Viva!月島

NHK連続テレビ小説「瞳」最終回です。住吉大社例大祭ロケによる、祭りのクライマックスシーンを再び
(この日記を更新する頃には次回作「だんだん」が始まっていたので既に懐かしい感じが)。
・一度は聞くもの
2008年8月1日。住吉大社例大祭で3日後に登場する“千貫神輿”が組み立てられた。そう、長瀬さん(勝村政信)が
担ぐ予定の、あの千貫神輿である。
その日に向けて、長瀬さんは瞳ちゃん(榮倉奈々)と百子お母さん(飯島直子)に見守られながらトレーニングを続ける。
必死になっているダメ親父を見て、瞳ちゃんはお母さんに「お父さんのどこが良かったの?」と聞いてみた。
「この人と一緒に居たら、何かいいことがありそうな気がしたの」一緒に「居る」だけじゃ、いいことには
ありつけないよ(謎)。
・心は帰ってきてる
その日。月島に“あの人”が帰って来た。電器店をたたんで福島に移住した、岡本の親父さん(笹野高史)である。
鉄平くん(須賀健太)も居るのかな?と思ったら、サッカーの合宿と重なったため、来られなかったという。
そのかわり。友梨亜ちゃん(森迫永依)宛に、手紙を書いてくれていた。サッカーで頑張っている近況が書かれていた他、
ユニフォーム姿のカッチョいい写真も同封されていた。
「瞳、ありがとう」鉄平くんが引っ越してしまう時「勇気出して気持ちを伝えよう」と後押ししてくれた瞳ちゃんに、
友梨亜ちゃんはお礼を言うのだった。あの時、勇気を出せて良かったね。
・若い衆の晴れ舞台
8月2日、早朝5時。既に明るくなっている月島の空に、一番太鼓が響き渡った。
今日は獅子頭・宮出しの日。若い衆がおひねりを投げながら獅子頭を追いかけ、鼻を取り合うという勇壮な行事。
さながら、スペインの牛追い祭りのようだ(汗)。
・あの人の目はごまかせない
祭りの後。瞳ちゃんはKENさん(眞木大輔)に「ダンスの公園」と題した発表会のチラシを見せて「出て欲しいんです」
と頼んだ。KENさんとRAYさん(香子)と瞳ちゃんの3人で踊り、最後に思い出を作りたい、と。
「わかった」ニューヨークに行く前に、KENさんは踊ってくれることになった。
ローズママ(篠井英介)からも、KENさんに対する思いを見抜かれている瞳ちゃん。最後のダンスに向けて動き出す。
冒険してもいい頃
一本木家に、伊豆大島の美紀恵さん(小池栄子)から電話がかかって来た。
家族でお祭りを見に来る予定だったが、利男じいちゃん(田中健)が熱を出し、行けなくなってしまったというのだ。
で、将太くん(中村咲哉)が電話の横で「もう4年生になったんだから、一人で行ける」と言い張っている。
結局、彼は一人で水中翼船に乗って月島に来ることになった。まあ、電車の乗り換えがあるわけじゃないし。
・成長ぶりを示す
13時15分。将太くんが竹芝桟橋に到着。迎えに来た瞳ちゃんと、待合室で無事合流。
久しぶりに会う将太くんは、日に焼けて精悍な顔になっていた。タオルケットの切れ端を握ってた頃とは、
エラい違いだ。
午後になって佃に戻った獅子たちは、それぞれ家々を回る。
玄関先にはその年までに亡くなった家族の遺影が掲げられている―亡くなった人にも、祭りを楽しんでもらうのだ。
・高身長はこんな時便利
8月3日。この日は海上祭・船渡御の日。宮神輿の宮出しである。
船渡御は護岸工事のため昭和37年(1962年)に中断され、その後のウォーターフロント開発により平成2年(1990年)に
復活した。
当時3歳だった瞳ちゃんも、見ていた筈なのだが・・・その時の事は覚えていない。
宮神輿が船に乗って、佃〜月島〜勝どき〜晴海を一周する。佃の町に戻った神輿は、勝太郎じいちゃん(西田敏行)、
勇次郎さん(前田吟)ら世話役に担がれて町を回る。
揃って見ていた瞳ちゃんと両親のもとへ、神輿が近づいてくる。瞳ちゃんは家に入り、節子ばあちゃん(泉晶子)の
遺影を持って来て掲げた。「ばあちゃんが見てるよー!」
14時30分、宮神輿は勝どきの御旅所(おたびしょ)に到着した。ここに一晩安置され、明日住吉神社へと戻ることになる。
・総力戦で
3人が、もんじゃ焼き「あにおとうと」に行くと・・・すずらん化粧品東京支社の皆さんが来ていた。
いつも渋面の支社長さん(藤田宗久)も、今日はお祭りを楽しんでいるようで。
築地の森本食堂兄弟(おかやまはじめ高田延彦)も、厨房の応援に駆け付けている。
店にはRAYさんも来ていて、発表会の件をKENさんから聞いたという。「3人で踊ろう」瞳ちゃんに約束してくれた。
・逃げちゃダメだ
そして。更に意外な人々が―ウメさん(菅井きん)と息子・哲夫さん(ラサール石井)一家が現れたのだ。
“セレブ嫁”枝里子さん(三原じゅん子)は、昨年来た時の失礼な振る舞いを中根兄弟(小倉久寛小林正寛)に詫びた。
もんじゃ焼を食わず嫌いしていた武志くん(神谷涼太)も、今回は美味しく食べていた。
哲夫さんは百子さんに、あの後の経緯を話した。夫婦でよく話し合って、“本当の夫婦”になれたのだという。
「やっぱり、家族ってのは逃げてちゃダメだな」・・・“家族再生”という宿題、横山家に先を越されたようです。
・お約束のトラブル
いよいよ明日は最終日、千貫神輿が出る日。勝太郎じいちゃんは瞳ちゃんに、明日の昼2時には一本木家に
必ず来るように!と長瀬さんに伝えておくよう、念を押す。
その長瀬さん宅に居る百子さんから、瞳ちゃんに電話が入った。長瀬さんのプレゼンが得意先の社長にひっくり返されて、
今日中にやり直して提出しなければいけなくなった、というのだ。
ひえー。こんな大事な時にー。
・何が一番大事?
翌日。約束の時間になっても、長瀬さんは現れない。
徹夜仕事の末、彼がやって来たのは14時半を過ぎた頃。
「急な仕事が入りまして」息を切らしながら駆けこんでくる長瀬さんに、勝太郎さんは怒り心頭である。そりゃそうだ。
「今日が大事な日だって、わかってるよね?」祭り命!の爺ちゃんには、神輿より仕事を優先する気持ちが理解できない。
・裏切らないから
しかし。長瀬さんとて、神輿をおろそかにしていたわけではない。今日が大事な日なのは、十分よくわかっている。
が、自分の会社がせっかくいただいた仕事に「手を抜くわけにはいかないんです」。
百子さんと離婚した後、行く先々でいろんな人に助けられた。お金なんてバブルが弾けたら無くなっちゃったけど、
最後に残ったのは「人との繋がり」。―その大切さが、身にしみてわかったのだという。
その人たちのためにも、仕事は完璧にやりたい。手を抜きたくはない。
「でも今日は頑張ります。全力で担ぎます」そう語る長瀬さんに、揃衣(そろい)に着替えるよう勝太郎じいちゃんは促した。
果たして長瀬さんは、生きて帰れるのか!?
・クライマックスだ
そしていよいよ、千貫神輿の巡行が始まった。明くん(吉武怜朗)も勇蔵さん(安田顕)も担いでいる。
彼らは2時間という長丁場を乗り切れるのか?
「長瀬ー!気合入れろー!!」瞳ちゃんと百子さんも、声援を送る。恵子姐さん(宇野実彩子)は
勇蔵さんに声援を送る。
17時。どうにか無事に神輿を担ぎ終えた長瀬さんでしたが・・・さすがに倒れこんでしまった。
これこそ「ロッキー」のテーマ曲でも流れてきそうな場面(笑)。お疲れ様でした。
かくして住吉大社例大祭は、無事に終わりの時を迎えたのだった。
・花火持ったままでよそ見するな
夜。一本木家の門前で、子供たち3人が花火をしている。
勝太郎じいちゃんと瞳ちゃん、百子お母さんと長瀬さんはそれを見ながら、ビールを飲んでいる。
「嬉しかったなー、この日は夜更かしできるから」と百子お母さん。
「18年前・・・しこたま花火を買い込んで待ってたんだよなー」勝太郎じいちゃんは“あの日”を振り返る。
今日は瞳ちゃんの代わりに、将太くんたちが花火を楽しんでいる。18年越しの線香花火である。
・プライスレスな男
「長瀬さん、いい担ぎっぷりだったよ」瞳ちゃんやKENさんのトレーニングが実を結び、勝太郎じいちゃんに褒められた。
「これからもさ、こうして集まってさ、飯でも食いましょう」と、じいちゃん。何とか許してもらえたようで。
「一生忘れない、今日という日に・・・乾杯ー!」和解の功労者である瞳ちゃんの音頭で、大人たちは乾杯した。
亡くなった節子ばあちゃんも、喜んでいることだろう。
それを聞いた勇蔵さんは「あにおとうと」に駆け込み、打ち上げ中の人々に「長瀬、合格!」手で丸印を作って知らせた。
「ばんざーい!」顔なじみの皆さんも、万歳三唱で祝うのだった。
深夜。勝太郎じいちゃんはアルバムを開き、長瀬さんの顔に貼ってあった「¥0」のシールを剥がすのだった。
・鰹節も恋も、身を削られて
一夜明けて。一本木家の朝食は、久しぶりに子供3人態勢。恒例の“納豆ぐるぐるレース”も盛り上がる(笑)。
その後、将太くんは伊豆大島へと帰って行った。
勝太郎じいちゃんが居酒屋「まつり」に行くと・・・何故か勇次郎さんが、マリさん(木の実ナナ)と一緒にカウンターに
入って、鰹節を削っていた。なんでカウンターに入ってるの?
「まあ・・・あちこちぶつかってさ」ぶつかった末がそれか(笑)。
8月17日。大幟(おおのぼり)の巨大柱と枠が再び、お堀に埋め戻された。これからまた、3年間の眠りにつくことになる。
・もうひとつの祭り
神社の祭りが終わったら、今度は瞳ダンススタジオの発表会「ダンスの公園」に向けた準備が始まる。
友梨亜ちゃんと中学校のダンス部も、特別参加することになった。
生徒のレッスンの後、瞳ちゃんはKENさん、RAYさんとのダンスレッスン。発表会の時、講師は大変なのである。
真剣にやるあまり「瞳。顔、怖い」RAYさんに指摘される(汗)。
そして。KENさんがニューヨークに出発する日が、発表会の翌日と決まった。RAYさんも、その一週間後に旅立つ。
・放置されなくて良かった
9月23日、発表会当日。生徒の他、月島の皆さんも見に来てくれた。
その中に、純子姐さん(満島ひかり)と由香さん(田野アサミ)の姿も―デビューの話はどうなったんだ?と思ったら。
「来年2月にデビューが決まった」という、嬉しい報告が。
さらに駆け付けてくれたMOBOさん(Q-TARO)のMCで、ダンス発表会がスタート!
「ダンスの公園」の名にふさわしく、楽しい発表会。老若男女各コースの皆さんが、練習の成果を発揮する。
・行けば分かるさ
最後に生徒たちから花束を贈呈された瞳ちゃん、コメントを求められて
「私は、あまりダンスが上手くありません!!」。
それを言うな(笑)。でも、それだけに「いっぱい練習したので、教えることは得意です」。
長瀬さん同様、瞳ちゃんにとっても「出会った人が、自分の財産」。その出会ってくれた人たちが、ダンスを通じて
気持ちを通じ合わせてくれたら・・・というのが、彼女の信じるダンスの力。
思えば、瞳ちゃんはいろんな人を仲良しにさせてきた。仲の悪かった純子姐さんと由香お嬢様を説得して、ROSEMARYを
結成したり。里子の3人とも“家族”になり、ウメさんと横山家を和解させたり・・・で、自分の両親と祖父をも取り持った。
「瞳が考えるダンスは、いいと思う・・・迷わずに行きなよ」RAYさんの言葉に、勇気づけられる瞳ちゃんであった。
・バイバイ!
勝太郎じいちゃんは、何か心配しているらしい。「瞳・・・あんた、行きたい所に行っていいんだからね」
子供たちの世話や家のことで、瞳ちゃんが自分の夢を犠牲にしているのではないか。そう思っていたのだ。
「あたしは、ここに居るよ」月島が好きで、みんなが好きで、ここに居たいのだから。
そして、佃の公園。瞳ちゃんは、KENさんにもお別れを言うことに。「寂しいです・・・遠くに行ってしまうのは」。
「C1000ビタミンレモン」(ハウスウェルネスフーズ)のCMみたいに「あのー・・・好きです!」って言わんのか(笑)。
「俺も寂しいよ・・・いつか日本に戻ってくるよ」いつになるかはわからないけど、いつかは。
・後世に残る名言
その後、そこにローズママがやって来た。ここに来ると、以前将太くんに言われたことを思い出すという。
「おじさんは、おばさんなのー?」と、将太くんに素朴な疑問をぶつけられたローズママ。思いついた答えが
「人間よー♪」。だから、みんなおホモだち・・・もとい、お友達なんだよ。そして、家族なんだよ。
瞳ちゃんと月島の人たちの(騒がしくも)温かい生活は、これからも続いて行く。
・童の目、と書いて「瞳」
中の人、お疲れ様でした。
かつて「血の繋がりのない3人の子供」と暮らす男性を描いた「池中玄太80キロ」(日本テレビ系)の主演だった
西田敏行さんが出ておられたこともあって「瞳」は「平成の池中玄太」たり得るのか、と思ったが・・・少し違うようで。
20歳の瞳ちゃんは、「大人」と「子供」両方の目で「家族」を見つめ続けた。
本当の家族より家族らしい一本木家を通して、「家族のあり方」を描いた作品でありました。
次週からはマナカナ主演の大阪制作ドラマ「だんだん」が始まる。こちらも楽しみ。