彼女の終戦まで

今週のNHK連続テレビ小説芋たこなんきん」。昭和42年(1967年)12月、町子さん(藤山直美)は
自らの戦争体験を小説に書き綴っていた。
・全てを失って
昭和20年(1945年)6月1日。大阪大空襲で、福島区は焦土と化した。
動員先の工場から、家に駆けつける町子ちゃん(尾高杏奈)。家族は無事だったものの・・・
花岡写真館は倒壊。
同年8月15日。日本は敗戦の日を迎えた。長い長い戦争が突然終わり、この戦争の正体が見えてくるにつれ
町子ちゃんの胸には、虚しさだけが募るのだった。
それからひと月も経たぬうち、お父ちゃん(城島茂)は心労もあって病に倒れた。
そしてその年の暮れ、44歳の若さでこの世を去ってしまったのである。
お父ちゃーーん!・゜・(ノД`)・゜・
・感動の作品
そんなわけで。町子さんは小説を完成させた−
自分が生き抜いた、戦中戦後の大阪について書き記した作品を「楽天乙女」と題して出版。
田辺聖子さんの作品「欲しがりません勝つまでは−私の終戦まで」が、それにあたるのか。
出来上がった本を読んで、矢木沢さん(いしだあゆみ)は化粧が崩れるのも構わず号泣。
そして健次郎先生(國村隼)も、こっそり涙するのだった。
核家族vs大家族
そんな中。町子さんの妹・孝子さん(メイサツキ)が、徳永家にやって来た。
夫が盲腸で入院したので病院に付き添う間、娘の良美ちゃん(山崎奈々)を預かって欲しい、というのだ。
孝子さんの教育方針が、徳永家の教育方針とずいぶん違うことに戸惑う町子さん。
家族構成も環境も全然違うんだから、それはある程度仕方ないと思うのだが・・・。
・どうせ聞いてもらえへん
良美ちゃんがピアノの練習を勝手にサボり、少年野球の練習試合を見に行ってしまった。
当然、母・孝子さんは激怒するのだが・・・良美ちゃんは「ピアノより野球のほうが好き」という。
ワテもピアノは習っていたが・・・適当なとこで「やめたい」と言うべきだったな。却下されるんだろうけど。
・謎な業務連絡
「パパは子供の頃、野球選手になりたかったんだって」夫からそんな話を聞いたことのなかった
孝子さんは大ショック!
話を聞いていると、北村(=孝子さんの)家の夫婦の会話・家族の会話は「子供の塾をどうするか」
「学費をどうするか」とか“業務連絡じみたもの”しかないらしい。
町子さんはそんな妹に、夫婦の会話や子供の話を聞いてやることの大切さを説くのでありました。
・初恋の行方(その1)
楽天乙女」の出版以来、読者からのファンレターが町子さんのもとに殺到。
その中に「隣町の写真館の、可憐な女の子に淡い思いを抱いていました」という文面を見つけ、
「私のことやわ〜」と、目尻の垂れ下がる町子さんだった。が・・・実はそれは町子さんではなく
「妹さん」つまりは孝子さんのことだったというオチ。ぶわははは(爆笑中)!そんな事だろうと思った。
・初恋の行方(その2)
ある夜。工藤のおっちゃん(荒谷清水)は、一真和尚(石田太郎)が矢木沢さんと親しげにするのを目撃。
二人のロマンスか?と、近所の人もドキドキしながら見ていたら・・・そうでは無かった。
実は和尚さん、30年ぶりの中学の同窓会で初恋の人“菩薩の君”に会うのに備えて洋服を新調するべく
矢木沢さんに相談していたというのだ。
そして同窓会の後。初恋の人と再会できてご機嫌の和尚さん。写真を見せてもらった町子さんたちの感想は
「『菩薩』というより『大仏さん』やな・・・」。こういう場合、劣化ぶりを見てがっかりするものなんですが(^_^;)。
・今週の注目
町子さんの少女時代を演じた山崎奈々ちゃんが、姪・北村良美ちゃん役で再登場。
見た目こそ「小さい頃の町子ちゃん」そっくりだが・・・中身は対照的に、物静かな
(抑圧された?)女の子というキャラクターなのが面白いです。
大阪大空襲の回では、漫才コンビ酒井くにお・とおるのお二方が(近所の人の役で)ご出演。
生活笑百科」かと思いましたわ(笑)。