愛の接合不良

今週のNHK連続テレビ小説「つばさ」。
先週の「怒涛の1週間」を乗り越えたつばさちゃん(多部未華子)。翔太くん(小柳友)のJリーグデビュー戦を
見届けるべく、試合が行われるTOKOROZAWAウイングスタジアムに駆け付けた
(注:オフィシャルサイトでは「さいたま市での試合」となっていたが。所沢なんですかね?)。
が!現地に着いてすぐ彼女が見たものは・・・足を負傷して救急車に担ぎ込まれる大谷翔太選手の姿!
診断結果は「複雑骨折」。地元・川越東総合病院に入院することになった。
・冷やかしほど面白いものはない
「チャンスよ!」こうなるとマリバロン加乃子さん(高畑淳子)は、俄然テンションが上がる。
「看病は最大の独占!」ケガや病気で相手が弱っている時こそ、恋愛を進展させるチャーーンス!!
例えばリンゴを「あーんして」病床の彼に食べさせるぐらいしなさい!と、つばさちゃんをけしかける。
つばさちゃんは乗り気になる筈もなく(笑)。
それを聞いた竹雄さん(中村梅雀)、「夏かぜかな〜」と調子悪そうにしてみるが・・・加乃子さんは看病してくれない。
やっぱり愛されてないのかな、と竹雄さんは落ち込む(泣)。それはそれ、これはこれ、だ。
・新たな怒涛へ
最近の「ラジオぽてと」では「新規リスナー開拓」のための会議が行われていた。
いいアイデアが出ません、と嘆くつばさちゃんに真瀬社長(宅間孝行)は外回りで取材を命じた。
「はーい♪」嬉々として出て行くつばさちゃん。病院に行くつもりなのはバレバレである。
「ワタクシというものがありながらー!」つばさ様ラブ!の浪岡さん(ROLLY)は嫉妬心全開(笑)。
・アダムとイブと蛇と神様
翔太くんの病室で、久しぶりにゆっくり話す二人。リンゴがあったので、むいてから渡そうとすると
「パス♪」翔太くんから「あーんして」を要求してきた(笑)。この野郎ー!可愛いすぎるぞ!
つばさちゃんは(加乃子さんに言われたこともあって)戸惑いながらも、翔太くんの口にリンゴを運ぶ・・・と
「何やってんだい!」後ろから翔太くんの母・佐知江さん(手塚理美)の声が!
「翔太は大事な時なのに!いちゃつくなら他所でやっとくれ!」
怒られた瞬間、追い討ちをかけるように
「つばさの母でございますー♪」絶妙の間の悪さで、加乃子さんが現れた!
つばさちゃん、加乃子さんを引っ張って退場!二十歳のアダムとイブ、楽園を追放される(苦笑)。
・怖いながらも
同じ頃。川越東総合病院で
「とおーりゃんせー♪とおりゃんせー♪」某特撮の写真屋の親父さん・・・もとい。車椅子の老人・松沢さん(石橋蓮司)が
呟くように歌っていた。
そしてその老人に「こえど」のママ・麻子さん(井上和香)が付き添っている。実は松沢さんは、麻子さんが
ボランティアでヘルパーをしている老人ホームの入所者。認知症のため、麻子さんのことを看護師だと思っている。
その松沢さんが検査入院することになったので、麻子さんが身の回りのお世話をすることになったのだ。
そしてそんな麻子さんのもとに、尚樹さん(白井圭太)という男性がやって来る。麻子さんの元婚約者だと
名乗る尚樹さん、松沢さんのことも知っているようで・・・?
・きっかけを掴む
松沢さんはつばさちゃんや加乃子さんと話しこむうち「こんなに時間が早く過ぎたのは久しぶりだ」と言った。
病院に居ると、一日が長く感じる・・・というのは、他の入院患者も同じ意見。
そこでつばさちゃんは、ラジオぽてとで「病院の入院患者向けラジオ放送」をすることを思いつく。
取材と称して病院に通い、翔太くんとの逢瀬を楽しむのであった(笑)。
真瀬社長は亡き妻のこともあって、病院ラジオの番組編成に際し「病院には、死と向き合って暮らす人も居る。
明るすぎてもダメだ」と提言した。
・心も負傷している
つばさちゃんや入院中の子供たちの前では「早くケガを治して、活躍するとこを見せるよ」と笑顔を見せていた翔太くん。
しかし。スポーツ新聞には、彼の代わりに昇格した高卒ルーキーの活躍を報じる記事が出ている。
ライバルに追い抜かれ、焦る気持ちと悔しさが募る。そんな時
「昨日は巨人勝ったのか」松沢さんが車椅子に乗って、翔太くんの病室に入って来た。
翔太くんはスポーツ新聞を見せて、松沢さんに悔しい胸の内を打ち明けた。自分がいつ復帰できるのかもわからないし・・・
どうすればいいんだ、と。
・優しい嘘を
松沢さんは病室の洗面台の鏡ごしに、自分の後ろにつばさちゃんが来ているのを見つけた。
つばさちゃんは今までに見たことのない“翔太くんの弱気になっている姿”を見てしまい、ショックを受けた。
「本人の気持ちも考えずに、頑張れだの早く良くなってねだのと・・・」
それが本人を傷つけていることに、まったく気づいていなかった、ということ。
そして翔太くんが、ある意味嘘をついていたということ―「私の前では、本当の気持ちを言って欲しかったのに」。
二重のショックである。
ラジオ、そして翔太くんのお見舞い。本当の意味で「入院する患者さんのために」できることを探す難しさを思い知ったのだった。
乙女ですねえ、つばさちゃんは。
・乳デカい人の父帰る
落ち込むつばさちゃんは、麻子さんにそのことを話した。すると麻子さんの口から、衝撃の事実が語られた―
松沢さんは、麻子さんの実の父親だったのだ。
お父さんは若い頃いわゆるヤクザ稼業をしており、麻子さんもいろいろ苦労させられた。
やがて両親は離婚、麻子さんはお母さんと暮らすようになった。
就職してから、麻子さんは尚樹さんと婚約したが・・・父親のことがバレたら破談もありうるので、結婚は諦めた。
そんな経緯もあり、麻子さんは「父がみじめに死んでいく様を見届ける」ために介護しているのだ、と言った。
・ごく・・・ごくろうさん
つばさちゃんは、松沢さんが実は認知症ではなく、ボケたふりをしていることに気づく。
偽装ボケだー!椿山課長の七日間」の椿山さんのお父さんみたい(笑)。
大事にしているお守りの中身は、子供の頃の麻子さんの写真。今でこそ麻子さんを「看護婦さん」と呼んでいるが、
自分の娘だと言う事は当然わかっている。そして自分の過去に縛られ、娘に今更顔向けできないのだ。
このまま父と娘が和解できずにいて良いものか。つばさちゃんはまたしても、ラジオの力を発動させる。
そして。事の一部始終を、竹雄さんも知った。自らも昔は“極道”の人だった竹雄さん、
もしも愛娘・つばさちゃんがそのことを知ったら、死に際を見届けてくれるだろうか・・・と複雑な心境になる。
・こいも仕事も今が勝負
ラジオぽてとは病院の多目的スペースを借り、サテライトスタジオ「こいもスタジオ」を設置。病院からの生放送スペシャルを
放送することになった(ラジオぽてとの「スタッフTシャツ」商品化の予定は無いんでしょうか=笑)。
母親を亡くしたトラウマから病院嫌いになっていた優花ちゃん(畠山彩奈)も来ていたので、真瀬さんはひと安心。
折しもその日は、松沢さんが退院して老人ホームに戻る日。麻子さんは今日以降ボランティアも辞めて、松沢さんにも
二度と会わないと言う。
・諸説あるようですが
つばさちゃんは帰ろうとする父娘を引き止め、ラジオぽてとの童謡番組を聴かせた。
曲目は「通りゃんせ」。川越の三芳野神社が発祥という説のある童謡だ。
その昔、幼児の死亡率が高かった時代。7歳まで我が子が生きられた時、感謝と引き続きの成長を願って氏神
お札を納める・・・という習わしを歌った歌である。
歌と同じように、大病を患った幼い娘・麻子さんが元気になるように、松沢さんも神社に願掛けをしていた。
麻子さんは父の深い愛情を知り、涙する。松沢さんも娘の思いを知って、これまで苦労をかけたことを詫びるのだった。
真瀬さんと優花ちゃん、松沢さんと麻子さん。折れたままの父娘の絆が、完全ではないけど修復されました。
・公認の仲だ
ラジオ放送を終えたつばさちゃんは、佐知江さんに遭遇。また怒られる!と思いきや。
「この間は怒鳴ったりしてごめんね」逆に謝られてしまった。
息子が恋人の前で幸せそうにしている顔を見るのは、初めてだったんで・・・と佐知江さん。
そりゃー息子がデレデレした顔してる所に来たら、おかんとしては恥ずかしいし動揺しますわな(笑)。
佐知江さんはつばさちゃんに「翔太を支えてやって」と頼む。「あんたなら大丈夫そう」。認められたぞ!
つばさちゃんは翔太くんの病室へ。改めて遠慮なくイチャイチャする二人のために、医者に変装した
ラジオのおっさん(イッセー尾形)が現れて、病床のカーテンをささーっと引くのでした。
こういう幸せなカップルを見ていると、蕁麻疹が出そうです(ほめてるのよ)。
純情きらり」以来の蕁麻疹度の高さです。
ヤバいぞ。つばさ&翔太、ワテの中で「朝ドラベストカップル・AK部門」の順位急上昇中やぞ(何)。
次週、女ののど自慢大会開催!?そして丸山さん(松本明子)の夫が帰って来る!?
・ところで
翔太くんの所属チーム「宮崎ポロナティーヴォ」のユニフォームの胸には「TEGETEGE(てげてげ)」と書かれている―
てげてげ、とは宮崎弁で「適当に」とか「気楽に」という意味だと聞いた。ドラマの中では企業か商品名という
設定なのだろうけど。
どうせなら「わかば」(2004年〜2005年の朝ドラ/神戸と宮崎が舞台)に出てきた「村上酒造」がスポンサーだったら
良かったのに・・・って。酒造会社はJリーグのスポンサーになれないんか。