最終カイ!“バンダイナムコの塔”へ

フジテレビ721ゲームセンターCX」第7シーズン、いよいよ最終回です。
「有野の挑戦」。有野課長、今回はいつもの“ゲーム部屋”を出て・・・品川区のバンダイナムコゲームス本社・未来研究所へ。
・21世紀の受付小町
受付のリア・ディゾン似のおねえさんに、今回の挑戦部屋の場所を尋ねると
「どちらになるんでしょうか?」と、逆に質問される(笑)。
別のおねえさんがご案内。「会議室11で」。通されたのは眺めのいい、開放的な空間。
「いつもの(挑戦)部屋、何やねん」と言いたくもなる。
・「ドルアーガ」の前の出来事
そんなバンナムの部屋で挑戦する、今回のソフトは・・・「カイの冒険」(1988年、ナムコ)。
ゲーム界のカリスマクリエイター・遠藤雅伸さんが手がけたナムコの名作「ドルアーガの塔」(ファミコン版=1984年)を
はじめとする「バビロニアンキャッスルサーガ」シリーズ4部作の、3作目にあたるアクションゲームだ。
舞台はユフラテ河のほとりにある王国。魔王ドルアーガが、聖なる杖・ブルークリスタルロッドを奪って塔に篭城した。
女神イシターは巫女のカイに“勇気を身軽さに変えるティアラ”を与え、ブルークリスタルロッドを奪還してくるよう命じた。
果たしてカイは目的を達成できるか?そして有野課長は「すべてのステージ」をクリアし、有終の美を飾ることができるか?
・斬新なアクション
てなわけでゲームスタート。カイちゃんが塔に乗り込んでいく場面に「ドルアーガの塔」のBGMのイントロと同じメロディーが流れる。

「さあカイよ!いよいよ冒険の始まりです。鍵をとり、扉を抜けて次のフロアに進みなさい」

「誰や」と有野課長。コレは女神イシター様のメッセージですよ。
カイちゃんは基本的に敵を倒せないので、飛んでよけるだけ。飛距離と高さのコントロールが難しい。
飛ぶ高さを間違えて、天井に激突しようもんなら・・・頭を押さえて痛がり、コントロールが利かなくなる。
制限時間内に鍵やアイテムをゲットし、ゴールの扉に飛び込まなければならない。
・やけに親切だ
まずは1階。うろうろしていると、宝箱を発見。開けてみると、何やらアイテムが出て来た。

「やあ、きみがカイちゃんだね。ぼくはクオックス。この塔に住むドラゴンなんだ。
きみのことは、女神イシターから聞いているよ。ぼく専用の秘密の通路を使わせてあげるから、頑張ってね!」

宝箱から出てきたのは、ワープのアイテム。カイちゃん、一気に6階へワープ!
「え?もう6階来たの?」有野課長もびっくり。
ドルアーガの塔」では主人公・ギル王子の行く手を阻む厄介な敵・クオックス。それがカイちゃんには、ずいぶん親切やないかい?
6階でもワープをゲットし、あっという間に11階へと上る。
開始5分で11階−有野課長は「ドルアーガの塔」が全60階だったことを考え「5分ぐらいでもう、6分の1クリアしてる」とホクホク顔。
・それだけ難しいってこと
ボタンを押している間、カイちゃんは上昇を続ける。ボタンを離すと落下する。
その操作感覚は予想以上に難しく、11階でゲームオーバー。
しかし。嬉しいことに、コンティニューが出来るのです。しかも回数は無制限。
11階からは快調に進み「すげーサクサクやん」。調子が出て来た有野課長の前に、またも女神イシターが現れた。

「見えない敵にも注意しなさい」。

スタート地点のそばで、何か稲妻のようなものが横に飛んでいる・・・それを何とかするために「宝箱あるん違うの?」
有野課長の推理通り、ギザギザ床に囲まれた数少ない足場に宝箱が。中身は「キャンドル」。
上に戻ってみると・・・先ほどの稲妻の正体が見えた。茶色のマントの魔法使い(「ドルアーガの塔」に出てたメイジ?)が
呪文を飛ばしていたのだ。絶妙のジャンプでよけ、このフロアをクリア。
・どんどん行こうぜ
17階。いやらしい配置でカエルが待ち構えている。当たってミスになったが、再スタートの時にはその敵は消えている。
「やさしい!遠藤さん」遠藤さんに感謝しつつ、次のフロアへ。
18階も難なく抜け、19階でワープをゲット。上った先は28階!
その28階でも宝箱からワープを発見、今度は37階へ!「オレ、今日、家族でランチ食えるかも」。有野の挑戦、確変中!
37階でもワープをゲットし、44階まで到達!奇跡の連荘(れんちゃん)ワープに「パターン入ってるな、コレ」と有野課長
まだまだ続くワープ連鎖。44階の次は51階。「(ロケの)尺、足らへんな。今回。総集編するかなー」
ディレクターも真っ青の、史上最速ペース!こんなに早くていいんですか!?
・ワープかセーブか(違)
51階からはワープも無く、またまた快調にゲームを進める。このまま勢いに乗りたいところだが・・・55階で
床からいきなり生えてくるニョロニョロした敵に足止めされる。「ウンコかな、指かな。どっちかな」ウンコっぽいです。
絶妙のコントロールで飛び越えた、と思ったら。着地点にもう1本伸びてくる。「こういう難しいゲームなのかー」。
敵の配置も、いやらしさを増してきた。ワープばかりで実戦経験の乏しい有野課長、細心の注意を払ってクリアする。
そして56階。矢のように攻撃呪文を放ってくるマジシャンに足止めされる。先ほどまでの勢いはどこへやら、本日初の停滞。
このフロア開始から45分、攻撃をかいくぐって鍵をゲット。扉を開けてクリアした。宝箱は取れなかったが、まずはクリアを優先。
・ゴッドハンド登場
残りは4階。ワープを使わず、確実にクリアすることを目指す。
57階。ダチョウのような変な鳥に一度はやられるも、すぐクリア。58階の宝箱からは空中浮遊が出来るアイテム「ウイング」が出て来た。
前代未聞のスピードクリアへ向け、残り2フロア。
しかしここで、思わぬハプニングが。有野課長が咳をした拍子にコントローラーが手から落ちた!
本体が揺れてROMがズレたのか、画面がバグったのだ。
この緊急事態に、技術・須田ちゃんが登場!彼は以前「スーパーマリオワールド」で画面がバグった時にも、リカバリーを成功させた
(ROMの接触部分をドライバーでガリガリする、というパワープレイで)。
今回はドライバーを使うわけにいかないので、ROMが挿さったまま軽く押してみる・・・が「ダメですね」。
「リセットボタン押せば直るんじゃない?」と、スタッフの誰かの発言。
諦め半分でリセットボタンを押してみると・・・「THE QUEST OF KI」のタイトル画面が。しかもコンティニューも無事。
「やったー!ありがとうございます!すげえ!コンティニュー!」さあ、気を取り直して再開だ!
・もう最上カイかい?
59階。ウイングを獲得するが、厄介な敵が出現。急上昇と急降下を繰り返す、茶色い“鳥”に苦戦する
(注:確かこの敵は鳥じゃなくて、魔法使いだったような・・・でも“鳥恐怖症”の有野課長には、鳥にしか見えない)。
ウイングを使った空中浮遊ですり抜け、そのままゴール!
そして。いよいよ最終ステージ60階に到達!道を進んでいくが「行き止まりやんか」。
画面の上の方にブルークリスタルロッドらしきものを発見。そこへあっさり到達。「カイの冒険」スピードクリア!?
と。画面内のカイちゃんがキョロ、キョロと左右を見回した。その後ろにグロテスクな悪魔の影が!
カイちゃんは卒倒し、小さな石の塊になってしまった。「あら?何これ?」事態が飲み込めない有野課長

こうしてカイは 塔の最上階までたどり着きましたが ドルアーガの魔力に敗れ 残念ながら 石にされてしまいました

「ウソ!残念やな」これがエンディングなのか・・・?否、次に現れたメッセージは

この後も引き続き スペシャルステージでお楽しみ下さい。どうもありがとうございました

呆然とする有野課長に、スタッフから爆弾発言。「実はこの『カイの冒険』というのは、100階まであるそうです」。
残りのステージは「かなり難しいそうです」。
「言うてくる、ってことは。ホンマに『かなり』なんでしょうね」と有野課長。そうですよ。
・そして彼は途方に暮れる
というわけで、スペシャルステージがスタート!ここからが本当の冒険の始まりである。
「わたしからはもう、何も言うことはありません」というイシター様の激励にも、有野課長は「偉そうやねんな」と仏頂面。
早速61階に入ると見るからに難しそう。「ワープの箱、無いねんかな」宝箱からワープのアイテムを発見、
クオックスが出て来た。助かった!と思いきや

今回だけは許してやるが、次からは元の世界に落としてやるぞ!

・・・やっぱりコイツは厄介な敵だったようだ。
で。また61階の最初からやり直し。「次(ワープを)取ったら・・・1階に戻されるってこと?イヤやなー」。
スペシャルステージにワープは無い。1フロアずつ、地道にクリアして行くしかないのだ。
61階の出口の鍵は、栗みたいなイガイガに囲まれている。それをすり抜け、着地して歩いたら「さくっ」と刺されてミス!
「徒歩でかー!徒歩でやられた」惜しいミスに「『トホホですよ』とは絶対言えへん」。・・・ダジャレ課長、途方に暮れる。
・これ無しにはクリアできん
64階。何やらでっかい敵が居る。マップの右下にある鍵を取りたいのだが・・・行き止まりの連続、遠回りの末にタイムアップ。
このフロアは広大なマップを最短距離で進まなければならない。パズル要素を含んだ難関面を、残り1秒でクリア。
コツを掴んだ有野課長、65階・66階とサクサククリアしていく。
「早いなー」勢いに乗りかけた課長だが、67階は開始早々の難所。左右からの火炎放射にスピードが追いつかず、逃げられない。
膠着状態になったところで、バンナムからコーヒーの差し入れが。「こちらはヒントになってます」メモが添えてあった。

加速ジャンプ→左右へジャンプ中にBボタンを押すと加速する
ブレーキ→進行方向と逆に十字ボタンを押す

加速ジャンプを試してみる・・・一気に火の玉ゾーンを回避!その先に居るスライムも、加速ジャンプで回避・・・しようとしたら
壁で顔面を強打。「コレ難しいなー、運転」。
再挑戦。またもブレーキ失敗!と思いきや。屈み込んだのが幸いしたか、鳥にぶつからずに済んだ。
1時間を費やし、67階を突破!
・誰かの顔?
続く68階。足場も何も無い、がらんとした空間。ホイミスライムみたいなクラゲ状のスライムが飛んでいる。
加速ジャンプで飛んでみると・・・マップのいちばん上に鍵が!ホイミスライムをかわし、鍵をゲット!
慎重に降下し、そのままゴール。「今日の『まぐれ』出ましたよ」。危険な空中戦を制し、このフロアを突破。
その後も強運が味方し、次々とフロアを上って行く。
諸行無常の小ネタ
74階に入る前に、またもイシター様が現れた。

デートだったら「イタリアントマト」が最高よ。
わたしの一押しは、400円のレアチーズケーキ。リゾットも なかなかブリリアントね

「・・・もう書くこと無いんやろな」聞くだけ損した、といった感じの有野課長
ちなみにイタリアントマト(イタトマ)とは、かつてナムコの子会社だったケーキ屋さん。よくナムコのゲームに看板が出ている。
2005年に株式をキーコーヒーに売却、ナムコの傘下を離れた(今も株式の一部をバンナム保有しているらしいが)。
駄メイドの一押しは、胸焼けしそうなほどクリームたっぷりの「スペシャルショートケーキ」(現在発売されていない)。
・天国と地獄
閑話休題。74階でウイングを手に入れ、狭ーい通路をすり抜ける。こうなるとまるで「電撃イライラ棒」のようだ。
連打で浮遊するのだが、指に負担がかかる。力尽きて“ギザギザ床”に落ちてしまうカイちゃん。
長押しでも浮遊できることを発見したが、ここまで連打に慣れてしまっているので・・・かえってやりづらい。
派手なアクションゲームには無い、精神的ダメージの蓄積。慎重にプレイして切り抜ける。
75階。左右にある砲台から、ミサイルが飛び出す。有野課長は「スタート位置から少しズレた所」にポジションをとり、
そこからまっすぐ上にジャンプ!するとタイミングよくミサイルをかわし、一発でクリア!こういうのは得意ですね。
・VIP助っ人登場!
76階。ギザギザだらけの床に大苦戦し、この階だけで何と40機を消費!精神的イライラも募り、極限状態に。
と、そんな有野課長の元に、意外な来訪者が―バンナムの社長・石川祝男(しゅくお)さんだ。
難関ゲームに挑戦する有野課長を、激励しに来てくれたのだ。ゲーム化決定のときにご挨拶に伺って以来の再会。
その石川社長が、助っ人として緊急参戦・・・するも、即ミスで終了。「すいません(汗)」。
去り際、社長からプレゼントが。11月15日発売予定の「ゲームセンターCX 有野の挑戦状」初回生産分の特典として同梱される
バンダイナムコゲームス 課長 有野晋哉」の名刺だ。
「ボク、何課になるんですか?」
「適当に今、入れてもらえば」。結構アバウトである。
そんなわけで、社長は退室。引き続き挑戦に入る。
「社長でもクリアできへんかった面をクリアしたら・・・ここで偉くなれるのかな」。
30分後、やっと鍵をゲット。みんなが固唾を呑んで見守る中、ギザギザ地獄を突破!この面だけで2時間かかり「もう夜です!」
・偶然に頼るしかない
79階。ここは強風が吹きつけていて、ジャンプして浮遊しようとすると流されてしまう。
下の床はギザギザが生えていて、大砲の弾をよけながら3段飛びしなければならない。
しかもそこを超えても、上に上がるまでの通路に敵(「パックマン」のアオスケ)が居る。
1時間、まるで進展なし。「運でしかないな、この面」。
運良く敵に当たらずに上まで行き、鍵をゲット。しかしその先は、長いギザギザ階段。
その階段を飛び降り、上に向かって大ジャンプしなければならない。「次の“偶然”は何分後かな」。
ウイングが無いので、浮遊もできない。「もう操作方法がわかれへんもんな」。
・長い長い足止め
このステージに入って2時間半。足止めはされているが、次第にアオスケのゾーンを突破する回数が増えている。
「徐々に進んでるってとこが、課長の憎いとこやねんな。成長しとんねん」
非情な仕掛けに、ただひたすら立ち向かう。それが課長の真骨頂。それが課長の哲学。
そして。ギザギザ階段の一番下、足ひとつぶんの狭い足場に着地成功!「やっとできたー!」
そこから飛ぼうとした瞬間、何故か後ずさりし
「ざくっ」後ろのギザギザを踏んづけてミス!
「わたくし、風が吹いてるのを忘れておりました」有野課長、一世一代の大失態!!
「・・・こういう『隠れた名作』は、ずっと隠しておくべきなん違うかなー」“秘密で終わる秘密兵器”みたいなもんですな。
でもそういう『隠れた名作』にスポットを当てるのが、この番組の仕事なわけで。
・どうすりゃいいのさ
ギザギザ階段に何度も挑戦し、再びたどり着いたのは40分後。
伝家の宝刀・加速ジャンプで突破を狙うも・・・天井に激突、コントロールを失って墜落!
「盛り上がったし、ええかー。もうええか」もうやけくそである。
再び“大ジャンプ地点”へ到達。加速ジャンプで飛ぶ!が・・・またも天井に激突!
ここでスタッフから報告。「このステージが始まったのは、20時ぐらいだったと思うんですけど」そして現在は23時34分。
「3時間半、79階をやってるんですか。僕は」有野課長もびっくり。「79階、面白いっすねー」。
このゲームを相当「おいしくいただいている」状態だ(笑)。
・そして・・・
この時、挑戦開始から13時間半が経過。“決断の時”がやって来た。
「今回、最終回なんですけども・・・最終回、ギブアップなさいますか?」
課長のジャッジは「第8シーズンまたぎで、延長お願いします!」シーズンをまたげばクリアできると思う、と課長は言う。
前代未聞の「シーズンまたぎの延長戦」に決定!
・次カイの冒険は10月
「ゲームオーバー 課長OFF」。その言葉とともに、ファミコンの電源を切る。10月24日開始の第8シーズンは
カイの冒険」後編からスタート。今回はまだ「育児休暇」には入らないようだ
(課長はこの期間、某「黄金伝説」の恒例企画「よゐこの0円生活」に入っていたようである)。