忍者アクション、よくできました!

「有野の挑戦」。ゲームが売れて調子に乗っている有野課長、今度は「CDデビューがしたい」らしい。「ソニーぐらいから」。
冗談はさておき。今回のソフトは「仮面の忍者 花丸」(1990年、カプコン)。ファミコン末期に発売された、知る人ぞ知る
忍者アクションゲームだ。
「岐部くん(構成作家)のみが『コレいけます』って。『火の鳥』以来やねんな。それって」。岐部さんおすすめのソフトらしい。
何故「いけます」なのかが、後にわかることになる(謎)。
・赤い仮面は謎のひと
主人公の花丸は、仮面をつけた忍者少年(本人曰く、まだまだ修行中)。見た目が往年の某忍者漫画の主人公そっくりである(笑)。
レジャーランド「あそびのしま」で、子供が行方不明になる事件が多発。花丸が真相を探るため現地に潜入した!
行く手を阻む敵を退け、子供たちを救出せよ!全14ステージをクリアして、エンディングを見るのが有野課長の使命だ。
「結構なことやりに行くのに、修行中の奴ひとりで行くのや」。
・忍術で勝負
ステージ1。まずは操作の確認・・・攻撃ボタンを押すと、花丸の肩に乗った鳥が前に飛ぶ。
このステージは浮き沈みする島が舞台(「スーパーマリオ3」にも、こんなのあったが)。低い足場にいると、海に沈んでしまう。
「なんで島が浮き沈みすんねやろな」。狭い足場を渡り、タイミングを計って対岸へ。先へ進むと、ボス登場!
「よく来た!忍術比べだ」果たして忍術比べとは・・・?
ボス戦はアクションではなく、カードバトル。ボスと花丸、それぞれに1〜6の数字が書かれたカードが広げられている。
ボスが出したカードより大きい数字を出せば、その数字の差だけダメージを与えることができるのだ。
道中に出てくる「II」(2倍)「III」(3倍)のカードを集めれば、さらに有利になるぞ!
・説明書ぐらい読め
と。その効用を知らずに、有野課長は「II」を選択。さらに1枚カードを選ばなければならないのだが・・・モタモタしていたら
突然ゲームオーバーに。
実は花丸の横に小さな時計があり、制限時間内にカードを選ばないと負けになってしまうのだった。
やり直しで再戦。ボスが「5」のカードを出してきた。花丸の手持ちは1〜3までなので、そのままでは勝てない。
「あ、わかった!」有野課長、「II」カードの効用に気づく。「3」のカードを2倍にして出し、ボスにダメージ。
その後、おにぎりのカードでライフを回復。ステージ1のボスを、早くも撃破!
・ニンジャアクションの真髄
ステージ2。「うおー!氷かー!」つるつる床の氷の世界。「氷の面、早くない?」通常のアクションゲームなら、中盤のステージで
出てくることが多いのですが・・・早くも登場。
小さい上に滑る足場、乗っていると割れる氷の足場。敵は氷の塊を蹴ってくる。
うっとうしい敵を、忍術の巻物「雷の術」で一掃!「無駄に忍術使ったった」。「忍者龍剣伝」での「困ったときは忍術を使う」
という経験が、役に立った(笑)。
細心の注意をはらって足場を渡り、ゴールにたどりつく。ここはボス不在なので、そのままステージクリア。
・スケボーも忍術のひとつ
ステージ3。花丸はスケートボードに乗った状態で登場。しかも、肩の鳥を飛ばすことができない。
攻撃の手段がわからず、ゲームオーバーを繰り返す。
繰り返しプレイしていると「ジャンプしてスケボーの後輪を敵にぶつけると、敵を倒せる」ことが判明。
だがしかし、タイミングを取るのは難しい。そして何度かゲームオーバーになった時・・・ステージ1に戻された。
そう!このゲームにも、コンティニューの制限があったのだ。
コンティニューは3回まで。計12機で全14ステージをクリアしなければならないのだ。
「“忍者もん”ってことは・・・難しいのかな」かつて苦戦したトラウマが蘇る!今回も死闘の予感。
・やり直して見えたもの
泣く泣くステージ1からやり直しの、有野花丸。が、引き戻されたことで、思わぬ幸運があった。
ボス戦にノーダメージで完勝すると、コンティニューが1回増えることが判明。
また、ステージ2に隠し部屋を発見。「扉も何も無かったやん」。もぐら叩きならぬ「ペンギン叩き」で勝利すると、
その場でステージクリアになる+コンティニュー1回プレゼント。
そして、苦戦していたステージ3のスケボー。坂道を滑り降りて体が点滅すると、敵を弾き飛ばすことが出来るのだ。
「なんや、めっちゃ簡単やん!」さっきまでの苦労が嘘のようだ。ボス戦も難なくクリア!このゲーム「ボスが一番弱いな」。
・跳ぼうとしたらズル滑り
ステージ4。開始早々、ホッピングに乗った敵が登場、倒すとそのホッピングを奪い取ることができる。
そのまま敵を踏みつけることもできる「痛いで、こんなんやられたら」。
動く足場に飛び移ろうとしたとき、ホッピングが突然消えて無くなった。そのまま池に転落。「なんで無くなってんねん、急にー」。
ホッピングの制限時間が、絶妙のタイミングで切れたのだ。
再チャレンジ。慎重にホッピングを乗り捨て、先へ進む。この面もボス不在なので、ゴールと同時にステージクリア。
・悪そうな、って
ステージ5は地下の洞窟。「悪そうな所やなー、これ」火の池から火の玉が吹き上がり、鳥の形になって襲ってくる!
火の池の上の小さな足場やトロッコのレーンを、次々に飛び移る。間一髪で敵をしのぎ、ボス戦に突入!
6や5のカードを出されたときは、敢えて負ける。そして相手が小さい数のカードを出したとき、倍率カードを使って一気呵成!
おにぎりのカードが無かったのでノーダメージクリアはならなかったが、見事な勝利。
・た○し城か?
ステージ6はアスレチックのような池。足場となるのは大小さまざまの丸太と、強制的に進むイカダ。
動きの読みにくい魚をよけきれず、ゲームオーバーを繰り返す。
「あかん、こんなとこで時間食ってられへん」厄介な魚を丁寧に回避し、ステージ終盤へ。船着場のような場所に来ると
「何かあるなー」嫌そうな有野課長。船のそばに砲台があり、弾丸がぼんぼん飛んでくる!
「大砲、ええ思い出ないな」。これもまた「スーパーマリオ3」で苦戦したトラウマが。一気に駆け抜け、ボス不在でクリア!
・緊張感がイマイチ
ステージ7は遊園地エリア。そうだ、ここは一応レジャーランドだった。
上下するメリーゴーラウンドを足場に、連続ジャンプのポイントが続く。タイミングよく飛んでここを突破、ボス戦へ。
ボスのライフが多いので、倍率カードを使って早期決着。有野花丸、完全勝利。
勝ったものの・・・腑に落ちないご様子の有野課長。「この『ボスとの戦い』っていうのは、命の削り合いやと思うねんな」
それが「カード、って・・・」。ともあれ、全体の半分をクリア!順調なんだから文句言わないの。
・この感覚はどこかで
続いてはステージ8。が、何故か開始から1秒で1機死亡。
「あれ?どした?」何が起きたか理解できない有野課長、説明書をひもとく。そこで衝撃の?事実を知ることになる―
「あっ。鷹なんや。ハト違うねや」。花丸の肩に乗っている鳥を、ハトだと思い込んでいた有野課長。それは鷹ですよ。
ステージ8はその鷹につかまって空中遊泳で進む。Aボタンを押し続けるのだ。
あれ?この感覚はどこかで見たような・・・そう!「カイの冒険」のような、空中浮遊である。
いやらしく配置された敵、しつこく追ってくる忍び凧。忍術のあるときは蹴散らせるが、苦戦は続く。
ゲームオーバーでコンティニューを使い切り、またまたステージ1へ。「コンティニュー少ないねんなー」。
何とかステージ8まで戻った有野課長。浮遊する敵を忍術で蹴散らし、固定型の手裏剣も慎重なプレイでくぐり抜ける。
へとへとになりながらも、ステージ8クリア!
ホーンティングキャッスル
ステージ9。おばけ屋敷っぽい、怪しげなお城。「うわ、悪そうなとこやなー」フランケンシュタインの怪人や幽霊みたいな
敵キャラが、有野花丸に襲い掛かる。「もう、忍者関係なくなって来てるやん」。ニンジャアクションの世界観を無視している
・・・とナレーションは言っていたが、基本的にここは遊園地だからね(笑)。
慎重に足を進め、ゴールに着くと・・・くノ一忍者が現れ、カードバトルを仕掛けてきた。
倍率カードでガンガン攻め、ノーダメージクリア!「ボス、簡単すぎます!・・・指痛くなるぐらい(アクション戦)やりたいなあ」。
・ニンジャ課長in西部劇
ステージ10は西部劇の世界。ニンジャアクションの世界観、ますます崩壊の一途(笑)。
「忍者やったら普通、城に行く筈やのにな」。いかにも西部劇っぽい建物内から、敵が突然出てくる。
ここで再び足止めか・・・?と思われたが、途中で「弥七」(風車の形をしたアイテム。無敵状態になれる)をゲット!
そのままゴールに飛び込み、ステージクリア。
・スペース○ウンテンっぽい
そしてステージ11はプラネタリウムが舞台。もはや何でもありだな。
ステージ序盤でまたも弥七をゲット、無敵状態で突き進むが・・・効力が切れた時、間が悪く敵にぶつかった。
中盤に進むと、卵形のカプセルからM字形のクモのような雑魚敵が飛び出し、邪魔をする。「どんどんインリンが出てくるやん」。
次々に孵化してくるM字が「もうインリン(のM字開脚)にしか見えなくなってきたな」。
インリンに足止めされ、ゲームオーバー。コンティニューが無くなり、またもステージ1へ。
・食べられるものなら
気落ちしている有野課長に、AD鶴岡が差し入れを持参。
「先程、美味しそうだとおっしゃっていたので・・・用意しました」。ステージ1の石垣を見て「美味しそうやねんな」と呟いた
有野課長に、石垣に似た「雷おこし」とお茶を持ってきたのだ。
以前「高橋名人の冒険島」をやっていて「空の雲が『ポンデリング』に見える」と言ったときは、有野課長の自腹だったのだが
「それに比べたら、経費使えるようになってんな」。そう、番組のお金で買ってもらったのだ。
「あっ、うまい♪」思わず笑みがこぼれる。ブレイクタイム終了、気合を入れなおす有野課長
・大きいカードは意味あるのか
心機一転。2時間後、ステージ11に戻った。忍術のストックを温存し、先程のインリンの難所で炸裂させる!
ボス戦はロボットっぽいメカ忍者とご対面。手持ちのカードに「5」や「4」といった大きな数が多いが・・・
ボスのカードはランダムに選択されるため、それでも「1」が出たりする(笑)。結局、拍子抜けのパーフェクトクリアで撃破!
あまりの歯応えの無さなので、有野課長も「『やったー』って、言いにくいんですよね」。
・謎が解けた
ステージ12はプラネタリウムの隣に控える飛行機(スペースシャトル?)の内部。
足場は進行方向に流れるベルトコンベアー。でもボーっとしてると、レーザーや雑魚敵の餌食になる。
弥七で無敵になり、効力の切れた後も冷静に対処。あっという間にクリア!「スゲー!1機で行けた!」
と。ここで「そういえば最初に言ってたな」有野課長が、あることを思い出した。「岐部くんが『コレ、いけます』って言ってたな」。
その意味が見えてきた。「いけます、っていうのは『有野さんでも解けます』みたいな事かな。最近、課長・・・
過小評価されてんねんな」。
だが、この時まだ有野課長は知る由も無かった―残り2ステージ、課長の真価が問われる戦いが待っているという事実に。
・喪失感は大きい
ラストステージ目前、ステージ13。忍者らしく(?)山を駆け上がる。強制縦スクロールなので、落ちたらアウト。
ひたすら上らなければならない。
が、山道のところどころにある滝から、魚が不規則に飛び出して来る。「どう跳ぶ、っていうのは決まってくれてへんねんな」。
魚エリアを突破すると、今度は怪しげな石像がシャボン玉を吐いてくる。
ゲームオーバー地獄でコンティニューを使い切り、またまたステージ1へ強制送還。先の面に進めば進むほど、精神的ダメージは大きい。
窓の外は、既に夜更け。2時間30分かけて、ステージ13に戻る。このとき、残りコンティニューは2(残機9)。
再チャレンジするも、何の進展も無くゲームオーバー。とうとう残りコンティニューが1(残機6)になってしまった。
「来たな・・・この絶望的な雰囲気」その後、石像を撃破。しかしその上に居た忍者が大岩を転がし、タイミングを計れず激突。
・スゴいの見たい?
ゲームに没頭する有野課長に、スタッフから報告。現実を突きつける―時計の針は、午前0時を回っていた。
「(ステージ1から13に)戻すのに時間がかかる、という現状もありますし・・・これがラストチャンスかな、と」。
課長の真価が問われる戦いが、始まった。

※突然ですが、ここからはノーカットでお送りします。

ここから、有野課長の神プレイが始まった。かつてない集中力で魚ゾーンを抜け、石像を素早く撃退。
岩石忍者はスクロールで出現する前に道を上り、迫ってきたところを返り討ち。「あいつ、近づいたら包丁持ってた!」
さらに難関は続く。滝を流れ落ちてくる丸太をひょいひょいと飛び移り、てっぺんにある出口へ到達!
時間にして、1分半にも満たない出来事だった。さっきまでの苦労は何だったのか、あまりにも素早いゴール。
あとはボス戦である。「もう、これでええん違うかなー。指痛いー」。
ボス戦をノーダメージでクリア。「1(ワン)ティニュー増えました♪」ピンチをチャンスに変え、ラストステージに突入!
・正解は桜井さんでした
最終面・ステージ14、ゲームスタート。・・・と同時に、花丸が転落。ゲームオーバーになってしまった。
「“空(そら)面”かーーー!」ステージ8と同じ、空中浮遊面だった。
敵の配置も更にいやらしさアップ。更には花丸の進行方向の先に、しつこい敵キャラ(風神と雷神?)が。
サングラスにヒゲ面の雷神を見た有野課長、「アルフィーの人や!」THE ALFEE桜井賢さんにそっくりなのである(笑)。
なんで桜井さんがこんな所に・・・?などと思いながら進むと、あっという間にゴール。「手ェ抜いてくれた!アルフィーの人」
・やっぱり弱いから
あっという間にラスボス戦。3倍カードを温存し、ラスボスが小さい数を出したときに大きな数でダメージを与える作戦。
2倍カードをうまく使い、ラスボスを撃破!
「まいった!お前の勝ちだ。子供たちは返してやる」。これでエンディングなのか?「真のボス」とか出てくるの?
と思ったら。花丸が閉じ込められていた子供たちを連れ出した。やがて「あそびのしま」で楽しく遊ぶ子供たちの姿が戻った。
「仮面の忍者花丸」13時間30分で完全攻略。
・格好悪いわけじゃない
「格好良くないねんなー」とぼやく有野課長だったが、花丸は「よくできました」の“花マル”をもらってピースサイン
「まさか最後の最後に、アルフィーの人が出るとは思わなかったな」。そして最後にチクリと一言
「なんか、甘く見られてる感じがするな・・・岐部くん、やっぱり俺のこと過小評価してると思います。僕『できる子』なんですけどね」。
『できる子』有野課長、よくできました!