最後のラブレター

先週の連続テレビ小説「つばさ」。土日に留守だったので後から見ました。
・ラジオぽてとの「キャプテンつばさ」
暮れも押し迫った2009年12月。ラジオぽてとはマダム城之内(冨士真奈美)が紹介した引っ越し先への転居を断った。
つばさちゃん(多部未華子)と真瀬社長(宅間孝行)、それに翔太くん(小柳友)は、川越キネマを守るため戦う。
真瀬社長は自分たちに勝ち目が無いことを悟り、このまま川越キネマに残るべきかどうか悩む。
が。翔太くんは10歳の頃の思い出を語った。「サッカーの試合で負けていても、つばさは最後の1秒まで諦めなかった」。
自分たちもわずかな可能性に賭けて戦うべきだ、と真瀬社長に訴える。
・最後まで見事なコケっぷりでした
つばさちゃんは川越キネマ存続のため、署名を集める運動を開始。
そんな中。横槍のみちるさん(山本未来)が、ラジオぽてとを救うための“最終兵器”を携えてやって来た。
全国放送のニュース番組で、コミュニティFMの特集をするという。その放送中にラジオぽてとの窮状を訴え、
自分に逆らう社員の首を切りまくる城之内の独裁体制を批判しよう!というのだ。
・Vゴールじゃなくノーサイド
しかし。つばさちゃんの中に、ある疑問が浮かんだ。「争うのではなく、両方が勝つ道があるのではないか?」と。
そこでつばさちゃんは「批判の原稿を読まないでください」と、真瀬社長に懇願する。
いよいよ生放送本番。玉木家と宇津木家の家族も、テレビで「最終兵器」が使われる瞬間を固唾をのんで待つ!
が!真瀬社長は結局、城之内批判に触れないままで生放送の出番を終えてしまった。
・自爆できない理由
「俺だったら、原稿を読んでたと思う・・・」と翔太くん。
以前の真瀬さんなら、「勝ち目のない戦い」とか「地道な活動」なんて、しなかっただろう。
ネガティブキャンペーン用の爆弾があったら、構わず使っただろう。しかし「歩み寄るべきだ」という、
つばさちゃんの意見にも心が動いている。
「ラジオぽてとを守ろうとするのは、あの子のため?」みちるさんは真瀬さんに突っ込む。本来、
亡妻・千波さん(阿部美穂子)のためだったのが・・・今はすっかり、つばさちゃんのためである。
・鶏肉はきちんと火を通しましょう
テレビ中継を見たマダム城之内は、ラジオぽてと側が何故反撃しなかったのかが気になっていた。
忙しく仕事をするマダムに、秘書・伸子さん(松本明子)が「我が家で一緒に鍋物でも食べませんか」と誘ったが
「仕事とプライベートは別よ」と断られた。
マダムは帰り道に、甘玉堂の前を通ってみる―玉木家を覗いてみると、家族団らんの温かい風景がそこにあった。
千代ばあちゃん(吉行和子)も、葛城さん(山本学)の最期を看取ってから家に戻って来ている。
そこへ、つばさちゃんが帰宅。「一緒に食事しましょう」と、マダムを家に入れて鶏だんご鍋を勧める。
家族は困惑し、宇津木家の人々も覗きに来た。
つばさちゃんはビールを飲みながら、川越キネマの立ち退きの件について話そうとしたが・・・
マダムは酔って寝落ちてしまった。
・何が一番大切なのか
しばらくした後。目を覚ましたマダムは寂しさに駆られ、持ち歩いているハーモニカを吹き始めた。
すると知秋くん(冨浦智嗣)が部屋に来て「聴かせてください」とハーモニカ演奏をリクエスト。
「誰かのためにハーモニカを吹いたことはない」というマダム、人と触れ合うことを思い出す。
そして帰り際。マダムはつばさちゃんに、「生きてるうちに何かを残したい」「川越の人々を楽しませたい」と、
「夢の蔵」にかける思いを語る。
それを聞いて、つばさちゃんは「わくわくしてきました」。マダム城之内が作ろうとしている「夢の蔵」も、ラジオぽてとも
「川越の人々が集まる広場にしたい」という思いの方向性は同じなわけで。
つばさちゃんは、ラジオぽてとが川越キネマに固執する必要は無いのかもしれない、と考えた。
そしてそれを聞いた真瀬社長も、立ち退きを了承したのだった。
・最後だけかよ
結局、ラジオぽてとは退去期限の日である12月31日で川越キネマを去ることになった。
「蔵造り通りの店を取り戻すことも、川越キネマを守ることもできなかった・・・」
無力な自分を嘆くつばさちゃんに、家族の励ましは温かかった。
というわけで。引越し準備をする真瀬社長とつばさちゃん。最後の放送で使う音楽の音源を探していると、その背後から
「ラジオぽてとはみんなの広場ぁ〜♪」
懐かしい歌声が―浪岡さん(ROLLY)がギターを持って駆け付けた!
金髪だった髪の毛も黒に戻し、和服姿ですっかり茶道の家元らしく・・・否、怪しいオーラはそのままだ。
さらに
「ダジャレを言うのはダレジャー!」
ロナウ二郎さん(脇知弘)も(相方が事務所をクビになって大変なところ)駆け付け、ラジオぽてとの仲間が
最後の放送に向けて動き出した。
・指導者留学
ある日。河川敷のグラウンドで少年サッカー川越クラブが練習している中に・・・翔太くんがコーチとして参加、
子供たちと一緒に汗を流していた。
翔太くんは「斉藤興業を退職して、ブラジルのサッカー指導者養成学校に留学する」ことを、つばさちゃんに告げた。
「これはきっとプロポーズよ!」取材に来ていた万里ちゃん(吉田桂子)も焚きつける(笑)。
焚きつけた熱の上昇気流で、つばさちゃんの心は揺れ動くのであった。
・耐震補強は大丈夫か
そして大晦日。「さよなら川越キネマスペシャル・記念放送」が始まった。
「ウサギのきりぼんちゃん」も、横断幕を持った状態で飾られている。
川越キネマに思い入れのある市民が集まり、メッセージを壁に描いたり、リクエストを出したりと、賑わいを取り戻した。
そこへ。マダム城之内が「様子を見に」やって来た。伸子さん(松本明子)も一緒だ。
放送の最後に、つばさちゃんから挨拶を求められたマダム。
「『夢の蔵』を建設する場所は・・・」建設する場所は?
「これから考えます」。
川越キネマは立ち退きを免れることになった!・・・つーか。建物が老朽化してるってのも立ち退き要求の一因だったんでは?
・ベクトルが重なった瞬間
「あなたたちが目障りだった」とマダムは語る―そのココロは「自分がやろうとした『川越のみんなの広場を作りたい』
という願いを、先に取られてしまったから」。
千代ばあちゃんに学芸会のハーモニカの主役を奪われた思い出に続き、孫のつばさちゃんにもやられちゃったわけで(笑)。
「お鍋のお礼に」と、マダムは一通の書類をつばさちゃんに差し出した。「これが私の、最後のラブレターです」。
何かと思えば・・・現在城之内エンタープライズが所有している、蔵造り通りの店を「甘玉堂」に貸し出すための契約書だった。
買い戻すことは無理でも、家賃を払うことぐらいはできる。甘玉堂は再び、蔵造り通りに戻ることとなった。
・最初のラブレター
そして「最後のラブレター」といえば・・・その後(ちょうど、今日の放送分にあたる)、真瀬社長にも「ある人」からの
“ラブレター”が届くことになる―それを機に、彼はつばさちゃんにプロポーズすることを決意した!
つばさちゃん、このまま真瀬さんとくっつくのか?
しかし。どうも何か真瀬さんを見ていると(同じ宅間さんが演じた)「瞳」(2008年)の今里さん(シングルマザーと
婚約したが、親の反対と世間体に負けて婚約破棄した御曹司)を思い出して「つばさちゃん、そんな男について行くなー!」
と思ってしまう。いや、真瀬さんに罪は無いんですが(笑)。
「つばさ、おかあさんになってー」とせがむ優花ちゃん(畠山彩奈)は、「どんど晴れ」の「喫茶イーハトーブ」の
娘・咲ちゃんみたいなポジションですな。
そして今週(今日から)いよいよ最終週。つばさちゃんは真瀬さんについて行くのか?翔太くんを選ぶのか?