「ジャーナリスト」と「暴君」の履歴書

日本経済新聞に「私の履歴書」という、1ヶ月連載コーナーがある。
政治界・財界・文化芸術界のビッグネームに、その生涯を振り返ってもらう・・・という趣旨のコラム。
今月の主人公は読売新聞グループの会長にして読売巨人軍代表取締役会長の
ナベツネ”こと渡辺恒雄氏。
戦前の少年時代から始まって、青年期そして読売新聞の記者時代の辣腕ぶりが綴られてきた。
そして今日の掲載分で、2004年の球界再編騒動の時の「たかが選手が・・・」発言に至った顛末が
書かれていた。
・10球団1リーグ化の噂
同年7月。選手会古田敦也会長(当時)が「各球団オーナーと直接話をしたい」と要求している、と
聞かされたナベツネ氏。

野球協約には球団の合併、破産及び選手の救済策について明記してあり、
そのための具体策を私は考えていた。
(原文より)

選手会がオーナーと直接協議する権利』は野球協約で保障されているわけではない、としてナベツネ氏は
「分をわきまえないとイカンよ、たかが選手が」と発言。一応フォローとして
「まあ、たかが選手といっても、立派な選手も居るけど」と付け加える。
・心から思ってないでしょ
しかし!マスコミはその発言の前半分だけを報道。すっかりダーティーイメージがついた。
「立派な選手も居るけど」と言ったのにー!とナベツネ氏は憤慨しておられるが・・・
その言い方に心からの敬意が見えないから、そうなったのでは。
何だか言い訳がましいな、と思ったのは私だけでしょうか(笑)。
栄養費ビーム
ナベツネ氏は後に、実際は古田会長はそんな発言をしていなかったことを知る。そして
「質問した記者の『はめ取材』に『はめ』られた」と悔しがる。
翌月。巨人軍が大学野球の某スター選手に「栄養費」を渡していたことがバレて、ナベツネ氏は
オーナー職を引責辞任。それ以来“院政”状態が続くことになる・・・。