熊本のファイヤー母ちゃん!ドモホルンリンクルの秘密

テレビ東京系「カンブリア宮殿」今週のお客様は、中高年女性に大人気の基礎化粧品「ドモホルンリンクル」を製造販売する
再春館製薬所・西川通子会長。
今となっては当たり前になった「化粧品のテレマーケティング通販」を、1980年代前半から成功させた人である。
司会の村上龍さん曰く「(自分の地元でよく見かけた)九州のおっ母さん、という感じで恐かった」。
小池栄子さん曰く「昭和の大女優みたいなオーラが出てた」。かつてCMに出てた泉ピン子さん主演で、映画化しなさい・・・
って、佐賀の某「がばい老婆」みたい?(笑)。
・精力剤は作ってません
1982年。それまで九州警備保障という会社の社長だった西川さんは、熊本の漢方薬製造業・再春館製薬所の再建を託された。
基本的に普通の医薬品を作っていた同社だったが、西川さんは「天然コラーゲン配合で小じわに効く」という基礎化粧品
「ドモホルンリンクル」に目を付けた。強力なブランドを1つ育てて、柱にしようとしたのだ。
あまり知られていないが“男性版ドモホルンリンクル”とでもいうべき?育毛剤「カムカQR3」や、神経痛に効く
痛散湯」という漢方薬もある(こちらはラジオCMや新聞広告でよく見かける)。
ちなみに。精力剤を作っている「再春館」という会社がもうひとつあるそうだが・・・それは別物だそうで。
・どこからでも、かかって来いやー
再春館のコールセンターは例の「0120-444444」のテレビCMが流れる時間帯を全国全て把握し、その時間にオペレーターが
スムーズに対応できるシステムになっている。
全国放送のニュースショーであろうがローカルワイドショーであろうが、電話問い合わせの殺到する時間に備えて
いつでも臨戦態勢をとっているのだ。
これからは例のCMを見るたび、コールセンターのお姉さんたちの奮闘に思いを馳せてみるか・・・そう思った。
女の園、その秘密
再春館の本社敷地には、心臓部にあたる「ヒルトップ」と、「薬彩工園」と呼ばれる工場がある。
そして子供を持つ女性社員が安心して働けるよう、保育所も完備されている。
化粧品会社というのは、女性社員向けの福利厚生がしっかりしている―単に女性社員が多いから、というだけでなく。
女性の顧客に対して「ウチはこんなに女性に優しい会社ですよ」というイメージアップにもつながるのだ。
西川会長は社員食堂の食事の味見をしたり、草むしりをしたりと忙しい。社長というより「みんなのお母ちゃん」だな。
「社員が笑顔で働ける会社」という理想が実現された。
黒歴史ミュージアム
また、再春館製薬所は最近のCMで、本社に「売上至上主義に走った頃の返品の山」を展示しているショーケースが
あるという話を披露している。
それは1993年頃。売上100億円達成を目指し、半ば押し売りに近い状態で商品を売り付けていたという。
その結果、売上目標は達成されたものの・・・同時に返品の山が出来ていた
(確かに。某巨大掲示板で「昔、ドモホルンリンクルのお試しセットを頼んだら、しつこく購入を勧められた」
という書き込みを見た事がある。その時期の話であろう)。
これではイカン!と目を覚まし、「お客様の気持ちになりきる」マーケティングに方針を転換したのだそうで。
それからは押し売りをやめるだけでなく、客からの問い合わせや相談に懇切丁寧に回答するようにしたという。
「お客様に『ありがとう』と言われて初めて、商売が成り立つ」と言うのが西川会長の持論である。
心底から「ありがとう」と言ったお客さんは、きっとまた買ってくれます。その積み重ねなんですね。