不屈のカミソリシュート!盛田幸妃

ドキュメント番組「不屈の者たちへ 奇跡のストッパー 人生のマウンドに立つ」(NHK)で、
プロ野球解説者・盛田幸妃さんの人生を特集していた。
盛田さんは函館有斗高時代に甲子園に3回(1985年夏、1986年センバツ、1987年夏)出場した後、
1988年(1987年秋)ドラフト1位指名で横浜大洋に入団。佐々木主浩投手とのダブルストッパー体勢で活躍した。
・古巣ベイスターズが優勝した頃
1998年、大阪近鉄バファローズに移籍。その年、彼に病魔が襲いかかった―脳腫瘍と診断され、シーズン中に
手術を受けるため戦線離脱。
幸い、良性だったので死に至るまでは行かないが・・・身体機能に影響が出るため、医師から
「野球選手として復帰するのは無理」と宣告された。
しかし必死のリハビリを続け、まさに不屈の闘志で復活。翌1999年のシーズン最終戦で、一軍マウンドに復帰した。
・病気が教えてくれたこと。
復帰を目指して最初から「諦めず頑張るぞ」と思っていたかと思えば・・・どうやらそうでもないらしい。
思い通りに動かない体に苛立ち、やがて絶望感にさいなまれる。そして自ら死を選ぶことさえ考えたのだが・・・

「それまでは他人の事なんて考えなかった―相手を押しのけて這い上がるのが、プロの世界だったから。
でも病気になって、はじめて『人のありがたさ』が分かった」。

自分を支えてくれる愛妻・倫子さんをはじめ、病院の医師・看護師・スタッフの皆さん。そして自分の復帰を待っているファン。
そういった人々の支えや励ましがあってこそ、自分は生きられる。
他人を押しのける力があっても、病気には勝てない。他人と支えあう力があれば、強く生きていける。
そう気付いた盛田さんに、再び生きる勇気がわいてきた。
TBSニュースバードでいつも見てます
2001年には近鉄の優勝に貢献、カムバック賞を受賞。翌2002年、現役を引退する。
引退後は野球解説者として、TBSラジオCS放送ベイスターズ戦中継に出演中。
各チームの取材・情報収集や戦力研究・分析、そして講演活動や少年野球指導・・・と忙しい日々を送っている。
そんな盛田さん、2005年に腫瘍が再発したことが発覚。翌年に再手術したという(知らんかった)。
日常生活に支障はないとは言え、今も通院治療は続いている。そして主治医から「50歳まで生きられれば
いい方と思ってください」と言われたという。
だからこそ。残された人生を真剣に生きる。不屈の闘志と感謝の気持ちとともに。
50歳といわず。ベイスタが前回優勝から38年後に再び優勝するまで、生きててもらわないと(あと27年か)。