縁の糸のもつれた先に

NHK連続テレビ小説「だんだん」いよいよ最終週です。
「いのちの歌」をvocaloidが歌ってくれないかな・・・と思っていたら。
ニコニコ動画」に、フリーの音声合成ツール「UTAU」による「いのちの歌」のカバーがありました。
バーチャルシンガー「雪歌ユフ」が分身の術(?)で登場、柔らかな歌声のハーモニーで歌ってます。
・あとはお前だけだ
2008年11月。めぐみちゃん(三倉茉奈)は石橋さん(山口翔悟)の故郷・島根県隠岐諸島知夫里島に降り立った。
石橋さんも知夫里島に来るのは10年ぶりだという。
父母の墓に立ち寄ると、新鮮な生花が供えられていた。地元の人が墓守してくれているのか?
そして生家の石橋診療所へ。誰も居ない・・・筈だったのだが、何故かきれいに改装されている??
建物の中から、後藤先生(伊武雅刀)が出てきた。知夫里島の隣・西ノ島の病院で働く後藤先生は
「この診療所を、島の医療ネットワークの拠点にする」と、やる気満々だ。
後藤先生の親友だった石橋父の“志”を継ぐために。そして島の人々のために。しかし。石橋さんには、まだ迷いがあった。
・母なる赤壁
石橋さんは、めぐみちゃんを知夫の赤壁に連れて行く。波の音が“母親の胎内に居る時に聞こえる心音”を思わせる。
「ここに戻って来るとは思わなかった」けれど、めぐみちゃんのおかげで自分の道に、家族との思い出の場所に
戻ることができた。
石橋さんは「一緒に生きて欲しい」と、めぐみちゃんにプロポーズ。「君と一緒なら、乗り越えて行ける気がする」。
島の人々に愛され、名医と呼ばれた父親のようになれるかどうかはわからない。けれど、二人で力を合わせれば
出来るかも知れない。めぐみちゃんも結婚を決意するのであった。
泣いているところを石橋さんに抱きしめられてから8年、めぐみちゃんは知夫の赤壁で再び抱きしめられるのであった。
・ラブラブ夫婦の過去は
それから3年と少し後、2011年1月。膵臓ガンを患っている初枝おばあちゃん(三林京子)はご存命である。
在宅で投薬治療を続けながら、寝たきりにもならず普通に生活している。
そして健太郎くん(木咲直人)も、嫁さんをもらっていた―それが何と、あの美香ちゃん(伊藤麻衣)!
初めて遭遇した時は泥棒と間違えられたのに(笑)。
姑・嘉子お母ちゃん(鈴木砂羽)と大姑・初枝おばあちゃんとの同居は大変そうだ・・・名古屋に帰るなよ。
・舞妓の道は厳しおす
祇園「花むら」では、女将となったのぞみちゃん(三倉佳奈)のもと、節ちゃん(久保田晃代)が
舞妓・花知(はなとも)として修行している。母・知美さん(辻沢響江)から一文字もらったのだ。
のぞみちゃんは花知さんを一人前の舞妓に育てるべく、一生懸命になっていた。自分が久乃おかあさん(藤村志保)や
真喜子@花雪さん(石田ひかり)にそうしてもらったように、箸の上げ下ろしひとつにも厳しく注意する。
花知さんのことを、つい「節ちゃん」と呼んでしまう康太さん(久保山知洋)も、一緒に叱られる(汗)。
・おかあさんにシメられる
その花知さんが、この春の「都をどり」で「中挟み」という重要な出番を任されることになり、
京舞のお師匠さん(片岡静香)ものぞみちゃんも、それまで以上に厳しく稽古をつける。
しかしそんな大事な時期に、花知さんは携帯電話を外で使っていたことがバレて没収されたり、
休みの日の普段着に着物を着ないでジーパンを穿いていたり・・・と、たるんだ行動が目立つ。
のぞみちゃんが舞妓だった頃には考えられない事である。「夢花さんみたいな舞妓になりたい」んじゃなかったのか。
つーか携帯電話は、都をどりまで使用停止手続きしといて(笑)。
花知さんに対する「のぞみおかあさん」の締め付けは、ますます厳しくなるのであった。
・Dr.離島の診療所
石橋夫妻は改装された診療所で、島の人々の治療に勤しんでいた。標準語を喋っていた石橋さんも、知夫里弁を喋っている。
めぐみちゃんは介護の経験を生かして島の老人たちを世話し、重宝される存在に(診療所のシーンで、
京ことば指導の女優・桃山みつるさんと、出雲ことば指導の俳優・多々納斉さんがゲスト出演)。
しかし。ひとりだけ、気になるおじいさんが居た。2年前から寝たきりになっている畑田富男さん(桂米朝)である。
脳梗塞の再発が疑われるので、石橋さんは設備の整った西ノ島での検査入院を勧めたが・・・
妻・テルさん(正司照枝)も「自分が介護したい」と言う。富男さんは昔から女遊びが激しかったとかで、老いた今
「やっとわたしだけの人になった」とテルさん。そういう爺さんって導尿カテーテル入れるのが大変(以下強制削除)。
・人生を教えてもらえ
とりあえず富男さんを説得し、西ノ島の病院に入院させる。翌日。その後藤先生から電話が。
「帰りたいというので退院させた」。ええっ!
治療をやめてしまうんですか、と詰問する石橋さんに「患者の希望に沿うのも医者のつとめや」と後藤先生は答えた。
富男さんの場合、手術するのもリスクが高い。「病気を治すだけが、医者の仕事やない。一人の人が『生き切る』姿を
見届けるのが、地域医療や。大病院に出来ない医療行為や」。
・クララが・・・
畑田家に往診した石橋夫妻は、富男さんが若い頃に牧場で働いていたという話を聞く。
牧場で肉牛の子牛を育てて、松阪や神戸といった“ブランド牛”の産地へ出荷する。品評会で金賞を獲ったこともある。
松阪牛も神戸牛も、こういう自然の中で生まれてるんですね。
高級肉牛はメスに限られるので、繁殖は人工授精で。富男さんは一日中、牧場で牛を見ていたという―そこまで女好きなのか(笑)。
それを聞いた石橋さんは、富男さんを仁夫里牧場に連れ出す。すると「歩きてえ」思わず車いすから立ち上がった!
草を踏みしめる足の、懐かしい感触。2年ぶりに自力で立ち上がり、富男さんはリハビリを始めたいと言い出した。
またも奇跡が起きた(笑)。これはドラマだから、というのもあるが・・・老人はポジティブなきっかけ
があれば、意外な回復をすることがあるようで。
・役割分担きっちり
喫茶・祇園鴨東。康太さんは花知さんの話を聞いていた。
厳しく叱られて凹んでいる花知さん、「のぞみおかあさんはウチが嫌いなんやろか」と嘆く。それを聞いた康太さんは
「辛かったら、いつでも言ってごしない」とかばう。
そこへやって来た涼乃さん(木村文乃)がイヤミを言おうもんなら「ウチの花知をいじめんでごしない!」。
康太さんもすっかり「おとうさん」である。お父さんお母さん、一方が厳しくしたらもう一方はフォローに回るのは基本。
・検察に告訴されなかったんか
そんな中。花雪さんに、サブライド澤田社長(平岳大)から久しぶりのお名指しがあった。
2008年の世界的金融危機で、サブライドも相当なダメージを受けたという。つーかそれまで会社あったのか。
しかし2011年現在「オバマ(大統領)のおかげでアメリカも持ち直した」・・・というシナリオらしい。
社長の前で「水鏡」を舞う花雪さん。「うちは芸の道に人生を捧げます」自分の心の水鏡はもう揺れ動かない、と宣言。
澤田社長曰く「人は変わるもんです。だから美しい」。
また、花鶴さん姐さん(京野ことみ)の元彼“馬の脚”西沢さん(白川明彦)が借金を完済。花鶴さんはそのお金で
奥村のお兄ちゃん(茂山逸平)に「駆け落ちしてみる?」と言い出す。半ば本気かも(笑)。
・旦那だけのものではない
「花むら」では、女性客を対象にしたお昼の営業を始めるべきかどうか、のぞみちゃんが迷っていた。
それが久乃おかあさんの「あんたが女将なんやから、大胆にやりよし」という助言により、実行に移される。
試験的にやってみた舞の会は好評を得て、のぞみちゃんは本格的に営業を考える。
しかし。康太さんは浮かない顔で・・・。
祇園のハロウィン?
2月。祇園には節分に仮装して鬼を祓う「お化け」という行事があり、松江の皆さんも「花むら」に招待された。
俊くん(東島悠起)とイーリンちゃん(チェン・チュー)も駆けつけ、久乃おかあさんは初枝おばあちゃんとの再会を喜ぶ。
けど、石橋さんとめぐみちゃんがまだ来ない・・・?と思ったら。
結婚行進曲とともに、ウェデイングドレスと白タキシードに身を包んだ石橋夫妻がご登場ー!
「いよっ!ご両人」忙しくて結婚式を挙げていなかった二人と、その家族に捧げる最高のサプライズだった。
続いて、参加者も様々なコスプレ姿で余興を楽しむ。芸妓さんたちは大衆演劇風に「白波三人男」を演じる。
美香ちゃんや仲居の千代さん(こばやしあきこ)はメイド服姿。そば爺(石倉三郎)の“バカ殿”は違和感ないなあ(笑)。
ドンチャン騒ぎの中、めぐみちゃんは康太さんにいつもの元気がないことに気づく。
「居場所が無いかね?花むらに」めぐみちゃんに訊かれて「男は何の役にも立たんけん」と、康太さんは自分の無力さを嘆く。
・両者失格につき
そして節分の数日後。花知さんが「萩の」のお座敷からなかなか戻って来ない。
戻って来た時には20分遅刻。のぞみちゃんが花知さんを叱責しているところに、康太さんが帰宅。
「厳しすぎるだないかね」と言う康太さんに「花知は自覚が足らんのどす」のぞみちゃんは怒り心頭で答える。
「『節ちゃん』は理由もなしに遅刻するたりする子じゃ無いけん!」「『花知』や!」「だども」「それ松江の言葉!」
翌朝。「うちは舞妓失格どす。松江に帰ります」という書き置きを残し、花知さんが居なくなってしまったー!?
久乃おかあさんは「あんたは女将失格どす」とのぞみちゃんに言い渡す。「経営に頭が行き過ぎて、舞妓のひとりも
育てることもできん」それと「女将の前に、奥さんやないの。康太さんほったらかして」厳しい言葉に、わが身を省みる
のぞみちゃんであった。
・そっちの方が長いつきあい
夫婦で言い争っている場合ではない。康太さんは「節ちゃんを松江に迎えに行こう」と言う。
「のぞみは花知(としての彼女)しか見とらん」。彼女は「舞妓・花知」である以前に「ただの田中節」だ。
幼いころから―のぞみちゃんと出会うより前から―康太さんは節ちゃんを知っている。言われてみればそうでしたね。
両親が長年別居していたことに心を痛めていた優しい子だったから、きっと「花むら」に戻ってきてくれるだろう、と。
・プラカード持ってネタばらし
のぞみちゃんは康太さんと一緒に松江に飛んで行く。一条のお祖父ちゃん(夏八木勲)も了承し、康太さんに休みをくれたのだ。
花知さんは松本そば店で、母・知美さんと父・ヘルン先生(曾我廼家八十吉)と一緒に居た。
家出の理由を黙秘する花知さんに、ヘルン先生は「里心がついたのでしょう。節分に(京都に)行くべきではなかった」
と悔いる。
そこにのぞみおかあさんが現れ、花知さんの身柄を確保。女将業に必死になり過ぎて、厳しくしたことを詫びた。
「すんまへん!」花知さんから二言目に出た言葉は「これ、てんご(イタズラ)どす」。
「え?」どういうことやのん?
「大きいおかあさん(久乃さん)に『松江に帰れ』て言われたんどす」花知さんは明日には祇園に帰るという。で、
「『二人は新婚旅行に行きなさい』て、大きいおかあさんからの伝言どす」。
昨夜の夫婦喧嘩を聞いた久乃おかあさんが、二人の時間をゆっくり過ごさせるために一計を案じたのだ
(一条のお祖父ちゃんも加担しているので、あっさり呉服屋の仕事を休めた)。
そうでもしないと、のぞみちゃんは「花むら」の仕事を休もうとしないだろうからな(笑)。どっきり大成功♪
・ミラクルな宴会
花知さんの家出騒動も一件落着、松江の家族はひと安心。ご近所さんも松本そば店に集まり、花村夫妻と花知さんを囲んで
宴会が始まった。「一声かければすぐ集まる」やたら宴会好きの人々である(笑)。
忠さんは、宍道湖汽水湖(海水と淡水が入り混じる湖)であることに例えて「これからは、松江と京都もお互いを認め、
混じり合って豊かな関係を作っていこう。この宍道湖のようにのう!」と結んだ。
・・・うまいこと言うね、お父ちゃん(笑)。
・診療所リサイタル
のぞみちゃんは自分の暴走ぶりを反省。康太さんも自分は何も力になれない、と言うが
「違う!」とのぞみちゃん。「康太さんは、いつもそばに居てくれんとあかん。絶対、離れんといてな」。京都弁の
女子(おなご)はんにそない言われたら、大抵の男性はメロメロですがな(笑)。
花村夫妻はフェリーに乗って、知夫里島へ。石橋診療所の前に、俊くんが来ていた。「先輩の命令には逆らえないっス」。
診療所から、めぐみちゃんの歌声が聞こえる・・・島の人を集めて、絶賛ライブ開催中だった。隣の西ノ島に嫁いだ
直ちゃん(寺田有希)も、息子を連れて来ている。
・しあわせ一杯のシジミ
めぐみ・のぞみ・康太・俊・石橋―シジミジルクインテットは、知夫の赤壁に立った。
「発表!」石橋さんが急に叫ぶ。それを受けて、めぐみちゃんが「実は・・・私、“おめでた”だが」と宣言。
それを聞いたのぞみちゃんも「病院には行ってないけど・・・多分」妊娠の兆候があるというのだ。
「後で正確に検査するけんね」そうだ、石橋診療所がすぐそこにあるんだった(笑)。
「予定日は8月16日なんだ」と石橋さん。姉妹は「おんなじ日に生まれるやろか」「双子みたいに似ちょるかね」と言う。
双子が2組生まれるかも知れんぞ(汗)。
そして5人は「いのちの歌」を熱唱するのであった―命の絆への感謝をこめて。
生まれてきてくれて、だんだん。あなたに出会えて、だんだん。命の糸は継がれていく。縁の糸は続いていく。
そしてエンディングの「ふたごでバンザイ!」最終回を飾ったのは「茉奈さん・佳奈さん」。お疲れ様でした!
・たじまめぐみは「なかじまめぐみ」になれなかったけど
さて。このドラマの反省。
やはり「イケメン不足」は否めなかったな。石橋さんは途中からヘタレ化したし、康太くんは最初がフラレキャラなんで。
そしてマナカナは・・・女優としての芸歴が長い分、「歌手・茉奈佳奈」に求められるハードルがかなり高かった。
某宇宙移民船団SFアニメの“銀河的歌姫”のような「デビューしたての素人が成長し、臨界点を超える」という
劇的な展開は見られなかったものの・・・歌手として合格点だと思います。さすが「歌スタ!!」(日本テレビ系)で
“よろしく札”の上がったアーティスト。
・朝からふざけよう!
さて。次週からはAK(NHK東京)制作朝ドラ「つばさ」が始まる。
埼玉県の“小江戸”と呼ばれる川越市を舞台に、二十歳のヒロインが家族再生のために戦う。
「だんだん」よりも笑わせてくれそうな作品。「だんだん」は笑いの要素が不足していた感があるので。