三河名物、いろいろあれど

ザ!鉄腕!DASH!!」(日本テレビ系)「ソーラーカーひとふで書きの旅」愛知の旅をプレイバック。
南知多町を出発したソーラーカー「だん吉」は、知多半島を北へ北へ。曇天模様で、お天気が心配だが・・・
この時期の愛知県、気温は上昇傾向。暑い日が続いていた。
今回のドライバーは城島茂長瀬智也。この先、目指す渥美半島は海の向こうに霞んで見える。まだまだ先は長いぞ。
「島(篠島)行ったけど・・・ここら辺、DASHでも来てないよね」全国を回ってきたTOKIOだが、知多半島三河湾沿いは
初めてだそうで。
・アダムとイブの前隠し
美浜町に入り、名物を探していると・・・道路沿いに並ぶ「完熟いちじく」という幟に目が止まる。
「有名なのかな?この辺」そう、愛知県はイチジクの生産量が日本一なんです。
イチジクは旧約聖書の「創世記」にも出てくるほど、古来からある果実。日本には江戸時代に伝わり、胃腸に良い
生薬として広まった。
大正末期には愛知県に入り、愛知用水で田畑の整備された土地で多く生産されるようになった。
旬は7月ぐらいだけど、もうあるのかな?というわけで。男2人、農園即売所「美浜ナチュラル村」に立ち寄る。
・甘い誘惑
美浜ナチュラル村には、いちじくジャムにいちじくクッキー、いちじくシフォンといったスイーツが並ぶ他、
いちじくドレッシングや焼肉のタレ、いちじくのとんかつソースなんていう意外な?商品も。
で。肝心の“生イチジク”の果実は?
「露地物は、まだこれから先なんですけどね」と店員さん。「山の手に行きますとね、ハウスで収穫してるそうですから」。
ハウス物のイチジクは、食べ頃らしい。それは(だん吉にとって)大きな寄り道になるが・・・迷わず行く!
・食べ頃を逃すな
それらしきビニールハウスが立ち並ぶ農園を発見、車を乗り入れてみると・・・軽トラックにイチジクの箱が満載。
「なんか、甘い匂いすんな♪」果実の香りをたどっていくと、農家のおじさんに遭遇。ハウスの中に案内される男2人。
イチジクは1本の木に、およそ20個の実を付ける。下から順番に実ができていくので、上のほうにある実は青くて未熟なのだ。
下の方を見ると・・・赤く熟した実が。もぎたてを、そのまま食べさせてもらう。
皮をむいた所の白い果肉が「練乳かかってるみたい」。糖度が13〜14度(メロン並みに)あるそうで。
完熟いちじく、丸かじり!「うめー!みずみずしいですね」「体に良さそうなの、なんとなくわかる」。
・花も実もある
「イチジクって、漢字で『無花果』って書くじゃないですか。本当に“花”が『無い』んですか?」とリーダー。
「これが花です」と、おじさんはイチジクの中にある“つぶつぶ”を指差した。「花を食べているわけなんです」。
外側の「練乳みたいな」ところは花托(かたく)。つぶつぶ状の小花が2000個近く密集して、あの形を成している。
「植物繊維がたくさんあって、高血圧とだか美容にいいっていうことで」健康効果が見直されてきているのだ。
「リーダーにちょうどいいじゃない」「何でやねん!」
心は十代!というリーダー、若返ったか(笑)。
おみやげにイチジクをもらい、農園をあとにするだん吉と男2人であった。
・今日も大漁
だん吉は海を求めて東へ進む。山の中から住宅地を抜け、小さな川をたどって行くと・・・河和(こうわ)漁港に着いた。
小型漁船が並ぶ、静かな港。漁を終え、網を片付けている漁師さんに訊いてみる。「何か釣られたんですか?」
「ちょっと、エビのね」と漁師さんが見せてくれたのは、体長5cmぐらいの小エビ・アカシャエビ(サルエビ)だ
(ダメ家でも、ご主人様のご実家からよく送ってもらうエビ。殻が薄く、刺身や揚げ物にしてそのまま食べると美味です)。
で。TOKIOの男2人が見たエビは、漁師さんが「せんべい屋に持って行くやつだもんで」。
とれたてのエビを、生きたまませんべい屋さんに運んで“えびせんべい”に加工するのだ。何しろ大量にあるもんで
長瀬くん「せんべい、何枚できちゃうんですか」
漁師さん「俺ぁせんべい屋じゃにゃあで、わからんけど」
・・・それを確かめるべく。エビ運びのお手伝いかたがた、せんべい屋さんへ立ち寄ることに。
・大胆に鉄板焼
「手焼きえびせん」の看板を掲げるお店で、直ちにせんべい作りが始まった。
あつあつに焼けたエビ焼き専用鉄板に、エビを生きたまま乗せる!
(『あぢぢぢぢ!』とばかりに、跳ねて逃げるのも居ますが^_^;)
エビが観念し、おとなしくなったら・・・上からもう一枚の鉄板で蓋をし、エビを潰して焼く。
新鮮なアカシャエビでしか作れない、姿焼きえびせんべい。県生産量は全国シェアの90%を占めるそうで。
エビの栄養も旨みも、まるごと凝縮。男2人も焼きたてをつまみ、やめられず止まらず(笑)。
「暑い夏に、キンキンに冷えた生ビールとこういうのと・・・合うやろなー」確かに。
愛知三河の伝統の味。来る夏だけでなく、いつでもどうぞ。
・今日の胃袋担当
おみやげにもらったえびせんべいをつまみながら、知多半島を更に北上。
「オレ今日、もうダメだ・・・」と長瀬くん。「イチジク2個食ってさあ、えびせん・・・」
「何枚食べた?」
「10枚ぐらい食った」満腹のおなかをさする。「もう運転任せるからさ、オレそっちで寝てていいかな」
もう少し先に行くと、今日の運転をやめる長瀬くんにうってつけの(?)名物が待ち構えているのだった。
・読み方はそのまま
だん吉は蒸し暑い曇天の下、国道247号線を北上。武豊町を抜け、半田市内へ。
247号線は堤防沿いから少し離れて、住宅地へと延びている。亀崎地区に入ると、ところどころに「神楽車」などと書かれた
三階建てほどの高さの格納庫が。「山車(だし)を入れてるやつやわ」とリーダー。
地元の人に訊いてみると「このへんでは『山車(やまぐるま)』って言うんですよ」。半田市内では31台あり、そのうち5台が
亀崎地区にあるのだそうで。
・伝統の技
「今(山車が)入ってるんですか?中に」
「解体して・・・入ってないんですよ」。
例年5月3日〜4日に行われる「亀崎潮干祭」が終わると、山車は解体されて蔵に眠る。その蔵の中身を見せてもらうと・・・
山車の呼び物である「からくり人形」もあった。尾張地方では江戸時代の昔から、からくり人形を使った祭礼が盛んに行われている。
電力などは使わず、昔ながらのぜんまい仕掛けや操り糸の仕組みで動いている。
ひとつの人形に数人の人がつき、呼吸を合わせて見事なからくりを披露するのだ。
男2人も、からくり人形の操作を体験させてもらう。祭りと同じく「越後獅子」の歌にあわせて「布ざらし」の人形の舞。
クライマックスの「布落し」も、見事成功。仕事柄、いいリズム感を発揮。TOKIOの5人でやってみませんか(違)。
・お米を炊くような
「160年前にあれ(からくりの技術)があったのが、信じらんない」感動に浸りつつ、半田市内を更に北上。
知多半島の付け根は、川のように細く入り組んだ衣浦港国道247号線が東に曲がり、衣浦大橋を渡るとそこは次の街・高浜市
知多半島もここで終わりやで」。ここからは三州・三河国だ。
なかなか晴れない曇り空の下、今度は247号線を南下。ほどなく次の港町・碧南市に入った。
「なんか、いい匂い」「ほんまやね。何やろ?」鼻の利く男2人、またも名物の香りを嗅ぎ付けた。
路傍の電柱には「三河みりん」の広告看板が。「作り方も気になるから、行こうよ」ということで、看板の矢印をたどる。
・本物の味
だん吉は三河みりんの老舗・角谷文治郎商店の工場に到着。三河地方は全国でもみりん製造業者の一番多い「みりんの本場」。
戦国時代は甘口の高級酒として飲まれていた味醂(みりん)酒。糖類や水飴から作る「みりん風調味料」と区別するため、
本醸造みりんは「本みりん」とも呼ばれる(駄メイドは専ら“本みりん”派です。お酒でなくちゃ)。
三河地方は水と気候風土に恵まれ、中部地方でも有数の酒どころ。日本酒やみりん、醸造酢なども多く生産されている。
工場のタンクの中では、米焼酎に漬けられたもち米と米麹が熟成されている。3ヶ月かけて、甘みを引き出すのだ。
米と麹を混ぜる作業は、丁寧に手作業で行われている。
・ひとりだけ気ままな旅で
長瀬くん、しぼりたての本みりんを味見。この時点でアルコール度数40度ぐらいだから、リーダー(運転する人)は飲んじゃダメよ。
黄金色の液体を、ちょいと一杯。
「甘ーい!すっごい甘い」もち米のデンプンが、十分に糖化熟成されて醸し出される甘み。飲んでよし、料理によし・・・って
「全部、知らん間に飲んでるがな!顔赤いで!」酔いが回る前に、お暇(いとま)しましょう。
おみやげに本みりんを1瓶もらったので、先ほどのえびせんべいをつまみにそのまま飲む。
「それ、合うやろなー」運転しながら、リーダーがうらやましそうに言う。長瀬くんはまるでウイスキーでも飲むように、
ワイルドな飲みっぷり。みりんなのにワイルド、て(笑)。
「いやー、食ったし飲んだし、もう・・・」あとは「ラーメン食いてー」。酔っ払いである。
三河は川だらけ
碧南市の南端にたどり着いたら、今度は矢作川に沿ってまた北上。そろそろ日が傾いてくる時間で
「天気悪いなー。一日中曇ってたな」結局、気温もそんなに上がらず雲も晴れず。乗ってる人は満腹だが、だん吉は腹ペコ状態。
国道247号線矢作川大橋を渡って西尾市に突入。海を目指して進むが・・・入り江から少し離れてしまった。
緩やかで長い上り坂が続き、だん吉は一気にパワーを消耗。最後の力を振り絞って進むと、ようやく海に出ることができた。
三河湾の向こうには、やがて走る渥美半島のシルエットが浮かぶ。が!
「行き止まり?」堤防の道は行き止まり。Uターンしようとしたところで、バッテリーオフ。
男2人、車を降りて海を見る。「ずーっと、ぐるーっと、こう行かなアカンわけやな」リーダーが三河湾の影を指差す。
「もうちょい、愛知は続きそうだね・・・頑張ろうよ」日差しは夏めく季節。ここからは三河国の旅だ。