが(渥美半島の)先端」伊良湖岬だ。「あそこ折り返したら、太平洋に出るんだ」長い長い旅路を越えて、
だん吉は愛知県の2つの半島に囲まれた湾を出ることになる。「長かったなあー!」
・夏牡蠣ってどうよ
で。またまた、新たな名物の気配が。道路沿いに「伊良湖地元取り・天然岩かき」という幟(のぼり)が立っている。
どこかで夏牡蠣が食べられるのか?半島の折り返し点の手前にある、伊良湖漁港へ車をつける。
しかし思うんですけど。5〜8月、いわゆる「Rのつかない月」に牡蠣食べても、大丈夫なんですかね?
お昼時の魚市場に、まだ魚は並んでいない。「セリは12時半からですんで。今ちょうど揚がってます」
セリに出す前の、一本釣りの魚があるというので見せてもらう。「でけー!」大物の鰆(サワラ)だ。
「瀬戸内海の方では、旬は春になってますけど。こっちの方はやっぱり秋」魚辺に春と書く魚が、秋に獲れるとは。
・泳ぎかたがた
ところで「さっき『牡蠣』の幟を見たんですけど」天然牡蠣をいただくことはできるのか?
「今、ちょうど出る船あると思いますから」というわけで、牡蠣漁の船に案内してもらう。港から遠くないところでの
“素潜り漁”らしいが・・・男2人も漁に連れて行ってもらえるのか?
「いいけど、今日は12時半から市場があるもんで。それまでに帰ってくるだけど」それまでの間ならOK、ということだ。
ちょうど入りたかった海に、素潜り漁で入れるとは(笑)。セリに出すお手伝いが出来るか?
・リアルダイバー
海の上。この道50年の漁師・齋藤さんに、岩牡蠣を見つけるコツを教わる。岩牡蠣は水深2〜3mのところに、
岩と同化するようにへばり付いているのだが・・・それを見極めるのは、プロの技である。
「口が開いとるわね、牡蠣―岩に付いとって、蓋がちょこっと・・・ほんの1ミリか2ミリ(開いてる)」。
口で言うより手本!と、齋藤さんが飛び込む。潜ってからわずか10秒で、2個もゲットした。
開いている牡蠣の口というのは、かなり見極めが難しい。
まずは“海の男”山口さんが挑戦!目を皿にして探すと・・・やがて気付いた、それらしき岩。見事に獲物をゲット!
そして太一くんも潜る。海藻のそばに近づき、いびつな出っ張りに手鉤(てかぎ)を入れるが・・・かなりの大きさがあり、
てこずってしまう。息が続かず、いったん浮上。
ゴチになります
「あー!惜しい!」大物を諦めきれない太一くん。その横で、山口さんは着々と獲物をゲットしていく。
太一くん、再び手鉤を刺す・・・と「ベリッ」という妙な感触とともに、牡蠣の殻が岩から剥がれた。
「全部とれちゃった」。
大きな身の入った牡蠣が、唯一の獲物。得意ではない素潜りに「もうダメだー」とぐったり。
殻の割れた牡蠣は「お金にならんだで、剥いて食べにゃ」。というわけで太一くん、その場でいただく。
直径10センチぐらいありそうな、巨大牡蠣のお味は「本当にクリーミー」。さすが海のミルクといわれるだけはある。
ぐるぐるナインティナイン」(同局系)の「ゴチになります」でも、こういう牡蠣はそうそう出てこないだろう(笑)。
で、齋藤さんや山口さんが獲った17個の牡蠣は「これで市場に出そうか」ということになり、そのまま漁港に戻る。
ちょうどセリの時間。5000円の値がつき、齋藤さんも満足そうだ。
・だから呼ばれたのか
漁でひと泳ぎも楽しんで、男2人は旅路に戻る。岬の手前の港には「伊勢湾フェリー」。渥美半島から知多半島鳥羽市など
4航路を結ぶ、大きな船体が見える。
「わー、そう、そう、そう」太一くんは6月29日に放送された「3000歩でお伊勢参りできるか?」を思い出していた―
伊良湖岬と海を挟んだ向こうには三重県の答志島、そして鳥羽市がある。太一くんは「3000歩」の時、伊勢湾フェリー
乗ったのだった。
今日はそのフェリーに乗ることもなく、そのまま進む。と、伊良湖岬の折り返し点となる道路沿いに
「←豊橋・浜松→」という看板を発見。
「もう愛知県も終わりだよ、そしたら」いよいよ静岡県が見えてきたか。田原市内、県境へと延びる国道42号線へ。
・恋の花咲く?
進む右手に見える太平洋側の海は、遠州灘。素敵な出会いもありそうな、恋路ヶ浜あたり。
と。ハンドルを握る太一くんが「うわー、超気持ちよさそうー」と叫ぶ。何がですか?
見ると、車道の脇に設けられたサイクリングロードを颯爽と走る自転車が。下り坂の自転車は、上り坂のだん吉とすれ違う。
その先にも、本格的な自転車に乗ったサイクリストたちが結構居る。
ここは「渥美豊橋自転車道」。海沿いの景色を眺めながら、自転車で走ることができる。
・以下、個人的思い出話

このサイクリングロード、ワテが高校生の頃に家族旅行で行ったことありますよ(ちなみにそれが、愛知県初上陸の時でした)。
ウチの親どもが「レンタサイクルに乗りたい」と言い出し、つきあわされたのですが
実母「たまには自転車も、ええもんでっしゃろ?」
駄メイド「あの。ワテ、自転車通学で毎日乗ってますけど」。
そらあんたらは、毎日四輪自動車で移動してる身やから「非日常の体験」やろけど!こちとら「日常と変わりない」状態やぞ。

ロードレーサー
閑話休題。だん吉がアップダウンをひと山越えると、道端で休んでいるサイクリストが。「いっぱい居るじゃん。かっくいー!」
男2人は車を降り、話を聞いてみる。海沿いを走る全長45.5キロのサイクリングロード・田原豊橋自転車道は「日本の道100選
にも選ばれた道だ。サイクリストの皆さんは、この道を疾走していく。
今回のグループ「伊良湖アトムズ」には72歳の“スーパーじいさん”も。それを見ていた太一くん「オレも。自転車ないかなあ」。
というわけで。スーパーじいさんこと新川さんの愛車をお借りして、サイクリングすることに。
山口さんと新川さんは、ソーラーカーに乗って出発。自転車組と競走することに。
・あと遠州まで何十里
遠州灘に面した片浜十三里に沿って、自転車組とソーラーカー組は走る。
田原豊橋自転車道は「道自体が静岡県の浜松まで、ずーっとつながっています」。40キロ先は、目指す浜松だ。
一方だん吉は、サイクリングロードから垣根を隔てた国道42号線を走る。
「この辺、温室がたくさんあるでしょう」と新川さん。確かにビニールハウスがいっぱい。その中身は「菊」。
田原市は夜間に明かりを照射して開花時期を調整する「電照菊」の、全国一の産地なのだ。
・感動の光景
その頃。自転車で海沿いを走る太一くんは、路面に“ある動物の群れ”を発見。
「あっ、可愛い!」ウミガメの赤ちゃんの絵が、サイクリングロードの路面に配されている。
「ウミガメの産卵の場所だもんですから」確かに、そこから少し進んだところの砂浜が、金網で仕切られている。
5月〜8月が、産卵の時期。砂浜でウミガメの卵が見つかったら、保護にあたる方々が金網の区画に埋めて守るという。
毎夏、延べ200頭近いアカウミガメが産卵のため渥美半島に上陸。5000頭近いカメの赤ちゃんが生まれている。
・香りにつられて
だん吉の車内で、ある“渥美名物”について、新川さんが語る。
「練習すんで、疲れてくるな。ほんで『それ』を食べると美味しいだ」その先に見えた看板は「メロンたべ放題」。
メロンもまた、全国に名だたる愛知の名産品。渥美半島で県内の8割を生産している。
にしても「食べ放題、ってのは初めて聞いたな」と山口さん。
甘い誘惑に立ち寄りたいが、自転車組を待たせるわけにいかない。引き続き走行していると
「!」メロン直売店の飲食スペースで、手を振る人々が・・・って、太一くんたちじゃないですか!
・本物はあまりない
直売所の中は、メロンやビワなど夏の果実の甘い香りに満ちていた。かつて「DASH村」でも苦労して作ったマスクメロンが並ぶ。
しかも値段も安い。「1玉1500円だって」。カクメロ(地元の農業高校が開発した四角いメロン)は無いんでしょうか。
旬の名物、合流したら一緒に味わう筈だったが・・・自転車組はお先にいただいてました(笑)。「何、飲んじゃってんのよ!」
メロン果肉たっぷりのジュースで乾杯♪その美味さたるや「今まで飲んでたの、偽物だね」と思うほど。
・摘果も美味い
ところで。テーブルの上には、何やらプラスチックの保存容器が。空っぽになったその品物は「メロンの漬物なんですよね」。
サービスで置いてあるのが空っぽ。そんなに美味いのか?というわけで、おかわりを頼みに調理場へ。
メロンの漬物は、ぬか床の中から出てきた。ピーマン大の緑色の実は「間引きしたやつ、ってことですか?」。
メロンは生育段階で、実を摘果(間引き)していく。若い実はウリ科の仲間であるキュウリに似た味わいだそうで、
ぬか漬けにピッタリだ。「美味い!」丸かじりすると、確かにキュウリみたい。
・波乗りの聖地
アトムズの皆さんとは、ここでお別れ。だん吉は再び、国道42号線を東へ進む。
すると。学校帰りの近所の小学生が、手を振っている。太一くんがおどけてみせると「何やってんの!?」鋭いツッコミ(汗)。
そして道路表示板には、田原市のシンボルとして「菊とサーフィン」のイラストが。
太一「菊とサーフィン!うけるー」
山口「すごい有名なポイントだから。サーフィンやってねえかな、どっかで」
この先に、全国のサーファーに知られたスポットがあるということで、波乗り野郎がウズウズし出す。と、だん吉の前方に
サーフボードを積んだ車を発見。ウズウズするので「ついて行っちゃうよ♪」
・夢屋はパチンコ屋さんです
ついて行った結果、道が海に出た。「おっ!あるじゃーん!出来る出来る」サーフィンにぴったりの、いい波が立っている。
「さっきまで全然(波が)無かったよね、サイクリングロードのとこ」
ここは赤羽根大石海岸・太平洋ロングビーチ。力強く立つ波が押し寄せる、日本有数のサーフィンスポット。
この番組が放送される前の週、ちょうど世界大会「2008 A.S.P. WQS 6STAR 夢屋 Billabong PRO TAHARA」が開催されていた。
・ほとんど船だ
そんな波の上に「何あれ??」サーフボードの上で、ボートのパドル(櫂)みたいなのを持って漕いでいる人が。
山口さんは知っていたが、太一くんは「ひとりだけ乗り方間違えてましたけど、大丈夫でした?」と尋ねる。
これは「スタンドアップ・パドルサーフィン(パドルボード)といいまして」今のサーフィンの原型にあたるスタイル。
歴史は古く、数千年前のハワイ先住民の移動手段として生まれたものだそうで。
ウズウズしていた“波乗り野郎”山口さん、早速挑戦!
ボードの長さが約3メートルと、通常のサーフボードより長い。安定感のあるボードに立ち、パドルを構える。
「よく立てるなあ」初心者太一くん、関心しきり。その太一くんは、漕ぐどころか立つのもままならない。
山口さんはコツを掴み、乗りこなしている。そこへ絶好の波が!乗れるか?・・・と思ったら失敗!「ひゃー!難しいなー」。
・無理しすぎたか
海を楽しんだ男2人。急ぐ旅は、ぼちぼち夕暮れ。国道42号線、海沿いのまま県境を越えられるか?
少しずつ、道が海からそれていく。海の方角を向き、脇にある雑木林の細道に入る。
が!行った先は「行き止まりじゃん!」上り坂を引き返し、だん吉のバッテリーパワーがガタ減りする。
国道42号線に戻るも、パワー不足でのろのろ運転。再び、脇道に入る。先ほどと同じく森林の道、「なんか怪しいー!」
何とか海が見え、浜に降りようとする山口さんを「やめた方がいいんじゃない?」と制止する太一くん。
先程の「ウミガメ保護区」のことを思い出したのだ。浜には降りず、引き返すことにしたが・・・そこはスロープの途中。
最後の力を振り絞り、だん吉後退!ベタ踏みの山口さん「助けてくれー!もう限界だー」!
太一くんが降りて、だん吉を前から押し返す。どうにか上まで押し上げたところで、バッテリーオフ!
・自然を守ろう
車を降りて浜を見てみると・・・やはり「車両等の乗り入れ規制」の立て札が。この浜は三河湾国定公園の特別地域で、
アカウミガメ海浜植物の保護のため「自然公園法または海岸法で自動車・バイク・サンドバギー車等の乗り入れが規制」
されている。
産卵の無事を祈りつつ、今回の旅は愛知最後の街・豊橋市まで到達。次回、運が良ければ静岡入り??