スキヤキとギター

今週のNHK連続テレビ小説「だんだん」
・親の死に目に会えない覚悟
SJ@シジミジル/SWEET JUNOの“一番のファン”を自認していた“毒舌老女”薮田さん(西岡慶子)。
その訃報を聞いて、めぐみちゃん(三倉茉奈)のぞみちゃん(三倉佳奈)が「琥珀苑」に駆け付けることが出来たのは、
アルバムCDのレコーディングが終わり、葬儀の翌日になってからだった。
薮田さんの“相方”須賀さん(正司花江)は泣き崩れる。涙ながらに謝る双子に、須賀さんは「薮田さんが入院中に
娘時代の着物の生地で縫っていた」という可愛い巾着袋を渡した。
袋の中には、SJへの激励の手紙が入っていた―シジミジルの「上を向いて歩こう」をまた聞きたい、とも書いてあった。
それを読んだめぐみちゃんは、ますます後悔の念にさいなまれるのであった。
「だんだん」の裏テーマ
憔悴しきっているめぐみちゃんの携帯電話に、康太くん(久保山知洋)からの電話がかかってきた。
SJ解散後もスタジオミュージシャンをしている俊くん(東島悠起)から薮田さんの逝去を報告され、
心配して電話をくれたのだ。
「薮田さんは“生き切った”んだが」。TVで見たホスピスの看護師さんの言葉を借りて、めぐみちゃんを励ます康太くん。
この「だんだん」のもう一つのテーマが「終末医療」「老人介護」という“臨終の生き方”。それを痛感する展開だ。
めぐみちゃんは「歌っとっても楽しない・・・」と、苦しい胸の内を漏らした。
・双子でも方向性は違う
それを聞いていたのぞみちゃんは、めぐみちゃんを問い詰める。人気も出てるしCDも売れてるし、何の不満があるのかと。
「SWEET JUNOの歌は、ホンマの歌やないっていうの?」そういうことです。
本来は「シジミジルのめぐみ」としての歌を歌いたいのに、アイドルの「SWEET JUNOのMEGUMI」であることを
強要されている。
体の一部・声の一部と化していたギターを取り上げられたことも、大きなダメージになっている。
・ちゃんとチェックしとけ
悲しんでばかりも居られない。SWEET JUNOはすぐさま仕事に復帰し、今日はラジオの生放送に出演。
リスナーからのリクエストハガキは「上を向いて歩こう」。投稿者の「亡くなったおばあちゃんが大好きだった曲です」
という文面を読んでいるうち、涙で詰まってしまうめぐみちゃん。
のぞみちゃんが「めぐみはおばあちゃん子なので、こういう話に弱いんです」とフォローして切り抜ける。
採用するハガキを事前にチェックしていなかった、と石橋さん(山口翔悟)は詫びる。
ところで。SWEET JUNOの「上を向いて歩こう」を聴いて、フレンチポップスのバンド「スール・プリュー」が歌った
「スキヤキ」(フランス語版『上を向いて歩こう』)のアレンジに似ているな、と思った。
・当時から産科医不足
その後、河原町「ワイルドダック」。ひとり飲んでいる石橋さんの所に、またも後藤先生(伊武雅刀)が現れた。
先生は大学病院を定年後、松江の病院に勤務することになったという。石橋さんの故郷・知夫里島にも医師を
派遣している病院だ。
「めぐみとのぞみは元気か」と後藤先生に訊かれて、答えに詰まる石橋さんであった。
・不協和音
ファーストアルバムは売上ヒットチャート1位になる絶好調ぶりを見せ、SWEET JUNOの人気はさらに加速する。
しかし。売れれば売れるほど、めぐみちゃんの中で「自分の歌はこれでいいのか?」という疑問も加速する。
その結果、のぞみちゃんとの間に溝ができてしまう。歌っている時もハーモニーがずれて、
バラバラになってしまった。
衣川先生(森公美子)はレッスン中にそれを見抜き、
「次回のレッスンは、二人が仲直りしてからにしてちょうだい!」怒って帰ってしまった。
・大事な日の前はすき焼きで
姉妹がマンションに帰って来ると、玄関前で康太くんと俊くんが待っていた。石橋さんも一緒だ。
そしてその手には、すき焼きの食材が・・・?
この日は2003年8月16日―忙しさの中で本人たちも忘れていたようだが、双子の21歳の誕生日である。
久しぶりにシジミジルが5人揃って、すき焼きパーティーでお祝い。
「お酒・・・飲んでいいかね」とめぐみちゃん。石橋さんは「歌手をやめたいならね」と答える。
その時に「やめたいと思ってる」ことに気づくべきだったな(謎)。
・曲は既にサントラ使用
と、めぐみちゃんの携帯に着信が。松江の田島家からである。
「誕生日おめでとう」家族からの電話に、元気を取り戻すめぐみちゃん。
思い立ってギターを手に取り、電話に向かってシジミジルの仲間と一緒に歌いだした。その中でめぐみちゃんは
心をこめて歌える「自分の歌いたかった歌」を思い出す。
そこで。「シジミジルのみんなで、オリジナル曲を作らないか」と石橋さんが提案した。
テーマは“命”。離れ離れの人生だった双子が知り合えた奇跡、育ててくれた親への感謝。それを歌にするのだ。
康太くんはSWEET JUNOの付き人として、仕事に帯同しながら曲作り。忙しい合間をぬって「いのちの歌」が出来上がった。
・アイ$マスターの仕事
その「いのちの歌」を竹中部長(円広志)に聴かせてみると・・・
「ええ歌やないか」。ほめてくれた。が、返す刀で「けどコレはアカン」とダメ出し。
「コレはSWEET JUNOの歌やない。シジミジルの歌や」。なるほどね。
竹中部長曰く「SWEET JUNOの魅力は『双子のハーモニー』と『懐メロのカバー』や。オリジナル曲を出すのはまだ早すぎる」。
というわけで。コンサートツアーで「いのちの歌」を歌う許可は出なかった。
「アーティストがわがまま言わんようにするのも、マネージャーの仕事やぞ」。石橋さんもこの歌に思い入れがあるだけに、
今回は板挟みどころではない苦悩だ。
・不満度90%超え
石橋さんはレッスンの後、めぐみちゃんだけを居残りさせた。そしてコンサートのアンコールで「いのちの歌」を
歌う許可が出なかったことを告げる。
「納得いきません」めぐみちゃんも譲れない。
石橋さんは「いのちの歌」に対する思いを語った―高校生の頃、島の医者だった父親が過労死した時のこと。
その何年か前に、母親が誰にも看取られること無く死んでいたこと。人の命が、はかないものであること。
石橋さんとしても「いのちの歌」を歌わせたいのだが、会社の方針である以上仕方ない。
めぐみちゃんにとっての“本当の歌”であった「いのちの歌」―つまりはシジミジルが歌う歌―を否定されたショックが、
時限爆弾となってセットされてしまった。
・ワテは「節ちゃんの母」説支持
ちなみに一部では「琥珀苑の高林さん=石橋の母親」説が出ていたそうだが。2週目の放送分(でしたっけ?)で
「一緒に暮らしている母親とは別に“産みの母”が居る」ことにショックを受けためぐみちゃんに
「僕の母親は僕が中学生の時に亡くなったので、“お母さんが2人居る”めぐみちゃんが羨ましい」と言うシーンが
あったような。
・双子であること以外は秘密?
秋。大阪市民大ホールで、全国ツアーの幕が開いた。
松江の田島家の皆さんや、真喜子@花雪さん(石田ひかり)も招待し、双子の晴れ舞台が始まった。
ふと思ったのですが。SWEET JUNOのファンにも“めぐみ派”と“のぞみ派”が居るんだろうか(笑)。
歌の合間のトークで、二人がそれぞれの生い立ち―“松江の高校生”と“祇園の舞妓”として再会したこと―を語ると
客席がざわめいていた。このあたりはファンに秘匿されていたのだろうか。
・この命にありがとう
そして全ての曲目を歌い終え、のぞみちゃんは舞台袖に向かう。しかし、めぐみちゃんは動かない。
「わたしたちSWEET JUNOは」めぐみちゃんが声を発した。「今日限りで解散します!」
何いぃぃぃっ!突然の解散宣言!
しかし何故か、石橋さんに(スタッフにも)慌てる様子は無い。康太くん俊くんにタンバリンとギターを用意するよう命じ、
スタッフもマイクスタンドの準備を始める。あまりにも用意周到だ(笑)。
「私たちの原点は、松江の路上ライブでした」めぐみちゃんもいつの間にか私服に着替え、シジミジルの頃の姿に変身。
康太くんと俊くんの伴奏で、「いのちの歌」を歌い始めた。
のぞみちゃんは舞台袖から3人を呆然と見ていたが、途中からその輪に加わって歌う―まるで松江城ライブの時のように。
入魂の「いのちの歌」に、観客は感動の涙を惜しまず流した。
・空中分解
コンサート終了後。康太くん俊くんは「石橋さんからギターとタンバリンを持参するよう言われた」と話した。
めぐみちゃん含め3人とも、この突発ゲリラライブの計画は無かったと主張。石橋さんの独断だったのだ。
怒り心頭ののぞみちゃんの表情が恐ろしすぎ(汗)。
結局、めぐみちゃんは耐えられなかった。芸能人の人気なんて1年で終わりなんですから。
我慢すればよかったのに・・・。
しかし。今のめぐみちゃんに、そんなことを考える余裕は無い。
・現実的な後始末
人気絶頂で解散を宣言したSWEET JUNOに、週刊誌やワイドショーなどマスコミが翌日から取材攻勢をかけてきた。
姉妹は大阪のアパートから、祇園に一時避難。石橋さんは双子の保護者の一人である花雪さんも交えて、
今後のサリーミュージックとの契約について話し合う。
双子姉妹はこれまでに出したCDの版権を放棄、版権はサリーミュージックに帰属。
コンサートツアーの初日で解散を宣言しても、めぐみちゃんは解放されるわけではない。
契約不履行で訴えられてもおかしくない状況。
今後コンサートツアーは「解散コンサート」に改められ、開催も5回ほど増えることになった。
「やめたい」と思う気持ちとは裏腹に、人気絶頂でやめることでますます人気が加速するという皮肉な結果になった。
かつて「普通の女の子に戻りたい」と言って解散したキャンディーズのような末路である。
・何を言い出すのか
解散後の身の振り方について、石橋さんは「祇園に戻ったらどうかな」と、のぞみちゃんに提案。
「いやです」そりゃそうだ。そう簡単に戻れるもんでもないし、戻りたくもないだろう。
「私には歌しか無い、て言わはったやないですか」。学生(高校生)になる、という選択肢は無いのか。
というわけで。のぞみちゃんはソロ歌手として引き続き活動できるよう契約を続行。
そして石橋さんは、SWEET JUNO解散の後始末が終わったらサリーミュージックを辞めるという。
会社の方針に背いて「いのちの歌」を世に出した代償は、予想以上に大きいものになるのだった・・・。
次週、花雪さんがIT長者とお見合い!?
・今週の土曜スタパ
土曜スタジオパーク」に、石橋友也役の山口翔悟さんが生出演。
「だんだん」でのこれまでの名場面「石橋語録」を振り返る。
ファン投票1位は「泣いている女の子には、チョコレートをあげるか抱きしめるか。どっちかなんだよ」。
先述の第2週、松江城で泣いているめぐみちゃんを抱きしめるシーン。初期の頃のめぐみちゃんのツンデレっぷりが
可愛いくてしょうがない(笑)。
また、名古屋に住む山口さんの家族からのビデオレターも紹介。たまには名古屋に帰ってあげてください。
最近愛知出身のイケメン俳優って多いですね。玉木宏さんとか山本裕典くんとか。