「ツボ」を押さえろ!南知多の旅

ザ!鉄腕!DASH!!」(日本テレビ系)。今週は「天才ちびっ子に挑戦」と「茂子の節約家族」そして「ソーラーカー」。
実はこれまであまり「鉄腕!DASH!!」を見ていなかった駄メイド、城嶋茂リーダー扮する“茂子さん”を見るのは初めてである。
かつてNHK朝ドラ「芋たこなんきん」でリーダーがヒロインの父親・花岡徳一役を演じたとき、TOKIOファンの皆さんから
「徳一お父ちゃんは、茂子さんに通じるものがある」という声が上がっていた。「芋たこ」の花岡家は比較的裕福だったので、
茂子家のようにケチケチする必要は無さそうだが・・・子供思いの優しい親、という点はぴったり。
セントレアと焼き物の街
2週間ぶりの「ソーラーカー日本一周ひとふで書きの旅」。春の愛知県の旅を、今回も日記でプレイバック。
常滑市に居るソーラーカー「だん吉」は、伊勢湾を右手に見ながら知多半島を南下中。三重県も南北に長かったが
長瀬智也「愛知はでけーのかなあ?」
山口達也「ま、半島があるからね」
例えば。新幹線の名古屋(県西北端)〜豊橋(県東南端)間は短いけど、二つの半島の沿岸を回る道は長いです。
・海の環境にも配慮
常滑市といえば、中部国際空港セントレアのお膝元。人工島の上にある国際空港で、愛知万博開催直前の2005年2月に開業。
その管制塔が、だん吉の車窓に見えてきた。「三重県居るとき、エラい遠くに見えたけど。こんな近くに来てるよ」。
巨大な空港島と、そこに架かる橋の横を通っていく。
・招き猫に招かれて
新しい名所が賑わう一方で、ここには伝統の名物もある。その鍵は・・・道の途中に点在する、でっかい“壷”。
常滑のシンボル・常滑焼の壷。しかも高さが1mぐらいある。小柄な人なら、すっぽり入りそう。
「あるのかな?どっかに焼いてるところ」DASH村で陶器や磁器を作ったTOKIOとしては、気になるところだ。
市の中心部に入ると、それっぽい煙突があちらこちらに見える。「全部あれ、窯(かま)か」
焼き物の街・常滑の名所に「やきもの散歩道」という案内表示を発見。だん吉、寄り道することに。
・どんどん生まれる巨大壷
軽自動車1台通るのがやっと、という狭い道に入ると・・・「賢山窯」という看板が。
賢山窯は常滑焼の工房。道すがら要所要所に出現した大きな壷は、ここで作られていたのだ。
大小さまざまな壷や植木鉢が並ぶ庭先に入り、「こんちわー」工房の中にお邪魔する男2人。
そこでは窯元三代目の職人・前川さんが、今まさに巨大壷を製作しているところだった。山口さんと長瀬くんの顔を見て一言
「どっかで見たお兄ちゃんだな、と思ったら。テレビで見たんだなあ」。
・どこの家にもある
常滑焼はね。千年の歴史があるから」と前川さん。常滑は瀬戸・信楽丹波備前・越前とともに「日本六古窯」の
ひとつに数えられる。
常滑では焼き物に適した「常に滑らか」な土が採取できるので、平安時代の昔から焼き物が盛んだった。
鉄分を多く含む朱色の土(朱泥)で作った急須は、常滑焼の代表格。これでお茶を淹(い)れると、旨みが増すといわれる。
急須の他、花瓶、衛生陶器(いわゆるトイレの便器や洗面台)、招き猫など陶磁器の総出荷額日本一。セラミックのような
特殊陶器も生産してます。
・こまごま動け
で。TOKIOの2人も巨大壷作りに挑戦!前川さんにやり方を教えていただく。
6種類の土をブレンドした柔らかい土を、壷の形に成形する。土の粒子が粗いので、焼いたときの収縮を防ぐことができるそうで。
大きさが大きさだけに、普通のろくろでは作れない。細長く棒状にした土を積み重ね、ろくろの代わりに人が壷の周りを回る
「ヨリコ造り(紐造り)」という方法で作るのだ。
ちょうど(障害物競走なんかによくある)「バットを地面につけてその場でぐるぐる回った後に50m走をする」時のような姿勢。
「コレが慣れてくると、乗り物酔いはしない」とは前川さんのお言葉。確かに(笑)。
土の厚みは、常に一定に。厚みの違う部分があると、焼いた時にそこから割れてしまう。前川さんの積み上げた土は、
継ぎ目もムラも無く、しっかり馴染んでいる。この道42年、熟練の技である。
・村でやります?
山口さんもヨリコ造りに挑戦。師匠の見立ては「3日ぐらいやれば、うまくなるねえ」。力は入れすぎず、均等にならしていく。
続いて長瀬くんが、ぐるぐる回る仕上げに挑戦。「マイケル・ジャクソンばりのムーンウォークで」?壷の周りを回る。
5回ほど回るのだが・・・3回ほど回ったところで、目が回ってしまった。
DASH村でも挑戦してみますか?巨大壷作り。
・溜(たま)りがたまらん
男2人は賢山窯に別れを告げ、再び旅路についた。「昔の人の知恵とか、伝統ってスゴいなあー」と長瀬くん。
海へ戻る道すがら、乳母車っぽい籠(かご)を押して歩いているお婆さんに遭遇。積み荷を見せてもらうと・・・魚がいっぱい。
カレイ、メバル、舌平目・・・どれも常滑港に上がった、新鮮な地物だ。
お婆さんは「常滑の棒手振(ぼてふ)り」と呼ばれる、魚売りの行商人・松下さん。魚を仕入れてそのまま売るだけでなく、
刺身や干物に加工したりする。多いときは1日30〜40軒の家々を回るとか。
昔はいわゆる天秤棒で魚を売っていたそうだが・・・時代とともに後継者が減り、現在は5人しか居ないという。
松下さんの家にお邪魔すると、庭先に魚の干物がいっぱい。ちょうどお昼時ということで、ひとつご馳走になるTOKIO
七輪の上で、味醂干しっぽい干物を焼いてもらう―これはアナゴの「溜(たま)り干し」。濃厚な溜り醤油で味付けして
天日干しにされたアナゴは、保存にも向いている。身がふっくらと太く、アナゴっぽく見えないから不思議。
「うまいわー」「香ばしくてねー」焼きたてを味わう。「みんなが見とるで、余計美味しい♪」と松下さん。
・海水浴場の春
続いて常滑市の南隣、美浜町に入る。干物にもソーラーカーにも嬉しい日差しの中、堤防の道を進むと・・・
海岸に潮干狩りの人々が見える。「奥田中潮干狩り場」という幟(のぼり)が、潮風にはためいていた。
「何がとれるんだろう?アサリ?ハマグリ?」考えるより先に「行ってみますか」。
アサリを採っていた山田さんに声をかけると、「もっと珍しいものが採れた」という。その手には片手に余る大きな貝が。
山田さんが持っていたのはツメタガイ。かたつむりっぽい巻き貝である。
「貝に納まってないじゃん、体が」貝殻よりも、身がはるかにデカい。「家、間違っちゃってるよ」。
見た目は若干グロテスクだが「食べると美味い」らしいので、その場で調理してもらうことに。
・塩でもむと痩せる
山田さんは貝の身を殻からもぎ取り、塩でもみ始めた。すると水分がどんどん出て、身が縮む縮む。
ツメタガイは本来の身の大きさに戻ってしまった。これなら貝に入るというもの。
締まった身をスライスすると、アワビの切り身みたいに見える。実際食べてみると、アワビとは違って「さくさくしてる」。
この地方のおでんに、時々こういう「貝の串刺し」が入ってることがあるけど・・・コレだったのね。納得。
「今日、食ってばっかっすね」「いいじゃーん♪」アナゴに続き、またもご馳走になった。
・伝統の名所
だん吉は国道247号線をどんどん南下、野間灯台を越えたら次は南知多町に入る。
美浜町の地図に、レーシングカートのCGイラストが出ていたが・・・この近辺には有名なカートレース場
「LIDO美浜サーキット」があるのだ。戸塚ヨットスクールは出ないの?
目指すは知多半島の突端。三重県からぐるりと回ってきた伊勢湾も、そろそろおしまい。いよいよ知多湾へ・・・という所で
港のある豊浜地区に到着。ところどころに、地元の「鯛祭り」の鯛のシンボルが飾られている。
鯛祭りは明治時代から続く、海上安全・豊漁祈願のお祭り。長さ10メートルを越す鯛の張子が町を練り歩き、最後は海に入る。
・因縁の島へ
海の向こうに見える島影を見て「懐かしいー」と山口さん。
その島は篠島―かつて2003年に、大規模な鬼ごっこゲーム「TOKIOvs100人刑事」の舞台となった島だ。
「島、回れっかな?」「行ってみますか?」だん吉も島へ渡るのか?ソーラーパワーはまだ尽きてないぞ?
この日の旅路の模様は、次回へと続くのだった。かつてお世話になった島には、どんな出会いが待っているのか?