鉄砲勇助とブラックA子

今週のNHK連続テレビ小説ちりとてちん」。
地獄道中に旅立った草若師匠(渡瀬恒彦)のお葬式も終わり、主を失った吉田邸。
普通に遺産相続すれば、小草若兄さん(茂山宗彦)のものになる―草々兄さん(青木崇高)は小草若兄さんに
「自分たちは出て行くから、ここに住んだらどうか」と提案する。
が、小草若兄さんはそれを断った。思い出の詰まったこの家で、今更一人で暮らすのも寂しすぎる・・・というのだ。
それに“弟子入り志願者”も居ることだし、引き続きこの家に住んで「師匠の落語」を受け継ぎ、伝えて欲しいともいう。
草々&若狭夫妻は、この家(以下、徒然亭屋敷)で暮らし続けることを決めた。「小草若が『徒然亭草若』の名を継いで
戻ってくる日まで、この家を守り続ける」と。
「ただ・・・家賃は払うてな」と小草若兄さん。てゆーか借家契約。
・「小」の字の苦悩
後日。天狗芸能の鞍馬社長(竜雷太)に挨拶に行った小草若兄さんは、草若師匠が亡くなる半年前に「常打ち小屋を作りたい」と
話していたことを聞かされる。
そして「草若の名を継ぐ噺家になる覚悟はあるのか」と詰問され、固まってしまう小草若兄さんであった。
今の彼には、父の名はあまりに重過ぎる・・・。
・恐竜アタマの師匠
そうです。かねてから「草々師匠に弟子入りしたい」としつこく電話してきていた青年・木曽山勇助(辻本祐樹)がやって来た。
大学の落語研究会出身で、徒然亭一門の落語が好きだという木曽山くん。「落語の伝統の『大きな流れ』の中に入りたいんです」。
先日の「一門弟子の会」も見ていたとかで、若狭ちゃんの創作落語と兄弟子4人の「地獄八景亡者戯」を絶賛!
5人はすっかり有頂天!
早くに両親を亡くしているという彼に同情した草々兄さん、弟子入りを一発許可。
・今週の名場面
「おかみさん」と呼ばれた若狭ちゃん、嬉しいやら恥ずかしいやら不安やら・・・どんな事をすればいいのかがわからない。
草々兄さん曰く「かいつまんで言うたら『お母ちゃん』やな」。自分がお母ちゃんにしてもらったようなことをすればええのや、と。
過去をふりかえると・・・母・糸子さん(和久井映見)がこれまでしてくれた“特殊な言動”しか思い浮かばない。
草々「何を特殊な想像ばっかりしてんねん」(;-_-)
・・・母親が特殊なひとだと、苦労するのよ(汗)。わかるわー。
草若師匠夫人・志保さん(藤吉久美子)は、叱ってくれたり褒めてくれたり、春の陽だまりのように暖かい人だった・・・と草々兄さん。
「そんなこと、私にできるんやろか。こんな・・・冬の水たまりみたいな私に」
うまい(笑)。言うようになったな、若狭ちゃん!
・奇怪な行動
弟子入りの慣例に従い、家事と師匠の身の回りの世話から始めさせるが・・・若狭ちゃんと違って(笑)すべて完璧。
親代わりの姉が居て家事を教えてくれたのだが、その姉も「亡くなった」という話に、草々&若狭夫妻は涙する。
いい弟子が来たと喜んでいる若狭ちゃんだが、奈津子さん(原沙知絵)は彼に「『肉じゃが女』や『ボタン付け女』に通じる、
胡散臭いもんを感じる」と言う。
“肉じゃが女”の男版ですか。そりゃ食えんな。
ある日。木曽山くんが夕方になっても帰ってこないので心配していたら「捨て猫を見つけて、その親を探していた」という。
また別の日は「道で知らないおばちゃんが怪我をしていたので、介抱して千里の自宅まで送り届けた」らしい。
優しいのか、ただの天然なのか・・・なかなか面白い奴である。
・あの世から電話
そんな中。福井に居たA子@和田清海ちゃん(佐藤めぐみ)が、B子@若狭ちゃんを訪ねてきた。
A子ちゃんは草々兄さんとも再会、過去のことを懐かしく思い出す。
かつて「ニュースWOW」でレポーターだった小草若兄さんも、アシスタントA子ちゃんとの再会を懐かしむ。
しかし。おかみさんとして振舞うB子ちゃんを見て、居たたまれなくなるA子ちゃんであった。
その夜、徒然亭一門も揃って賑やかに宴会。思い出話に花を咲かせていると、後ろの黒電話が鳴った。
電話に出た若狭ちゃんがフリーズした―「木曽山くんの親御さんから」。
しかも木曽山くんは、台所に酒とタバコを隠し持っていた!それを四草兄さん(加藤虎ノ介)が見破る。
若狭「何でわかったんですか」
四草「自分もやってましたから♪」おおっ!さすが希代のワル!!木曽山くん、弟子入りする先を間違えたな。
子猫の親を探していたという話も、怪我をしたおばちゃんを助けたという話も嘘だったのだ。
木曽山くんは「嘘つきの商売」である落語家に「嘘の勝負を挑みに来た」らしい。まるで落語の世界から出てきたような子だ(笑)。
草々兄さんも「ついていい嘘と悪い嘘がある!」とブチ切れ!落語の嘘は『楽しい嘘』だからな(笑)。
・0.3%の奇跡
というわけで。木曽山くんは両親のもとへ帰された。落語家になりたいなら親を説得してから来い、というわけだ。
「どんなことをしても落語家になりたかった」木曽山くん―そういえば若狭ちゃんも、弟子入りを反対したお母ちゃんを
大根おろし勝負”で倒すために、草原兄さん(桂吉弥)のホームセンターで買ったハンドミキサーを動員した過去が(笑)。
数日後。徒然亭屋敷に一通のハガキが届いた。差出人は吹田市千里の主婦。
「先日はお世話になりました」と、怪我をして介抱された時のお礼が述べられていた。木曽山くんがおばちゃんを助けた、
という話は本当だったのだ。
「千の話のうち、本当のことは三つしかない」という鉄砲勇助。どこまで本当でどこまで嘘かがわからん奴である・・・。
・人生を賭けた嘘
後日。A子ちゃんが帰り際に、徒然亭屋敷を訪れた。
「嘘つき!」とA子ちゃん。「草々さんを支えるのは、ホンマは私やった筈なのに!」
7年前。B子@喜代美ちゃんに「東京に行って夢を叶えるべき」と言われたせいで、その後の人生が狂ったというのだ。
・・・果たしてそうかな?20歳の時まで「スポットライトを照らされるままに歩いてきた人生」だったA子ちゃんが、
落語家の―徒然亭のおかみさんになれたのか。それは甚だ疑問である。
かつて草若師匠が若狭ちゃんに言った「苦労の先にあるものが、見えてこない」という言葉を思い出す。
居酒屋「寝床」の“苦労人”咲さん(田島玲子?)は、A子ちゃんが東京でどん底を味わったことを見抜いたようだ。
何があったのか、すごーく気になる・・・。
次週、そのA子ちゃんの実家・若狭塗箸製作所がピンチ!A子ちゃんの父・秀臣さん(川平慈英)の知られざる過去が
明かされる・・・!
・撮影終了
昨日22日、ついに「ちりとてちん」の撮影がクランクアップしたらしい
http://www.nikkansports.com/entertainment/p-et-tp0-20080223-325729.html)。
本編の放送は残り5週。中の人、お疲れ様でした。
上記記事に「喜代美が妊娠に気付く」という、かなり重要なネタバレが(笑)。
どうやら草々&若狭夫妻は、昨年離婚した春風亭小朝師匠&泰葉さんのよう(夫婦どちらかが子供を望まなかった)には
ならずに済みそうだな。