ママレンジの記憶

「とくダネ!」(フジテレビ系)の特集「ニッポン人の忘れものプロジェクト」。
今回は大阪府の料理学校講師・佐藤祐子さん(44歳)の投稿。
昭和40年代に女の子たちを魅了した、伝説の調理玩具「ママレンジ」(アサヒ玩具)に関するエピソードだ。
・安全装置付き
ママレンジとは・・・ミニチュアのガスコンロのニクロム線電熱器にミニチュアのフライパンを乗せ、その上に
ホットケーキミックスのタネ(卵や牛乳で溶いたもの)を流し入れると、小さい(そして焼き色が薄い)ながらも
ホットケーキが焼けるという優れもの。
女子にとってリアルに食べられる食品でままごとをする事ほど楽しい事は
そうそう無い!のである。
最近流行の「調理玩具」の元祖とも言うべき存在。「とくダネ!」の司会者・コメンテーターの中では
“直撃世代”の笠井信輔アナウンサーが詳しく知っていた。
駄メイドは残念ながら買ってもらえなかったが・・・3歳ぐらいの頃、当時住んでいた社宅の友達のお姉さんが
ホットケーキを焼いて食べさせてくれたのを覚えている。
・フライパンをしっかり温めるのがコツ
で。今日のテレビに登場した、佐藤祐子さんの場合―家業の寿司屋の仕事+生まれたばかりの弟の世話で忙しかった
ご両親が「普段構ってやれない罪滅ぼしに」ママレンジを買ってくれたそうで。
ママレンジで上手く焼けたホットケーキを、お母さんが「美味しい」と言ってくれたことがきっかけで祐子さんは
お菓子作りが趣味となり、やがて料理の先生という職に就くことにつながったという。
それまで祐子さんはよく叱られて「お母さんはきっと、私の事が嫌いなんだ」と思っていたほどだったが・・・
ママレンジがくれたもの、それは母と子の絆だったのだ。
「おいしい」という記憶は、いつまでも忘れない―「食べること」は「生きること」に直結するから。
三重県の名所です
また、祐子さんは「ママレンジで再び料理を作ってみたい」と、メーカーに問い合わせたが・・・
「ママシリーズ」のメーカーであるアサヒ玩具は、ずいぶん前に会社を解散している。
中古品をネットオークションで買うしかないのか?と思いきや。三重県伊賀市に“昭和体験”ができるお店
「昭和ハウス」があるということで、そちらを訪れた。
そこでは「ママレンジ」でのホットケーキ作りを体験できる講座もあるそうで。今やプロフェッショナルとなった
祐子さんの作るミニホットケーキは、さすがの出来栄えでした。
かつて「探偵!ナイトスクープ」(ABC朝日放送)で、元・辻学園調理製菓専門学校主任教授の林繁和(現・林裕人)先生が
新古品のママレンジで目玉焼きやオムレツなど様々な料理を作ったことがあったが(笑)。プロも納得の性能である。
・電子レンジの力もあるが
さて。最近も出ている調理玩具は、ママレンジよりも出来上がりのクオリティが高いものが多い。
モノによっては、おやつ・ままごと遊びどころか、家族の食事や子供のパーティーに使えそうなのもある。
そういう玩具もまた、家族や友達の絆を紡いでいくのだろう。