それぞれの「二度目の春」

今週の連続テレビ小説「つばさ」。
年末に「総集編」(12月29日:前編、30日:後編)が放送されることが決定。「瞳」「だんだん」と同様、
ドラマ本編だけでなく“プチ続編”「その後の玉木家」の映像も追加されるそうで。やったー!楽しみ!
そして。せっかくだから、スピンオフドラマをラジオドラマでやって欲しいです
NHK-FMの「○○三昧」シリーズで「朝ドラ主題歌曲三昧」なんていかがでしょうか)。
同じ戸田山雅司さんが脚本を手掛けたNHKドラマ「ロッカーのハナコさん」のメンバーが乱入してきても面白いかも。
イッセー尾形さんや加藤みどりさん、麻生美代子さんといった“声の名優”が多く出演されたことですし。
ラジオだからこそできる事が、あるのではないでしょうか。
・ラジオぽてと1周年
リアルの世界では、そろそろ10月の「川越まつり」が近づいている今日この頃。ドラマの中では時は流れて
2010年3月下旬―ラジオぽてとが開局準備を始めた頃から、早くも“2度目の春”を迎えようとしていた。
立ち退きを免れた川越キネマから、今日もつばさちゃん(多部未華子)の声が放送されている。
ロナウ二郎さん(脇知弘)も本格復帰、浪岡さん(ROLLY)も「音楽の蔵」を「音楽の茶釜」に衣替えして
月1回ではあるがパーソナリティーをつとめる。
そしてケチケチ山@伸子さん(松本明子)のもとに、夫・良男さん(太川陽介)から手紙が来た―
温泉を掘りあてることに成功して借金が完済間近となり、川越で親子3人でまた暮らせることになったというのだ。
というわけで。伸子さんは城之内エンタープライズを辞めて、ラジオぽてとに復帰。代わりに良男さんを
マダム城之内(冨士真奈美)の秘書として雇ってもらったという。
・おかんの存在意義
甘玉堂も蔵造り通りの店に戻り、めでたしめでたし・・・と思われたが。
しかしまだ、つばさちゃん(多部未華子)とマリバロン加乃子さん(高畑淳子)母子の確執に、結着はついていない。
10歳の頃から今まで、自分を捨てた母を憎むことで「おかん業務」をするためのモチベーションを高めてきた
つばさちゃんである。
・今回も妄想でした
思えば、まるで「つばさが母で、加乃子さんが娘だ」とあべこべ親子だった二人。
竹雄お父さん(中村梅雀)は「つばさを『おかん』から卒業させ、加乃子さんを『娘』から卒業させる」手段として
加乃子さんと「二度目の結婚式」を挙げることを決意。結婚式というのは「娘と母親を卒業させる儀式」だからだ。
そして。竹雄お父さんは「いつか、つばさもお嫁にいっちゃうのかなあ」と娘の花嫁姿を妄想し、涙するのであった。
結局、あの白無垢姿は妄想オチだったのね。
・町中がカーニバル
結婚式当日。「今までお世話になりました」白無垢姿の加乃子さんが、三つ指をついてつばさちゃんに挨拶する。
つばさちゃんは初めて、心から母を許す気持ちになったのだった。
結婚式は粛々と進んでいたが・・・浩徳さん(西城秀樹)が「本場からサンバダンサーを連れて」帰って来たー!
玉木家の家族や結婚式の参列者だけでなく、ご近所さんも街の人もカーニバル!蔵造り通りの道が
数百人で津波の状態に(笑)。
・さよなら、ラジオの男
店のトロッコを押して押して・・・何故かそのまま東京まで行ってしまった両親(あり得ないし)。
夜。一息つくつばさちゃんのもとに、ラジオのおっさん(イッセー尾形)が現れた。「やっと片付いたな」。
そして。おっさんは「オレはもう、あんたの前には現れない」と言い出した。思えば10歳で母に捨てられた頃から
つばさちゃんの“話し相手”となってきた「ラジオの男」。
彼女の人生のいろんな問題が片付いた今、自分の役目は終わったというのだ。
「これからも話し相手になってよ!」と涙するつばさちゃん。しかしもう、彼女の目(心眼?)には
ラジオのおっさんの姿は見えなくなっていたのだった・・・。
つーか。年末の総集編で、あっさり戻って来そうな気もするけど(笑)。
・おかんを独占するな
真瀬社長(宅間孝行)のもとに、“ラブレター”が届いた。
差出人は、佐賀県コミュニティFMを設立しようとしている会社。昨年暮れのニュース番組でラジオぽてとを見て、
川越で成功したノウハウを授けて欲しいというのだ。
「俺のこれからの人生に、お前が居て欲しい」真瀬社長はつばさちゃんに佐賀について来るよう頼んだ―というか。
事実上のプロポーズである。
優花ちゃん(畠山彩奈)も「つばさが一緒じゃなきゃ、やだー」とせがむ。
つばさちゃんとしては。真瀬さんのことも少しは好きだし、優花ちゃんを可愛いとも思う。
しかし。それ以上に。川越の人々と川越の街が好きなのである。
「お母さんには、なれません」つばさちゃんは優花ちゃんに言った。
すると優花ちゃんも、自分の身の回りのことを自分でするようになり「つばさが居なくても大丈夫」と、気丈に振る舞った。
こうして人は成長してゆくのだ。
・一気に片付く
小料理「こえど」のお品書きに「シュラスコはじめました」の貼り紙が?
シュラスコは“ブラジル風の焼き肉”。大きな肉の塊を焼いて切り分ける、見た目にも豪快な料理だ。
ブラジル、ということは・・・そうです。浩徳さんと麻子ママ(井上和香)がいい仲に(笑)。
佐賀に行った真瀬さんと優花ちゃんは、山の中でアンテナを持って「回れー!」と周波数探し(そこから始めるんかい)!
そこへ、みちるさん(山本未来)が横槍を入れに・・・もとい、応援に来た。優花ちゃんもみちるさんに懐き、
こちらもいい感じになりそうである。
知秋くん(冨浦智嗣)は、和菓子職人としてはまだまだ修行が要るようだが・・・万里ちゃん(吉田桂子)から
サッカー観戦に誘われて「やったー!」と大喜び。
千代ばあちゃん(吉行和子)を(茶飲み友達にでもなりたくて?)訪ねて来たマダム城之内が、そんな知秋くんを見て
「若いっていいわねー」と羨(うらや)んでいた。本当。若いっていいですよねー。
・最強2トップの「二度目の春」は
そして。翔太くん(小柳友)がブラジルに発つ日がやって来た。一緒に練習したグラウンドに、再び立つ二人。
「今度こそ、もっと強い男になって帰ってくるから」。
つばさちゃんも、翔太くんの帰りを「待ってるから」。やっぱりお前らは最強コンビだ!
このふたりの仲むつまじい姿を、もう少し見たかった気がします。
・聴く人に寄り添う
翔太くんが去り、浩徳さんが戻って来た斉藤興業のオフィスのステージには・・・新しく、つばさちゃんの
写真パネルが飾られた。
「川越の新しい女神だ」と浩徳さん。
今や「ラジオぽてとのおかん」となったつばさちゃんの声は、小江戸・川越の街を吹き抜ける風のように飛び続ける。
そしてその思いはラジオ電波に乗せて飛び、川越の人々の心を羽ばたかせる“つばさ”となるだろう。
・きっとまた会えるよね、絶対
中の人、お疲れさまでした。朝から笑いましたし、20歳のヒロインをはじめとする登場人物が持つ“若さ”に
ときめきました(年齢的な若さというだけでなく、千代ばあちゃんやマダム城之内といった人生のベテランが持つ
恋心や情熱にも)。
・合言葉は「おつカメさまです」
そして。来週からは新作「ウェルかめ」がスタート。
徳島県南部、その名の通り美しい波が打ち寄せる美波町を舞台に、元気な女の子・波美ちゃんが
コミュニティラジオならぬコミュニティペーパー(地元密着の情報誌)の編集者として活躍する姿を描く。
海亀のように世界へ旅立ち、そして生まれ故郷への愛も忘れず。
果たして彼女は、人生の大海原で夢を見つけられるのか?心の中にある“ウミガメのコンパス”を信じて進め!
とりあえずタイトル映像のゆるキャラ「かめっ太くん」に、早く会いたい(笑)。「きりぼんちゃん」や「ゴーヤーマン
みたいに、朝ドラに「ゆるキャラ」が出るのが恒例になるといいな。