家族のカタチ

今週のNHK連続テレビ小説「瞳」。長瀬さん(勝村政信)のアパートに、家族が集結した場面の続きから始まります。
・長瀬家の場合
「私たちの結婚って、何の意味があったんだろう」百子お母さん(飯島直子)の言葉を聞いて、ショックを受けた
瞳ちゃん(榮倉奈々)。家族の関係がおかしくなったのは「『家族を作る』ことをしなかったから」だと指摘する。
月島の一本木家で、里親(の補助者)をやり始めてから1年半。勝太郎じいちゃん(西田敏行)と明くん(吉武怜朗)、
友梨亜ちゃん(森迫永依)、将太くん(中村咲哉)、それに恵子姐さん(宇野実彩子)を見てきた瞳ちゃん―
赤の他人同士が、“本当の家族よりも家族らしい家族”になれたのは、積極的に「家族を作る努力」をしていたからだ、と。
毎日一緒にご飯を食べて、いろんな話をしたり、泣いたり笑ったり。お互いきちんと向き合って、毎日を積み重ねていく。
旧・長瀬家には、それが無かった。
娘の言葉に、元夫婦は凹みまくるのであった・・・。が、これが重大な決断のきっかけとなる。
・祭りの前の祭り
2008年、夏。月島の町は、3年に1度の住吉神社例大祭を控えていた。勝太郎じいちゃんも勇次郎さん(前田吟)も
勇蔵さん(安田顕)も“お祭りモード”である。
そんな中。百子お母さんが、瞳ちゃんを銀座のカフェに呼び出した。瞳ちゃんが来てみると、後から長瀬さんも合流。
「勝太郎さんに謝罪したい」と言い出したのだ。
きたー!直接対決だー!瞳ちゃんが“18年ぶりの対面”をセッティングをすることになったのだが・・・
家に帰ってみると、勝太郎じいちゃんとご近所の皆さんは、祭りの準備作業を終えて楽しく宴会中。
とても長瀬さんの話を切り出せる状況ではない(汗)。ひとりだけ空気の違う瞳ちゃんであった。
・18年目の“けじめ”
後日。瞳ちゃんは勇気を出して、勝太郎じいちゃんに両親が会いたがっている話をしてみた。
「一本木勝太郎は、長瀬渡に会う必要はありません」。案の定、あっさり断られた。
てなわけで、外堀から固めてみる作戦に変更。勇次郎さんに相談してみると・・・親子の復縁に協力してもらえることに。
・頑固おやじだって
勇次郎さんは居酒屋「まつり」に勝太郎さんを呼び出し、説得を試みる。「百子さんの気持ちをわかってやんなよ」。
勝太郎じいちゃんは「お父さんといろんな話、したかったわよ」という百子さんの言葉を思い出した。
「あんたの気持ちは、よくわかった・・・」勝太郎さんは、店を出てしまった。
そのまま帰宅し、亡き妻・節子さん(泉晶子)の遺影に語りかける。「ちゃんと答えてやんないとな・・・」。
・数少ない恋愛要素
さて、勝太郎さんが行ってしまった後、勇次郎さんはマリさん(木の実ナナ)から展覧会に誘われる。
そういえば、勇次郎さんの“老いらくの(というには若すぎるか)恋”の行方も気になりますな。
マリさんは「勇蔵さんから『親父をデートに誘ってやってくれ』って頼まれたの」という。勇蔵さんが婚約して
実家を出て以来、親父が寂しそうにしているから・・・と心配していたのだ。
でも。以前、勇蔵さんがマリさんを誘ったのは「寂しかったから、じゃないんだ」。そう言うと、勇蔵さんも帰ってしまった。
・その時が来る
7月6日。住吉神社例大祭の準備における大イベント「竿出し」が、猛暑の中で盛大に行われた。
大幟(おおのぼり)の柱と枠は普段、堀の中に埋められて保管されているのだそうで。それを男達が、人力で掘り出す。
今は重機なども使うが。当然のことながら、昔はすべて人力で巨大な柱を引き上げていた。勇壮な作業だ。
勝太郎じいちゃんと瞳ちゃんも、子どもたちを連れてその様子を見物している。その時、じいちゃんが瞳ちゃんに
「いつ頃になるのかな・・・あんたのお父さんが家に来るの」ぼそっと呟いた。
じいちゃんが承諾してくれたことに驚きつつも、セッティングを進める瞳ちゃん。店が休みになる今度の日曜日に、
ついに対面することとなった(しかし、物静かに言ったあたり、勝太郎じいちゃんの真意が気になる)。
功労者の勇次郎さん曰く「勇蔵には言わねえほうがいいな」。彼が知るところとなったら、一発で月島じゅうに知れ渡る(笑)。
・おやじダンサーズ登場
一方、瞳ダンススタジオでは「合同練習」が行われていた。
老人向けの「お元気コース」、腹周りが気になり始めたおじさんのための「メタボコース」、美しくありたい女性のための
「ビューティーコース」、小中学生の「ジュニアコース」・・・年齢や目的に応じてコースを設けたところ、生徒が徐々に
集まり始め、順調に増えているのだ。
その中には、中根兄@誠さん(小倉久寛)の姿も―RAYさん(香子)目当てで加入し、メタボコースで頑張っている。
Rayさん曰く「なんか、公園みたいだな」。みんながそれぞれの目的を持って、楽しくやっている。理想的な姿だ。
・作戦がパー
日曜日。約束の時間が近づいている・・・明くんと友梨亜ちゃんは、図書館へ行くという。
「僕らが居たんじゃ、思う存分言いたいこと言えないでしょ」気を使ってくれる聡明さである(笑)。偉いねー。
一本木家に誰か来た。元夫婦か?と思ったら、勇蔵さんだった。祭りの会合に、じいちゃんを誘いに来たのだ。
ああ!チャンピオン級の間の悪さ(笑)。この男はー。
「無理だな」と勝太郎じいちゃん。「長瀬渡が来るんだ」。
この結果、数分後にはご近所に知れ渡ることになる(笑)。
・心を入れ替えた
3時。今度こそ、長瀬さんと百子さんが一緒に現れた。18年ぶりに、一本木家の敷居を跨ぐ長瀬さん。
「あの時は、大変申し訳ありませんでした」。借金を抱えて「家を売って下さい」と頼んだ非礼を、まずは詫びた。
百子さんは当時、長瀬さんに合わせて一緒に頭を下げたが・・・借金のことは知らされていなかったのだ。
その結果、百子さんと一本木家の縁も切れてしまった。その責任も、長瀬さんは謝罪した。
・まっすぐな瞳で
「あの日はねえ・・・私と瞳が、初めて会った日だったんですよ」勝太郎さんは呟く。
18年前のお祭りの日。札幌に居た娘が、3歳の初孫を連れてきてくれた日。人生で一番幸せな日になる筈だったのに、
長瀬さんの一言で不幸のズンドコ・・・もとい。どん底に叩き落とされた。
「札幌に行ったら行ったで、幸せにしていて欲しかったよ」。
・和解するのか
百子さんも「札幌に行ってから『なんでこんなことになったんだろう』って落ち込んでた」と言う。その姿を見るのが嫌で
長瀬さんは家に寄りつかなくなったのだ・・・と。
その長瀬さんは、先日熱を出した時に瞳ちゃんに叱られたことを話した。それをきっかけに「逃げずに向き合おう」と思い、
勝太郎さんに会う決意をした、ということも。
それを聞いた勝太郎さんも、自分の身を省みる。祭りの事や日々の仕事で頭がいっぱいで「子育ての苦労を妻に押し付けて、
いい父親になることはできなかった」。後に里親をやってみて「家族とは、努力して作るものだということがわかった」のだと。
改めて、娘・百子さんの気持ちを受け止めてやれなかったことを詫びた。
・ダメ親父の奮起
しかし。18年という長い歳月の間に蓄積された思いは、それだけで融けるものではない。そこで、ひとつの“けじめ”として
「神輿(みこし)、担いでくれませんか」勝太郎じいちゃんは長瀬さんに言う。「あんたがどれだけの男になったか、
見せて下さい」。
本祭りの最後の神輿「千貫(せんがん)神輿」。その名の通り、かなりの重量がある神輿。それを2時間、ずっと担ぐのである。
そもそも、それを担げなかったせいで「娘の結婚相手として認めない」と言われちゃったわけで(汗)。
というわけで。瞳ちゃんがコーチになり、体力をつける特訓が始まった。萌ちゃん(鈴木聖奈)やダンスの生徒さんも声援を送る。
腕立て伏せが6回しかできないという長瀬さん、果たして大丈夫なのか(汗)?
・ロッキーのテーマが相応しい
事情を知ったKENさん(眞木大輔)も、特訓を手伝うことになった。ハードなトレーニングに音を上げる長瀬さんだが、
後に退くわけに行かない。
そしてトレーニングが終わり、長瀬さんは仕事に戻る。KENさんは瞳ちゃんに「石田商店を辞めてニューヨークへ行く」と告げた。
いつ帰るかは決めないで行くので、1年になるか3年になるかはわからない、という。
久しぶりに川崎の実家に帰った時、昔と変わらず豆腐を作り続けている父親を見て「自分はどこへ向かっているんだろう」と
考えたKENさん。やはり自分には、ダンスしか無い!ということを再確認するきっかけとなったのだ。
RAYさんもいつかは行ってしまうし「神様が言ってるのかな。師匠とか居なくても、ちゃんとやりなさいって」。
瞳ちゃんの心は揺れ動くのだった。ただ寂しい、ということだけでなく(最後の最後で、そう来たか)。
・ホームタウン高校生
一本木家に、明くんの同級生・飯島くん(黒木辰哉)がやって来た。でも明くんじゃなくて、勝太郎じいちゃんに会うため。
実は飯島くん、今度の祭りで初めて神輿を担ぐことになったそうで。それで世話人の勝太郎じいちゃんに挨拶に来たという。
で、明くんは担がないの?
「遠慮してるんじゃないかな」と、勝太郎じいちゃん。彼は月島生まれじゃないし、高校を卒業したら一本木家を出る。
お祭りの神輿は、原則として地元の人が担ぐもの(大阪・岸和田の「だんじり」なんかもそうだね)。それで明くんは
遠慮しているのかも・・・と。
・エイドリ・・・じゃない、百子さーん
何日かトレーニングを積んだ長瀬さんの様子を、百子お母さんが見に来ました。「少しは体力ついたの?」
以前のダメダメな状態よりはマシになったものの、まだまだ成長の余地はある。頑張って踊る長瀬さんを見て
「あたしもやろっ!」百子さんも飛び入り参加!「見てるだけじゃあ、つまんないもの」。
意外な形で、親子3人の時間が少しだけ取り戻された。
・約束の日へ
一本木家。瞳ちゃんは友梨亜ちゃんに「お祭りが終わって9月になったら、ダンスの発表会をやりたい」と話す。
テーマは“ダンスの公園”。いろんな目的でダンススタジオに来ている、老若男女のために。
勝太郎じいちゃんは明くんに「長瀬が神輿を担ぐ許可をもらったついでに、あんたの話も」して、神輿を担がせてもらえる
ことになったと伝えた。地元の人に遠慮することはない。「この家はずっと、あんたの故郷なんだからさ」。
「ありがとう」明くんは嬉しそうにしていた。
そしてもう一人、一本木家を故郷とする男が―伊豆大島から連絡があり、将太くんが8月の祭りの期間に泊まりに来るという。
そうだ。約束してたんだもんな。
次週、月島祭りとダンスの公園へ。