福岡飲酒運転事故「危険運転致死」適用されず

午前中。テレビにニュース速報が飛び込んできた。
一昨年8月に福岡市・海の中道大橋で起きた飲酒運転死亡事故の裁判で、福岡地裁は被告人に「業務上過失致死罪で懲役7年半」
の判決を下したらしい(http://www.sponichi.co.jp/society/news/2008/01/09/02.html)。
・あり得るのか?
事故当時の詳しい状況は定かではないが。各種報道を見る限り

加害者被告は事故20分前まで相当な量の酒を飲んでいた
→それなのに裁判所の判断は
→「被害者の車に衝突するまで、信号無視や衝突事故を起こしていない」
=「正常な運転が出来る状態だった」

ってか。
そんな状況で正常に運転できるドライバーが本当に居るなら、見てみたい。そこまでアルコール処理能力の高い肝臓があるなら、
医学界の研究材料にすべきだ。
・中途半端に時間が経つと
アルコールは時間が経過するにつれ、体内に吸収されて「回る」わけですから、飲んだ直後より「飲んである程度時間が
経過してから」の方が、運転を誤る確率も高くなるんでは
(だから、飲酒してから2〜3時間そこら後に「酔いが醒めたから大丈夫」といって車を運転すると、大変なことになる)。
酒酔いの程度には個人差がある、とは言え。「酒を飲んだら安全運転の能力が衰える」ということは常識なわけで。
・それか!
また、「正常な運転が可能だった」という根拠のひとつに「逮捕される前に(水をがぶ飲みしたり、友人に身代わりを頼んだりという)
証拠隠滅を図る冷静さが残っていた」というのがあったらしい。
完全な酩酊状態なら、事故直後に腰を抜かしたり眠ったりですぐ捕まる筈・・・というわけだ。
・良い子は真似しないでね
ふーん。じゃあ、飲酒運転した後に水をがぶ飲みしたり「酒を飲んだのは事故の後です」と弁解して証拠隠滅を図れば、
重い刑罰から逃れられるんか。飲酒運転常習者の皆さんには朗報ですな・・・って。そういう問題じゃないでしょー!
社会通念上、それは許されないだろう。それに今回の加害者被告、証拠隠滅の仕方が悪質過ぎ。
・世間が寛容過ぎた
後を絶たない悪質な飲酒運転ドライバーを罰し、再発防止の抑止力とするために制定された「危険運転致死傷罪」だが、
適用のハードルは未だに高いらしい。この事件の後に「自動車運転過失致死傷罪」も新設されたが、同じように難しいらしい。
ちなみに昨年6月に兵庫県尼崎市で発生した死亡事故の裁判では、自動車運転過失致死傷罪が適用されている。
こちらは加害者が事故直後、自力で逃げられないほど泥酔状態だったらしい。
・あくまで個人的な感想
後日。原告側は控訴の方針を固めたらしい(そりゃそうでしょ!納得いくか!犠牲になった子供たちのご両親の悲しみは、
察するに余りある。懲役7年半×犠牲になった子供さん3人分=合計22年半は、
最低限でも必要かと)。
年間交通事故死者数ワースト1の愛知県民が偉そうに言えることじゃないけどさ。抗議一切受け付けません。