運が良ければ愛知県脱出

ザ!鉄腕!DASH!!」(日本テレビ系)「ソーラーカー日本一周ひとふで書きの旅」。
ソーラーカー「だん吉」今回のドライバーは城島茂山口達也。愛知県最後の街・豊橋市から、静岡県入りを目指す。
真夏の愛知は、今日も猛暑日の気配。眩しい遠州灘が、いい波に乗るサーファーで賑わっている。
・初秋の香り
海に気を取られていると・・・浜辺の道は、やがて行き止まりに。「しばしお別れ」やむなく海岸を離れる。
遠州灘から、豊橋市内を北へ。路傍に名物の幟(のぼり)がはためいている。
『梨直売所』『もぎたての味』カラフルな幟の言葉に、甘い誘惑の香り。
「梨だ!」「もぎたて!」男2人も食欲をそそられる。
水はけのよい丘陵地帯の小島町。だん吉はナシ園に到着した。袋のかかった大きな実が、たくさん見えている。
「村(DASH村)のは、まだちょっと小さいけどね・・・どやろ」「穫(と)れるんじゃない?こっちは」
渥美半島の温暖な気候で栽培されているのは、前回のメロンだけではない。夏の終わりから秋には、梨もある。
・万に一つの無駄もナシ
と。ナシ園のおじいちゃん・伊藤さんを発見。これから梨もぎ作業をするというので、男2人もお手伝いすることに。
「品種で言うと、幸水が今」収穫の時期なのだそうで。「村でも作ってたやつ」とリーダー。
ネットで保護されたナシ園の中に入ると・・・
「うわー。よう生(な)ってるわー、これ」たわわに実った梨がいっぱい。
このあたりの「小島梨」は大正元年(1912年)から栽培されている。幸水豊水といった品種の他、大ぶりの実がとれる
新高(にいたか)梨が有名。
・甘い汁をすする
小島梨は“もぎ方”にも特徴があり、木から取るときは(実を傷つけないよう)ハサミを使わず手でもぎ取る。
その後、ヘタをハサミで切る。
実を上に持ち上げると、ヘタが普通に切れる。ねじったりする必要はない。
ずっしり来る重みを感じながら、食べ頃の実をもいでいく。山口さんは大ぶりの実をゲット。
リーダー「よう見つけたな」
山口「つーか、ね。オレが探すんじゃなくて、こいつが呼んでたのね♪」
おじいちゃんに「食べてみて下さい」と言われた男2人、早速“もぎたての味”を丸かじり。
「果汁がボタボタ」「うわー、美味しい!これ」ジューシーな味わい。
・包丁一本で勝負
ナシ園の入り口から「おじいちゃーん!」と呼ぶ声が。声のした方へ振り向くと
「梨ちょうだーい!」小学生の一団が来ていた―伊藤さんのお孫さんと、そのお友達だ。
実は地元の小沢小学校で、毎年9月に「小島梨の皮むき大会」なるイベントがあるのだそうで。子供たちが包丁を握り、
ひたすら梨の皮を細く長く、途切れないようにむいていく。45分間にどれだけ長くむけるかを競い合うのだ。
というわけで。昨年「3年生の部」で5メートル03センチという記録を出したチャンピオン・工藤駿杜(はやと)くんに、
“男エプロン”城島リーダーが勝負を挑む!
・称号返上!?
「用意。スタート!」
均一の細さと厚さで、順調に皮をむく駿杜くん。リーダーがその技に見惚れていると・・・10センチぐらいの所で
切れてしまった「見てたら切れたわ」。しかも厚切り。
そんな事には目もくれず、まるで紐のように細く長く皮をむき続ける駿杜くん。集中力も皮も途切れない。
「だいたい5ミリぐらいでいってるな」と山口さんの解説。
あきらめたリーダーは、食べやすい大きさに梨をむき始めた(笑)。「話にならんわ、やっぱり」。
「今後一切『エプロン城島』とか言っちゃダメだよ」山口さんから厳しいお言葉。
・誘惑に負けない
駿杜くんの邪魔をしないよう気をつけながら、男2人は他の子供たちと梨をいただく。
延々とむき続ける駿杜くんに山口さんが「梨食えば?」と声をかけたが
「いいです」。いらないの?「梨、あんまり好きじゃない」・・・それが集中力の秘密だった(笑)。
今回の記録は、15分で2メートル88センチ。で、再度確認。
「駿杜、梨は?」
「いい」・・・やっぱり。
・さよなら愛知、こんにちは静岡
ナシ園にお礼と別れを告げ、だん吉は国道42号線を東へ。海から少し離れた道、上って下ってを繰り返し・・・
「みんなの豊橋またどうぞ」という看板の向こうに、待望の文字が。
「愛知県、さよならー」次なる県は、1都1道2府34県目の

静岡県
湖西市

「入りましたー!」長い長い愛知県の旅路が終わり、静岡県に入った。
静岡といえば?「サッカーのイメージやな」とリーダー。サッカー、富士山、お茶・・・静岡名物いろいろあれど。
国道1号線に面した飲食店に並ぶ「うなぎ」の看板を見て、サッカーもお茶も吹っ飛び
「静岡に来たら、うなぎ食わにゃいかんな」と山口さん。湖畔の町の名物に、照準を合わせる。
・いこう浜名湖
浜名郡新居(あらい)町―江戸の昔は東海道の宿場町・新居宿だったあたり。
しばらく海から離れていたが、ようやく海沿いに出られそうな道が。「静岡の海に、挨拶しなきゃだね」。
海へ飛び込むように坂道を下り、水平線の眺めをしばし堪能する。
一旦景色が遮られ、浜辺らしきものが見えてきた。海に出たのか?「ちょっと湾になってるんだな」?
なおも海沿いだと思っていたら・・・目の前に「浜名湖ボート」の看板が。
そうです。ここは海ではありません。浜名湖です!
「でっかいなー!」浜名湖は大きな汽水湖(海水と淡水が混ざった湖)。もとは淡水湖だったが、約500年前の大地震
地形が変動、海水が流入して遠州灘の海とつながったのである。
・九字紋とは関係ない
再び、湖西市に入る。湖の港に差し掛かったが、道は「行き止まり」。引き返す前に、漁から戻った漁師さんが居たので
(密かにうなぎを期待しつつ)聞いてみる・・・何が獲れました?
「ドーマンだよ」。
「ドーマン??」
「今はね、ドーマンが真っ盛りだよ」ドーマンって何物なんですか?「カニね」カニですか。
今から獲りに行く、というので男2人も船に乗る。
港から10分。砂地の海底にドーマンが居るという。目印の“浮き”がある所に船をつけ、捕獲用の刺し網を引き上げる。
と!入ってました、大人の手のひら大のカニが!
・丸い体に身がぎっしり
ドーマン(ノコギリガザミ)は、大きなハサミを持つワタリガニの一種。胴体がまん丸いことから「どうまん」と呼ばれる。
乾電池をも潰すという強力なハサミにやられないよう、安全な縛り方でドーマンを拘束。
「食べたいら?」そう言われたら、御馳走にならない手はない。港に戻り、一番美味しい食べ方―塩茹でにして、
そのままいただく。
茹でたての身とカニみそを、たっぷり味わう。あの凶暴なハサミも、殻を割れば筋肉の塊。太い身にかぶりつけば、
ボリュームのある美味さ。男2人、きれいに平らげた。その美味さに「やられましたー」。
にしても「浜名湖カニ食うとは思わなかったね」。
・リアル・ポルコロッソ
だん吉は湖西市内をさらに北へ。その先に、漁港とは趣の違う港が。ヨットやボートが何艘も停泊しているのだ。
「ヨットとか、盛んなんかな」「らしいね」
更にその先に、ヨットやボートとは趣の違う乗り物が。ウルトラライトプレーンみたいな小型飛行機が、水面を走っている。
確かめようと立ち寄れば・・・湖面に居るのとは別にもう1機、桟橋につけている飛行機が。
「こんにちはー」操縦している人に声をかける。「これ飛行機ですか?」
「飛行機ですよ」
超小型水上飛行機―ジブリアニメ「紅の豚」に出てきた飛行艇「サボイアS21」みたい。と、
「どっかでお会いしてませんか?」操縦士のおじさんは2人に言う。
「知り合い?」誰やったっけ?
「知り合いですよう」どんな?「一緒に空飛んだ仲じゃないですか!」
ポルコロッソ(紅の豚)ならぬ、人間の操縦士のおじさん。実はこの人、半年前にだん吉が立ち寄った三重県津市で出会った
小型飛行機のおじさんと同一人物だった!
浜名湖のエースに
滑走路ではなく、水上で離着陸する超小型水上飛行機。それを自分で作り、浜名湖で飛ばしているのだそうで。
再会を祝し・・・リーダーはおじさんと一緒に空の旅へ。津のときは若干空に浮いた程度だったが、今回は上空150メートルまで
上昇できるとあって、本格的な空の旅。目指すは10km先のマリーナ。
山口さんはだん吉に乗り、国道301号線から合流地点を目指す。飛行機の姿は、陸上から見ると優雅なものだが
「うわあああああ!」高所恐怖症男は、操縦席で悲鳴を上げていた。
このシーンのBGMは、「紅の豚」のサントラ。ぴったりな選曲だ(笑)。
そのうち「操縦桿、ちょっと持ってて」と、操縦桿を持たされてしまうリーダー。緊張しながらも上手く操縦し、太平洋に
向かって飛んで行く。
眼下に広がる紺碧の絶景を「高すぎて、何が何だかわからんー!」。
浜名湖名物の王者
リーダーが悲鳴を上げている頃。山口さんは、とあるうなぎ料理店で「養殖うなぎ」と「浜名湖天然うなぎ」を見せて
もらっていた。
その違いを「見る」だけでなく、味わって確かめる。天然うなぎの美味さが蒲焼きよりもよくわかる、白焼きでいただくのだ。
リーダーのフライトの無事を祈って、いただきまーす。白焼きには、わさび醤油である。
「おほほー♪すげーなこれ」思わず顔がほころぶ。「身がちゃんとしてるわ」。
リーダーは今頃飛んでるだろうから「ゆっくり食ってこ」。
・寄り道した?
水上飛行機は浜名湖をぐるっと回り、浜松市の沿岸。40分の空の散歩を終えて、滑り込むように着水。
15分後。リーダーとおじさんが待っているところへ、山口さんがやっと来た。
「遅かったね」
「いやー、結構ね、曲がってんのよ道が」と、曖昧な言い訳(笑)。
しかし。いい感じに膨れたお腹を見れば、美味しいものを食べたことはすぐバレる。
「ずるいわー!」リーダーも白焼き食べたかったのに(笑)。
・運が悪けりゃ電池切れ
浜名湖の北端、浜松市内。日もとっぷりと暮れて、旧・三ケ日町あたり。だん吉のパワーも、あとわずか。
真っ暗な中、道だと思って入り込んだ場所は「駐車場だ」。
だん吉のパワーは瀕死状態。砂地の上をのろのろと這っていく。
「行くんだー!」「寄るんだ!寄るんだ!浜名湖に寄るんだー」だん吉を引っ張るように、シートベルトを引くリーダー
(実際はそんなことしても進まないんですけど)。
ここでバッテリーオフ。静岡の長い長い旅は、まだ始まったばかりだ。遥か東、富士山がだん吉を待っている。
・一旦抜けます
ここまで「だん吉」の旅を追いかけてきましたが、我らが愛知県を離れたので、このブログでレビューを書くのは今回まで。
ご主人様の地元である三重県北部が紹介されたのをきっかけに、その足取りを追ってきましたが・・・
愛知県の名物をいろいろ知ることができて、面白かったです。
−「静岡も地元みたいなもんじゃないですか?」
県西部にはあまり詳しくないです。すいません。
・沼津以東でまた会おう
ただ・・・今後だん吉が、我らの心の故郷である駿河湾や、伊豆半島沿岸にやって来たら、その時はまたレビューを
書いてみるかも知れません。
宝永火口(沼津市に面した、富士山の南側の凹み)が見える頃に、また会おう。それまで頑張れ、ソーラーカーだん吉!
中京テレビではこれまで「三重県走行中」「愛知県走行中」と、地元の視聴者を煽ってきました。今後は静岡第一テレビ
番宣をバックアップすることでしょう。