ボスばっかりの世界へようこそ

フジテレビ721ゲームセンターCX」。一週遅れのレビューです。
「有野の挑戦」今回のソフトは、PCエンジンビックリマンワールド」(1987年、ハドソン)。
昭和末期の頃、ロッテのチョコレート菓子「ビックリマン」のおまけについていたシール「悪魔vs天使シリーズ」が
子供たちの間で一世を風靡。そのストーリーにのっとって漫画が制作され、アニメとゲームにもなったというわけだ。
主人公は天使の戦士・ヘッドロココ。悪魔のボス・魔肖ネロを討伐するため冒険の旅に出るという、アクションRPG
(もっとも、ベースは「ワンダーボーイ・モンスターランド」というSEGAアーケードゲームだったそうで)。
今回の使命は、全11ラウンドをクリアしてエンディング画面を見ること。アリノロココの運命や如何に?
・美味いのにもったいない
ビックリマン(悪魔vs天使シリーズ)が人気だった頃、有野課長は高校1年生で「スーパーでバイトしてた」という。
そのバイト先で「ビックリマンの新しいシリーズが入荷した、って言うたら、小学校終わりのガキがものすごい来てて・・・
店の外でチョコウエハース捨ててんの見て、ものすごい怒っててんな。
食べへんのやったら買うな!って」。
まったくです。許されない行為です。(本体の)食べ物を粗末にする輩に、コレクターの資格はありません。
我々も食玩マニアですが「本体の食品を捨てる」ような真似はしません。どんなにおまけが立派でも、本体の食品が
マズかったら買いません(それで購入をとりやめたアイテムがどんだけあったことか・・・)。
・門外不出のコレクション
挑戦開始・・・の前に。ここで「珍しいゲスト」が登場。番組の構成作家酒井健作さんだ。
実は酒井さんは「ビックリマンシール」のコレクターで、およそ1500枚あるというシールをコンプリートしたという。
課長「集めてんの?」
酒井「集め終わりました」
課長「何歳やねん!!」
で。今回「ビックリマンワールド」に挑戦するということで・・・その大切なコレクションの一部を番組に提供。
有野課長が出会ったキャラクターのシールを貼っていくことになった。
ただし「貼っていいシールと、貼っちゃダメなシールがある」らしく、何度も念押しをしていた(笑)。
・悪のヒロイン
改めて、挑戦開始。ラウンド1のヘッドロココは、素手で裸である。これは「ワンダーボーイ・モンスターランド」の影響だそうで。
スタート地点そばの家屋で天使の王・スーパーゼウスに会い、剣と回復の薬をもらう。
早速スーパーゼウスのシールを貼る。「説明が無いねんね。いいか」貼っちゃダメということは無さそうだ。
ラウンド中盤、またしても建物が。「サタンマリアや!」早くもボス登場。悪魔の女幹部・サタンマリア
「剣、短いなー」苦労しつつも、あっさりクリア。サタンマリアのシールも貼る。「シール貼る行為って、久々やなー」。
・鑑定価格は
ラウンド2。ショップで「ぬののブーツ」を購入。敵を倒すと出てくるゴールドを拾い、貯金して強い武器を買うのだ。
進んだ先の洞窟に、扉を発見。中にいたのは中ボス・スーパーデビル。
やられてゲームオーバーになり、またラウンド1からやり直し。「コンティニュー無いねんな」。
そこから再びたどり着き、再戦の末に撃破。シールを見ると「復刻版じゃない!(2000円ぐらい?)」と書いてある。
「2000円ぐらい下さいよ、ってことかな?」でも貼る。惜しげもなく貼る(笑)。
終盤になると、またもサタンマリア登場。雑魚敵を吐き出して来るので厄介だ。長期戦は危険なので、速攻で一発クリア。
・やっぱりあった
ラウンド3。舞台はお城の中である。ここで厄介なのが「制限時間」。砂時計が反転すると、残りライフのハートが1つ減る。
ゲームオーバーになり、コンティニューは無いものか・・・と、説明書をひもとく。
「あった!」コンティニューの方法は「十字キーのどこかを押しながらRUNボタンを押す」とある。
その「十字キーの『どこか』」を、有野課長は「左」と予測。RUNボタンを押してみると、コンティニュー成功!
「迷ったら『左』やな」左押してスタート、とは・・・「迷宮組曲」でさんざんお世話になった、アレである。
しかもメーカーは、同じハドソン。でも今回の場合の「どこか」って、「どこでもいい」っていう意味じゃなかったのか。
・ハートの色らしい
コンティニューを発見して一安心。が、敵の攻撃も激しさを増し、ゲームオーバーを繰り返す。
しかし。お城の中で「おや?」隠しショップを発見、防御力が2倍になる鎧「ライトアーマー」を購入。体がピンク色になり
「主人公、女なんかな?」と有野課長。ともあれ有利な展開になった。
そして出て来たボスは、ワンダーマリア。デカいキャラだが、乱打戦の末に撃破!これもシールを貼る。
挑戦開始から2時間。滑り出しは順調である。
・贅沢しましょう
ラウンド4の舞台は海。動く足場から何度も海に転落、ゲームオーバーの連続。
どうにか難所をくぐり抜け、その先に待っていたのは魔肖ネロ!火の玉を吐き出してくるので、攻撃できるチャンスは一瞬。
負ければまた海の難所からやり直し。が、コンティニューで繰り返しプレイすると、ある利点が―お金がそのまま残るので、
どんどん貯金が増えていくのだ。
小金持ちになったアリノロココ。装備を増強して体力も回復、魔肖ネロを倒した!
魔肖ネロのシールはホログラムであるらしく「ピカピカだったら1・2万」。安い復刻版のほうを貼りましょう。
それでは物足りず、包装された状態のホログラムシールも上につけて「ぜいたく貼りやな」。
・1987年のマイブーム
ラウンド5、草原地帯。敵が落としたマントやウイングブーツでパワーアップ、井戸の中の地下道ゾーンを通過。
砂漠地帯を抜け、城にたどりつくと・・・ボスが不在でそのままラウンドクリア。ここはシール貼れない(笑)。
ラウンド6は城の中。開始早々トゲトゲだらけの危険地帯で苦戦。
どうにか突破し、隠しショップを見つけると「伝説の鎧」を購入。今度は体が白くなり、防御力8倍。
その先にはドクロマークの扉が。死闘の幕開けか・・・?
中に入ると、またサタンマリアが登場。「わたしの質問に答えられなければ、お前の命は無い。よいか?」何だっていうんだ。
「問題。わたしの、最近の趣味は何だ?」三択クイズである。選択肢は「ゴルフ 読書 カラオケ」。
「カラオケかなー。見た目からして」と、アリノロココは「カラオケ」を選択。正解なのか・・・?
「見事!よくわかったな。城から出ることを許そう」。コレでラウンドクリアらしいです(笑)。
・絶好調です
ラウンド7。スタート直後、建物内に入ると・・・ラウンド1から再登場の[[サタンマリア]が居た!
今度は浮遊する雑魚敵が周囲に居て、アリノロココを妨害する。雑魚から片付け、サタンマリアを撃破。攻撃力3倍の剣・
グレートソードもゲット。
雲に乗って天空を歩き、舞い降りた下は南の島・ポロロ。ステージがコロコロ変わるので、環境の変化に戸惑うアリノロココ。
やり直しでサタンマリアを倒すと、今度は攻撃力4倍の剣・エクスカリバーが手に入った。
強い武器をひっさげてどんどん進み、建物の中へ。ラウンド3のボス・ワンダーマリアが再登場!
ここは落ち着いた攻撃で撃破!開始から4時間、ラウンド7をクリアした。
・オタク心がわかる御仁
ラウンド8は“火の池地獄”。酒場で「この先の洞窟の中には、魔物たちの部屋があるらしい」という情報を得た。
隠し部屋があるかと探したところ、アリノロココは壁に吸い込まれた。隠し部屋に現れたのは・・・不気味な悪魔・ネロ魔身!
魔法でダメージを与えた後に、ヒットアンドアウェー攻撃。見事撃破し、伝説の聖剣をゲット!攻撃力は8倍にアップ!
ネロ魔身のシールには、ご丁寧に「ネロ魔身 魔肖ネロの本当の姿だ」とプロフィールが手書きで添えてあった。
「コレ、酒井くんの言葉なんかな?」当時の子供向けガイドブックっぽい文面だよな。「健作くん、俺がオタクでよかったな」。
ここは“オタクごころ”を気遣い、剥がさずに飾る。
洞窟を抜けると、そこは氷の世界。再び現れたネロ魔身を、魔法を有効に使って撃破。「楽勝でしたー!」ラウンド8クリア!
・一時の過ち、気の迷い
続くラウンド9は氷の城。足場はつるつる滑り、火の池に何度も落ちてはダメージを喰らう。難易度が一気にアップし、
「ゲームオーバー→コンティニュー」の繰り返し。マンネリ化した空気が、気の緩みをもたらす。
「やったー(×o×)!」ゲームスタート直後に頭を抱える有野課長、このリアクションは。まさか?
ビックリマンワールドへ ようこそ』裸状態のヘッドロココ、どこかで見たような背景。そうです!コンティニュー失敗!
スタートする時、十字ボタンの左を押し忘れたのです!!「迷宮組曲」の時も、そんなことがありましたよね。
「35歳、痛恨のミスやなー」6時間のプレイが水の泡。アリノロココ、裸一貫出直し!!
・スタッフも脱力
自分のミスを取り戻すべく、ラウンド1からプレイを再開する有野課長。4時間後にラウンド9まで進んで来た時には、
外はもう真っ暗。
難関エリアに苦戦していたところ、空中浮遊できるウイングブーツを発見。それまでの苦労が嘘のように、すいすいと進む。
行き止まりの扉の中に居たのは、サタンマリアの母でもあるボス・ノアフォーム!
「ちっちゃいの(雑魚敵)邪魔やなー」雑魚敵と、それが吐き出す氷の塊に苦戦。
敢え無くゲームオーバーで「あ〜」と、スタッフからため息が漏れる。
「『あ〜』つっても、どれ位いってたのか分からへんよ?『惜しい!』みたいな感じになってるけど」。
敵のライフゲージが無いので、どれほどダメージを与えられたのかがわからない。「惜しい」のか「全然ダメ」なのか。
2戦目。ライフはギリギリまで減ったが、ヘルメットが割れて命拾い。ノアフォームを倒した!
「(さっきのは)惜しかったんや!みんな当たってたわ」。苦しみぬいたラウンド9をクリア、ノアフォームのシールを貼る。
・殴りこみだ!
ラウンド10は新たな南の島。島を越えて進んでいくと・・・海に落ち、海底の世界へ。最終ラウンドは目前。前進あるのみ!
海を出ると、今度は洞窟に入る。ライフが尽きかけたが、持ち合わせていた復活の薬で回復。
長い道のりの先に、宮殿が見えてきた。「ここよりジュラ城、ジュラさまのお城である」。
城の手前の扉に入ると、ワンダーマリアが出現!恐竜のような鎧を身に着けている。パワーアップしているようだが、
アリノロココも気迫の攻撃で応戦、ワンダーマリアを撃破!ラウンド10をクリア、ジュラ城へと入っていく。
・一筋縄では行かない
いよいよ最終ラウンド。城の中はルートが分岐していて、正しいルートを進まないとゴールにはたどり着けない。
「迷路やん、コレ」。アリノロココ、広大な城の中で迷子状態!
正しいルートを探さなければいけない上、要所要所でボスキャラが襲ってくる。地獄のような戦いが続く。
迷子になること45分。見つけ出した新しいルートは、SF映画シューティングゲームのようなメカニカルな通路。
その先に待ち受けていたのは・・・ラスボス・始祖ジュラ!頭が弱点らしいのだが、強力な火炎放射に阻まれる。さすがに強敵だ。
時間がかかると、砂時計が反転してライフが減る。効率よくダメージを与えるには、やはり魔法が有効なようだ。
そこでAD鶴岡が登場。ジュラの元にたどりつくまでに魔法のアイテムをできるだけ多く集め、ジュラ戦で有野課長
バトンタッチする作戦を決行。
・パターン入った!?
ジュラ城のマップを何度も往復し、魔法(特にサンダーとファイヤーボール)を集めるAD鶴岡。45分後、有野課長にスイッチ。
再びジュラ戦へ。魔法を使い切るまで攻めた後、剣でひと斬り!するとジュラは、その一撃で倒れた!
「一発でやっつけました!・・・あ。」拳をあげて喜んだ有野課長だったが、表情が一変した。このリアクションは・・・まさか!
『ジュラが、正体を現した』。そこに現れたのは、新たな姿の“真のラスボス”!
「誰?この人?誰?」有野課長、シールで確認する。探し当てた顔は悪魔の大ボス・ブラックゼウス!!
シールの説明によると「当時のホロ(ホログラムシール)は4・5万円。美しいのは、もはや手に入らない」らしい。
「知らんがな!いう情報やなー!」ゲームには一切関係無い情報だよな(笑)。
・悲劇の幕切れ
始祖ジュラをはるかに上回る強さを誇る、ブラックゼウス。少しでも多くの魔法が必要だ。
引き続き、AD鶴岡は魔法集め作戦を続行。ゲームオーバーとコンティニュー、同じ場面が延々続く。
一方の有野課長は、暫時トイレ休憩に立つ。戻ってみると、部屋の空気がおかしい。明らかにおかしい。まさか・・・まさか?
ビックリマンワールドへ ようこそ』裸状態のヘッドロココ、飽きるほど見たような背景。
そうです。ゲームオーバーになったAD鶴岡が、先程のアリノロココと同じ「左ボタン押し忘れ」でコンティニュー失敗!
それはまさしく、デジャヴであった。没頭するが故の、気の緩み。
これからやり直すのも時間的に厳しいので、2日後に続きをプレイすることに決定。
「なんか・・・ありがとう」課長はAD鶴岡を叱責するどころか、一言そう言った。「ありがとう。俺、帰れるわ・・・
ぶっちゃけた話、俺、自信無かったんや」極限状態でプレイしても、もう集中力は持たないだろう。
・0円生活もあるし
悪夢の失態から2日後。再挑戦の日である。有野課長が部屋に入ると、AD鶴岡が頭を下げていた。「平謝りやな」。
再挑戦が始まったが「有野さんのケツ(ロケ終了までの時間)が2時間です」何とか2時間以内にクリアしなければならない。
「ごめん。課長、売れっ子やなー」。
時間は真っ昼間。挑戦部屋は西日が強いので「あの男」がまたしても“西日よけ”に立つ―番組の初代ADこと、AP東島である!
「どうした!突撃レポーター」ピンマイクが足りなかったので、ハンドマイクを片手にレポーターのような格好で現れた。
今や映画製作部のAPに出世したAP東島。有野課長は固辞したのだが「1回だけ」西日よけをやることに。
1ゲーム目、始祖ジュラ戦でゲームオーバーになり、AP東島は退散。本業の仕事に戻っていった。
ヨガファイヤー状態
その後も魔法集め→ゲームオーバーの繰り返し。魔法を集めも集めたり、サンダーだけで48個。万全の態勢で臨む。
課長のタイムリミットも迫り、次がラストチャレンジとなった。
「ラスト、って聞かされて(ゲームを)やるプレッシャー知ってる?スゴいよ」ため息をつく有野課長
まずはジュラ戦。サンダーを28個ぶつけたところでジュラは倒れ、ブラックゼウスに変わる。
残りのサンダーと、ファイヤーボールで一気呵成!魔法を使い尽くし、剣で2突きしたところでブラックゼウスは倒れた!
「やったー!」有野課長とAD鶴岡、喜びを爆発させる。挑戦開始から15時間、「ビックリマンワールド」攻略!
この勝利を誰よりも喜んでいたのは、他でもないAD鶴岡だった・・・。
で。クリアした記念に、ホログラムのシール(貼っちゃダメなやつ)を直貼り。「このテンションに比べたらな。貼ってまうよな。
ごめん、健作くん」。結局、全部のシールを直貼りした。それでは最後に確認を。
有野「左押して・・・」
鶴岡「スタート」
二人「です!」コレを糧に成長するのだ、鶴岡よ!(by王様)