主(シュ)ッ役は私!女系家族の「婦系図」

今週のNHK連続テレビ小説「つばさ」。
大衆演劇で主役争奪戦が勃発!このドラマはどこへ行こうとしてるのでしょうか。
・古き良き娯楽
つばさちゃん(多部未華子)は翔太くん(小柳友)との恋愛がアツアツで、いい感じの“ふかしイモ”になっている。
張り切っている彼女に、真瀬さん(宅間孝行)が新たな仕事を持ってきた。
ラジオぽてとで「大衆演劇をやろう」と言うのだ!
同局が「病院ラジオ」「デュエットカラオケ大会」に続くイベントとして、リスナーにアンケートを
実施した結果・・・1位を獲得したのが大衆演劇」!聴取者の年齢層、高っ!
というのも。川越キネマは昔、映画のみならずお芝居の劇場としても使われ、大衆演劇も上演されたとのこと。
市民参加のイベントということで、市民から参加希望者を募ればギャラの節約にもなる・・・ということで
プロジェクトがスタートした。
・まずは身内で
演目を探すように言われたつばさちゃんだが、大衆演劇なんぞ見たこともないし・・・で、千代おばあちゃん(吉行和子)に
相談してみる。おばあちゃんの頃はデートといえば映画か大衆演劇だった、というのだ。
そして演目が泉鏡花の名作「婦系図」に決まる。ドイツ語学者の青年・酒井主税と、芸者のお蔦の悲恋を描いた物語だ。
マリバロン加乃子さん(高畑淳子)や竹雄お父さん(中村梅雀)、ご近所のメンバーも出たい!と言い出し、
ラジオぽてと社員も含めて役者の頭数は揃った。
・20年〜30年後を描く?
加乃子さんは、最近翔太くんの母・佐知江さん(手塚理美)と仲がいい。翔太くんの「熱愛ガセネタ報道」の件の時に
佐知江さんが挨拶に来た時、加乃子さんが「仲良くなれそう」と言っていたが(笑)。
その佐知江さんが高校生時代、演劇部の部長として脚本・演出も手がけた経験があると知った加乃子さんは
「お芝居の台本を書いてほしい」と依頼。
佐知江さんも快諾し、早速出演希望者に配役を割り振るべくオーディションを開催。
その結果・・・ヒロイン・お蔦役は、つばさちゃんと加乃子さんのダブルキャストに決定した!
・二人だからできること
加乃子さんと佐知江さんは、それぞれ自分たちが何故今回の芝居に参加したかを問う。
佐知江さんは「サッカーができなくて焦っている翔太を励ましたい」。
そして加乃子さんは「10年間、家を飛び出して放浪した意味を見出したい」。
加乃子さんは佐知江さんに「芝居の中で、自分が放浪していた10年間を描いてほしい」と頼む。また無茶な要求が・・・。
・何故隠れる
埼玉県の「愛彩文化振興財団」が今回の企画を気に入り、協賛金を出してくれることになった。
財団のトップは茶道の家元・葛城清之助氏(山本学)。雑誌に出ていた写真を見て、何故か浪岡さん(ROLLY)は
フリーズしていた。いかにも何かありそうな感じ。
・芝居がかった再会
ある日。千代ばあちゃんがたまたま「あまたま」を差し入れに、川越キネマに来た―おばあちゃん、つばさちゃんが
ラジオで働くことに賛同しないんじゃ無かったのか(笑)。
そこへ例の葛城清之助さんが訪ねて来た。すると
「清之助さん・・・!」
「千代さん」
劇的な再会である。清之助さんは千代さんが梅吉さん(小松政夫)と結婚する前「ただ一度の恋」をした相手だったのだ。
しかしお互い、将来は家の跡継ぎとなる身。家から交際を反対され、敢え無く別れてしまったのだ。
・「浪岡」は母方の姓
そしてもうひとつ。何と浪岡さんが、その清之助さんの息子だったことも判明!
浪岡さんも大学を出るまでは茶道の家元の跡取りとして修行していたが「音楽に出会って」人生が変わった。
どうしてもミュージシャンになりたい、と家を出た息子を、父は勘当した―それ以来20年ぶりの再会である
(箸の使い方など礼儀作法がしっかりしていて「育ちがいい」ことを匂わせる伏線はあったが)。
千代ばあちゃんは浪岡さんに父・清之助さんの面影を見ていたのだ。
・年齢不詳は四十路過ぎ
清之助さんは「甘玉堂」を訪ね、千代さんと久しぶりにゆっくり語り合う。
「茶道をとるか、自分の夢をとるか」の選択を迫られて「自分の夢をとる」と家を出た息子・浪岡正太郎さんに
清之助さんは「嫉妬する気持ちがあった」という。
千代さんがつばさちゃんに「ラジオの仕事をすることは認めません」と言う気持ちと似ているような。
「正太郎を連れて帰る」と言う清之助さんに、つばさちゃんは「このお芝居を見てから結論を出して下さい」と懇願する。
浪岡さんは今回の芝居のBGMを担当し「全曲オリジナルで作る」と張り切っている。そして「父にも見てもらいたい」のだ―
自分がこれまで20年間、音楽とともに生きた人生を。
って、なんか加乃子さんの主張に似てない?
・あたまがあまたま
稽古不足を幕は待たない・・・てなわけで、「劇団・ぽてと座」第一回公演「婦系図2009」上演の日が来ました。
第一幕「湯島の境内」。「今回のお芝居、翔太や浪岡さんのために失敗は許されないんです」とプレッシャーを感じている
“つばさお蔦”に、主税役の真瀬さんは
「オレを大谷翔太だと思って演技しろ―そうすれば、遠慮なく胸に飛び込める」とアドバイスする。
つばさちゃんが芋なら、真瀬さんは(「あまたま」の芋を包む)ゴマ羊羹になりたい・・・と思っているようで(笑)。
そして主税に「別れてくれ」と言われたお蔦は、本来の台本ならそれを拒む筈なのだが
「私なら、大丈夫だと思うんです」つばさお蔦は、顔色一つ変えずに言う。愛する人が目指す夢をかなえるために
(外国に行ったりして)離ればなれになっても、私は悲しまない・・・と。
明らかに翔太君に向けて言ってるわけですが。普段の電波の私物化の延長線上にある、演劇の私物化
(まあ、普段ラジオで玉木つばさのしゃべりを聴いている人は「彼女らしいや」と思うんでしょうな)。
・一応“元CMタレント”
第二幕は“加乃子お蔦”の出番。芸者だった筈のお蔦が、香具師(やし)になってしまった??
そして彼女は、自分が放浪の旅に出た理由を語り始めた。
「以前のままの私だったら、きっと何かを壊していた」。強い自分に変わりたかった。そしてどう変わればいいのか、
ずっと答えを探していた・・・と。
にしても変わりすぎでしょ、加乃子さん。
そしていつものサンバダンサーが賑々しく登場!最後は浪岡さんと加乃子お蔦が一緒に熱唱!
「気が付いたら♪あなたのこと♪好きになっていました〜」
この歌いいなー。出演者がみんなで歌って“チャリティーCD”として売り出せばいいのに(笑)。
・日本一の一本道
残るは第三幕、病の床に伏したお蔦のもとに主税が駆けつける場面。
そこでつばさちゃんは、仰天のプランを発動した。千代おばあちゃんに、臨終のお蔦を演じてもらいたいというのだ。
つばさちゃんの意図を察した千代さんは、舞台に上がることにした。毎度のことながら、無理のある展開やなー。
「お蔦は・・・幸せでした」いつか見た「婦系図」の記憶(と、後ろに出ているカンペ)を頼りに演技する千代さん。
自分の選んだ人生を、後悔してはいない。愛した人が幸せに暮らしていたことを知り、嬉しく思う。
そのメッセージを、清之助さんに伝えることができた。女の人生一本道、三代にわたり見事に演じ切りました。
ラジオのおっさん(イッセー尾形)にそそのかされた梅吉さん(の亡霊)も、千代さんに「いよっ!日本一」と声援を送る。
・今週のMVPはローリー寺西さん
こうして舞台公演は無事に終了。問題の浪岡さんはというと、清之助さんに
「帰ってこい」と言われた。やっぱり連れ戻されるのか?と思ったら「せめて、母さんの命日には帰ってこい」。
今週はROLLYさんのギター演奏シーンがたっぷりあったので、満足でした。
次回、つばさちゃんが広域ラジオに進出!?そして、あのイケメンDJが顔出し豪快シュート!