空気を読まずに空気を変える!

カンブリア宮殿」(テレビ東京系)今週のお客様は、エステー社長・鈴木喬さん。
防虫剤などを作る会社としてスタートした「エステー化学」だが、近年は「消臭力」「消臭プラグ」など、
主に消臭剤製品で業績を上げている。
鈴木さんはその創業者の四男。これまでに「3回社長になった」男である。
・ST=スーパートップ
商品や業態、ネーミングセンスは同業の小林製薬とちょっと似ているが、いろいろ見ていると差異がある。
さまざまな方面に「あったらいいな(と思う製品)」を探し求める“拡大路線”の小林製薬とは対照的に
現在のエステーは「消臭」というテーマ1本に絞る“集中路線”なのだ。
パワーズなんてありましたね
その理由―バブル期に「とりあえず作れば売れるだろう」という考えで作った“他社のヒット品の類似品”が売れ残って
不良在庫を抱えてしまう。
その頃社長になった鈴木さんは、「数打てば当たる主義」をやめ、各部門で「新製品を1種類しか出さない」
という方針に転換。業績は回復した。
「消臭ポット」はその頃に誕生し、会社を立て直す起爆剤となった製品である。
・ヒヨコじゃありません。鳥です。
番組は「消臭力」のCM撮影の模様を紹介。エステーといえばダジャレCMや爆笑CMでおなじみだが、
そのプロデューサー・宣伝部の鹿毛康司さんが撮影の途中、おもむろにヒヨコの被り物を被った!
他のCMにもたびたび登場する、あの“ヒヨコマスク”はこの人だったのか!
エステー宣伝部のサイトを見てみると、ヒヨコマスクには高田馬場(本社所在地)ならぬ
「高田鳥場(たかだのとりば)」という名前があるらしい。そして彼は「特命宣伝部長」という肩書らしい。
・鳥、衝撃の過去。
そしてその“中の人”である鹿毛さんの経歴もスゴい―福岡県飯塚市フィラデルフィア生まれ(どこだよ!)。
・・・そんなことではなく。実は彼は、元雪印乳業の社員。1999年の「雪印食中毒事件」の際に被害者を訪問するなどの
事後処理を担当しておられたとのこと。2002年、同社の食肉偽装事件の際に「謝罪広告」を新聞に出したのも
彼ら有志のチームだった。
その後2003年、エステー化学に転職。宣伝部長となり、CM総合研究所が選ぶ2004年度「CM高感度躍進企業」2位に入った。
・空気は読むものじゃない
閑話休題。今回の主役・鈴木社長の話に戻りましょう。
社長は自ら「俺は空気を読まない人間だ」という―司会の村上龍さんは「空気を読まない人だからこそ、
『空気を変える』ことができるのではないか」と分析する。
「空気を読む人」なら、「臭いものに蓋をする」という対処で終わるだろう。
しかし「空気を読まない」社長は、「臭いもの」があったら元から破壊してしまえ、という発想のようだ。
不景気のさなか、無難に行こうとする人が多いご時世。こういう“壊し屋”だからこそ、できることがあるのかも。
・私は「しょうしゅうりき」と読んでいる
ちなみに同社の看板商品「消臭力」の名前は、プロレスラーの長州力さんの名前をもじって
「消臭剤業界で最強になれ」という願いがこめられている。
やっぱりな(笑)かねてから「消臭力長州力って似てるよな」なーんて思ってたんですが。