最後のダイヤモンド―三菱電機、携帯製造から撤退

携帯電話の「Dシリーズ」で知られる三菱電機が、現在発売中のNTTドコモ用モデルを最後に携帯電話製造をやめるらしい。
三菱電機(以下、D)といえば、80年代の自動車電話・ショルダーホン時代から携帯電話を作り続けた老舗メーカーのひとつ。
小型軽量化にいち早く成功、フリップタイプ(通称パカパカ)のデザインで人気を博した。
・言われてみれば確かに
ところが。21世紀に入ってから、シェアがどんどん減少。トップグループのSH(シャープ)やP(パナソニック)に
大きく水をあけられるようになった。
以前は複数の携帯電話キャリア(電話会社)に端末を提供していたが、現在はドコモのみだそうで
(そういえば。いつの間にか、ソフトバンクモバイルからDが消えていた)。
ただでさえ「1人1台」に行き渡りつつあり、飽和状態の携帯電話市場。新規加入による売り上げが頭打ち。
この上「販売奨励金」の廃止により、ユーザーの「買い替えのサイクル」が長くなり、開発費が年々上がるのに対して
利益が上がらなくなってきた・・・というのも原因だそうで。
・強いブランドがあれば
ワンセグ携帯の登場で「AQUOSケータイ」(SH)や「VIERAケータイ」(P)「WOOOケータイ」(H=日立)といった
「高画質液晶」を売りにする携帯電話が人気を集める時代。
某専門家の方によると「Dの場合はこれ、という“強み”を生かせなかった」とのこと。
SHなら液晶、CA(カシオ計算機)なら「G-SHOCK」「EXILIM」、T(東芝)なら「モバイルRupo」、SE(ソニー・エリクソン)なら
ウォークマン」「サイバーショット」など、その会社の得意とする製品のブランドを冠した携帯電話が売れている時代。
−「Rupo(ワープロ)は、もう生産終了してますけど?」
個人的な思い入れです。すいません。アクオスケータイが出たとき、似たような文章書きました。
・「音」は必要ない?
それなら。Dにも高級オーディオシステム「DIATONE」があるじゃないか、と思ったが・・・若い人はダイヤトーン
存在を知らないらしい(泣)。現在のDIATONEは、カーオーディオやテレビのスピーカーだけなのね。
今や、携帯電話は「ミニパソコン」であって、通話の道具じゃないからな。通話音質は問題にならん。
そうやって音響機器系メーカー(の携帯)は死んでいった―パイオニアやケンウッドしかり。
既にSA(三洋電機)が携帯電話事業をK(京セラ)に譲渡することが決まっているらしい。携帯電話業界もサバイバル合戦の時代だ。
・一週間後の追記
その後「ソニエリも国内の携帯製造事業を縮小」のニュースが。こちらは海外の市場に活路を求めるらしい。