有野課長の2日間

フジテレビ721ゲームセンターCX」。
番組DVDに続いて番組本も、フジテレビ出版「出版褒賞ヒット賞」を受賞。おめでとうございます。
「有野の挑戦」今回のソフトはスーパーファミコンの“洋ゲー”「フラッシュバック」(1993年、サンソフト)。
世間の認知度は低い(駄メイドも知らんかった)が・・・マニアの支持を集めた、謎のゲーム。
以前プレイした「アウターワールド」ビクター音楽産業)と同じような、不思議な世界観のゲームだ。
サンソフトとも相性悪い?
主人公は銀河連邦調査員の青年・コンラッド。彼は記憶喪失状態でありながら、迫り来るエイリアンに立ち向かう。
果たして彼は地球に帰れるのか?そして記憶を取り戻せるのか?
有野課長の使命は、全6ステージをクリアしてエンディング画面を見ること。
SFホラー映画のポスターみたいなパッケージデザインを見るなり「コレ、あかんの違うかなー」と有野課長。「このパッケージ、
何か嫌な予感がするな」。前回の「カイの冒険」の時とは対照的な弱気である。
・こんなんで死ぬの?
文句言いながらも「かちょ・おん!」でスーファミのスイッチを入れ、挑戦開始。
ステージ1は、どこかの惑星のジャングル。しかもマップがかなり広大なようで。
まずは操作感覚を確かめる。と、かなり独特な操作が要求されることが発覚。銃を撃つにしても、その前に
構える動作が必要になる。「コレ、操作慣れていかなアカンやつなん違うのん?」めんどくさいわね。
主人公コンラッドは、5回ダメージを受けるとゲームオーバーになる。ジャングルでエイリアンと戦い、先に進むと・・・
目の前に、不思議な緑色の光が。つむじ風のように、上に吹き上げている。
「ゲームによっては、HP上がる場所にも見えるしなー」一旦無視したが、気になったので触ってみる。ライフ回復!ではなく即死。
別の場所では一見何も無い場所で感電死。ゲームオーバーを繰り返し、早くも苦戦。
・いつもは油断するのに
道中で「小石」のアイテムをゲット。どこで使うのだろう?と思ったら。先に進んだところに、センサーで動くエレベーターを発見。
乗ろうとすると上に逃げてしまうので・・・センサーの所に小石を置いておく。するとエレベーターはコンラッドの前で止まった。
エレベーターに乗ると、新たなアイテム「テレポーター」を発見。これを使うと「テレシーバー」のある所へ瞬間移動できるのだ。
先に進むと、何やら人が倒れている。
「た・・・たすけてくれ」エイリアンではない。確かに人間だ。しかも怪我をしているようだ。
「大丈夫かぁ?お前」助けを求めると見せかけて、襲って来たりせえへんか?
これまでゲームで騙され続けて“人間不信”状態の有野課長。そこで使ったアイテムは「小石」!
助けを求めている人に向かって、小石を投げてみる・・・何も起こらない。もうひとつ投げてみる・・・何も起こらない。
「よし。大丈夫やな」。変なところで用心深い。
「テレポーターを探している」という怪我人に、先ほどゲットしたテレポーターを渡す。怪我人はテレポートで逃亡したが、
新たなアイテム「IDカード」を残していった。
・巨人とは関係ありません
挑戦開始から3時間経過。ステージ1、期せずして長期戦。
閉ざされていた扉をIDカードで解錠、先に進むと別の老人が。先に進むのに必要なアイテム「アンチGベルト」を
500クレジットで売ってやる、と持ちかけられた。
ジャングル内でクレジットを探して拾い集め、500クレジットを超えたところで老人に支払い。アイテムを買う。「釣りくれよ!」
出現した矢印に従い、意を決して穴にダイブ!
「アンチGベルト、ON!」ベルトのスイッチが入り、重力の影響を受けず無事に落下。
「あ、着いた!」気がつけば、コンラッドは地下の基地のような場所に。わかりにくいが、これでステージ1クリアとなる。
・モンスター倒してもお金は無い
ステージ2。開始早々、コンラッドの友人・イアンが登場。バリアのアイテム「フォースフィールド」をもらった。
このステージは地下の都市であるらしく、やはりマップは広い。アジア・アメリカ・アフリカ・ヨーロッパの4エリアに分かれている。
偽造パスポートを手に入れるのに1500クレジット必要ということで、コンラッドはアルバイトをすることになった。
「働くの嫌やなー。ゲームの中で」。ゲームって普通、遊ぶためのものだよな。仕事じゃなくて(笑)。
てなわけで、職業安定所へ。労働許可証をもらうべく、窓口Aに話しかけると「ここは違います。Cの窓口に行って下さい」。
言われたとおり窓口Cに行くと「ここは違います。Bの窓口に行って下さい」。窓口B「それでは所長に会って下さい」。
見事なたらい回し。「区役所めー!」有野課長も怒りがおさまらない。
・働く男
所長から労働許可証をもらい、ジョブセンターで仕事探し・・・
小包運送やVIPの警護、サイボーグ抹殺といった仕事に続いてチャレンジするのは「発電機の修理」。
スタートから1分30秒以内に作業しなければならないのだが、どうもうまく行かない。
そこでAD鶴岡が登場。ストップウォッチで時間を計り、残り時間をカウントする。果たして間に合うのか?
何度か失敗してルートを覚え、使命を達成!「(鶴岡が)『40秒』って言うてる時『うるさいなー』って思った」。
最後のお仕事は、侵略してきたミュータントの抹殺。強敵のミュータント軍団に足止めされ、ゲームオーバーを繰り返す。
再びAD鶴岡が登場。「『先押し』っていうのと『バリア』をうまく使っていかないと、これからのステージちょっと厳しいと
思うんですよ」とアドバイス
先押しとは・・・移動中にあらかじめ攻撃ボタンを入力し、「銃を構える」動作を省略すること。
「それ、1面目のときに言うて欲しかったな。遅いよ」弱気になる有野課長。「今日無理やと思うわ」。
責任を感じたAD鶴岡、有野課長に代わりプレイ続行。
先程ゲットしたフォースフィールドで敵の攻撃を防ぎながら、先押しのテクニックで早撃ち。あっという間に任務完了。
1500クレジットの貯えができたので、パスポートを入手。長かったステージ2を、ようやくクリアした。
お笑い番組ではない
ステージ3は、8階建てのタワーを上っていくアクションエリア。先押しとバリアのテクニックを駆使し、どんどん進む。
途中にあるセーブスタンドで、こまめにセーブする作戦。そして最後の銃撃戦に勝利すると・・・
バラエティ番組のスタジオみたいな、派手な舞台に上げられた。サバイバルゲームのショーだったようだ。
「勝者の登場です!」神取忍さんみたいな(?)金髪の司会者が現れた。「わたしからコンラッドくんに、賞品を渡します。
コンラッドくん、タイタントラベルより、素晴らしい地球の旅をプレゼントします。おめでとう!!」
「あっ、地球帰れる!」宇宙船に乗り、地球へ戻る有野コンラッド。「終わったー。地球帰れた」
これで一安心・・・な筈は無い。まだ半分終わったところである。ここからが、本当の地獄の始まりだったのだ。
・志村!頭!頭!
ステージ4。異星人に侵略された地球を舞台に、ますます熾烈な戦いが続く。
敵の数が多く、難易度がアップ。身の危険を感じた有野課長は、少し進んではセーブするという堅実な作戦に出た。
「しゃあないよ・・・だって俺、もともと公務員志望やもん」ホンマかいな(笑)。「学生時代公務員志望なぐらい、堅実派やから」。
堅実な男に、過激なトラップが襲う!後ろから緑色の光(ステージ1の“ライフ回復もどき”)が迫ってくる!その先は行き止まり!
行き止まりの出口には、ボール型の無人監視用ロボットのようなもの(?)が張っている。
「あいつ(緑の光)が来る前に丸い球をやっつけて、扉を開ける・・・みたいなことなんかな。でもそんな急いだこと、でけへんよ」
可能な限りのスピードで駆け込み、丸い球を壊す。扉も開き、脱出成功!と思いきや。扉に入れず、緑の光にやられた!
「頭ひっかかってたやん!」出口の高さが低いので、転がらないと入れなかったのだ。
というわけで、やり直し。出口に転がり込み、無事逃げおおせた・・・と思ったら、穴に落ちた!!
ミスではない。実はコレがステージ4のクリアにあたる。ボス戦とかが無いので、クリアした実感は無いのだが。
・行け行け!有野
というわけで、ステージ5が始まる。コンラッドが転落したところは、エイリアンの部屋の天井裏のようだ。下を見ると
「ああっ!どうやら秘密会議のようだ」。
するとすぐさまエイリアンに見つかり、捕らえられる。「スパイだ・・・牢屋にでも放り込んでおけ」。
命がけの脱出を試みるコンラッド。仕掛けられたトラップは、ますます複雑になる。
途中でテレシーバーをゲット、続いてテレポーターもゲット。通常なら入れない所へ、テレポートで行ける。「賢い道具やな、コレ」。
その先に待ち受けていたのは・・・奇妙なスライム状の敵。コンラッドを見つけると、人間に変身して攻撃してくる!
実はこいつらこそが最強の敵・モーフ星人!有野課長もこれまでのテクニックを動員して応戦、見事撃破。
しかし。ここで有野課長、納得いかないところがあるそうで。というのも
「少しおかしくなってきてる、っていうのが・・・あれやな。『くぐれっ!』以来やと思うねんけど、
『撃て!撃て!撃て!』とか『行け!行け!行け!』って。命令口調になってんねんなあ」。
この後、その先に居たモーフ星人に何度かやられるも、着実に先に進む。そして行き止まりにたどり着くと・・・
コンラッドの姿が消えた!
どうやらテレポーターのような物体転送装置だったらしく、敵の本拠地・モーフ星へ飛ばされた。これでステージ5はクリアとなる。
・最後の戦い
息つく暇もなく、ステージ6の戦いが始まる。これが最終ステージだ。
最強の敵・モーフ星人の住処。奴らを倒すコツを掴まなければ、攻略は厳しい。
「転がって・逃げて・・・」前転で転がりながら逃げて一定の距離を保ち、人間体に変わったところで撃つのがポイント。
先に進むと、扉の向こうに人間が居る。スイッチで開けると、その人はモーフ星人に撃たれて死んだ!
「重要な人ちゃうのん?今の」撃たれた人の所へ近づくと「DANGER」と書かれたカプセルを手渡された。それが何なのかは明かされず
「無言でもらっていくのか」。
ゲームオーバーになると、やり直しは一番最初から。持久戦の様相を呈してきた。
・在庫あります
挑戦開始から13時間。スタッフが動く「その時」が来た。
「これから60分の制限時間を設けさせて下さい」スタッフは小さな置時計をテーブルに置いた。「このアラームが鳴り終わりましたら
挑戦は終わりです」。
その時計とは「おしゃれな『ゲームセンターCXウォッチ』じゃないですか」!番組グッズの在庫である。
スタッフ「売れ残りです」
有野課長「売れてましたよ!」
AD鶴岡をアドバイザーに配置し、ゲーム再開。フォースフィールドを使い切っていたので、AD鶴岡が回復ポイントまで引き返す。
しかしそれも、大きな時間のロスになる。ここで有野課長「あ!わかった!そういうことか・・・なるほどなー」何かをひらめいた。
そうです。ここで、先程ゲットしたテレシーバー&テレポーターが役に立つのです!
「やってる人(有野と鶴岡)は『なるほどなー』って、すぐにわかるねんけど。見てるだけの人(スタッフ)は
『え?どういうことっすか?』って。ハハハ」スタッフを指差して笑う有野課長
・その後いろいろありましたが
長い道のりのラストステージ。ここでピピッ、ピピッとアラームの音が。60分経過を知らせる合図だ。
「何か鳴ってる」しかし有野課長、われ関せずとプレイ続行!さすがにスタッフが注意。
「有野さん。まず(アラームを)止めてください」。約束の1時間です。「今やってるのを、最後の1機とさせていただきます」。
泣いても笑っても、あと1機の勝負となった。
途中、セーブスタンドを発見。先に進もうとするところで、AD鶴岡からロケハン報告。
「実は・・・この先に行くとですね。2歩先に即死が待ってるので」。1歩だけ踏み込んで見てみると、確かに
“即死の緑の光”があった。
実はこの光、上の段にあるセンサーをネズミが踏んでいる間だけは止まるようになっている。一瞬のチャンスに、見事飛び越えた。
・たまに行くならこんな脱出
モーフ星人との戦闘開始。「撃てっ!」スタッフからも声援が飛ぶ。
その先にあったのは、何かの臓器のような奇妙な物体。この物体の攻略法は、両サイド中段の足場に乗り、そこから銃を発射すること。
攻撃を受けると扉が閉まるので、外にテレシーバーを配置しておく。
攻撃する→脱出する→シールド回復に戻る、の繰り返し。が、もう少しというところでモーフ星人にやられてゲームオーバー。
エンディング目前で、無念のギブアップなのか・・・?
2日後に「たまゲー」のロケがあるので、その終了後に再戦決定!そのままセーブされることとなった。
・これがラスボス?
てなわけで、挑戦2日目。ロケ疲れの有野課長、席に着くなり「どうする?やる?」やるんでしょ!
「操作の勘を思い出すまで、1時間くらいかかると思います」。
とは言うものの、ブランクを感じさせない動き。地道な作業で“謎の物体”にダメージを与え続ける。
と、ここでAD鶴岡が声をかけた。「あんまりアクション無かったんで、あれなんですけど・・・もう倒しました」。
「えっ?」事態がのみこめない有野課長。「ボカーーン!的なの(爆発音とか)は?」
「は、無いです」とAD鶴岡。
「『ボカーーン!』『プシュー!』『タッタラー♪』みたいのは?」“やった感”の無い結末。これも洋ゲーによくある展開だ。
・結局誰だったんだ
だが、これで終わりではない。さらにここから脱出しなければならないのだ。
緑の光をテレポーターで避け、行き止まりに着いた時
(何者かの声が、君の心に語りかけてくる。)という字幕が。
『わたしを信じて、ここにアトミックチャージを置くのだ・・・そして、それが惑星の核に落ちたら、すぐに逃げてくれ!!』
「えー・・・!?信じられへんよー」でも仕方なく、その声に従う有野課長。アトミックチャージとは、ステージ序盤で渡された
「DANGER」のカプセルだったのだ。
その場にアイテムを置いて、2〜3歩離れる。するとそこに穴が開き、カプセルは奈落の底へ落下!
と。アイテムウインドウに「72」の数字が―制限時間内に、脱出用の宇宙船に乗らなければならない。
急ぎすぎるあまり、動いていないエレベーターから落ちてゲームオーバー。セーブスタンドからやり直すも、敵の攻撃に阻まれる。
まさに同じシーンのフラッシュバックが続く。
・今回の結論はそれか
再び、AD鶴岡が課長の横で残りタイムを計る。ひとつのミスも許されない、難易度の高い脱出ミッションだ。
そして。数えること9回目のチャレンジで、これまでの最速タイムが出た。エレベーターに乗り込み、宇宙船へ。
モーフ星を離れていく宇宙船。しばらくすると、星は爆発した。
『これが、私がかつて経験した物語である。
多分、これから先もずっと、長い間宇宙をさすらうことになるのだろう。』
これが「フラッシュバック」のエンディング画面である。
「あれ?地球帰れてないの?」と有野課長。ハッピーエンドとは言い難い結末である。
宇宙船は銀河の彼方へ飛び去っていき、最後に「THE END」の文字がどどーーん!と出た。
「やりました!っていう感じじゃないなあ」腑に落ちないご様子。「2日かけてやりましたけど・・・やっぱアレですね、
ゲームにボスって必要ですね!」
日本のゲームは「ボカーーン!プシュー!タッタラー♪」じゃないとね(笑)。
ならば次回は、ボス満載で。80年代後半に子供たちの人気を独占した「あの世界」のゲームで。