悲しみの誕生日

今週のNHK連続テレビ小説「だんだん」。この日は見られなかったので、後で見ました。
世襲制
2001年8月初め。のぞみ@夢花さん(三倉佳奈)は、松江のめぐみちゃん(三倉茉奈)の実家に滞在中。
石井酒造でアルバイトを続ける弟・健太郎くん(木咲直人)は、のぞみちゃんに将来の進路を訊かれて
「のぞみさんは、なんで舞妓になったかね?」と逆に質問する。
芸妓の母親を見て舞妓になったのぞみちゃんと、シジミ漁師である祖父や父親を見て(漠然と「自分も同じ仕事に
就くのだろう」と思いながら)育った健太郎くん。この姉弟、似たような境遇ではある。
しかし。この質問が、後々のぞみちゃん自身の疑問にもなるのであった。
ちなみに。健太郎くんの部屋に“楽天カラー”じゃなかった頃のヴィッセル神戸のタオルがあった(笑)。
シジミだけじゃない
のぞみちゃんは田島家の漁具小屋に居た忠さん(吉田栄作)に話しかけた。束の間の父娘の交流である。
忠さんは「宍道湖七珍」について話し始めた。宍道湖の七つの名物は「すもうあしこし」と四股を踏む。

す:スズキ
も:モロゲエビ
う:ウナギ
あ:アマサギ
し:白魚
こ:鯉
し:シジミ

の七つ。どれも美味そうですね。
のぞみちゃんは忠さんに、来年には襟替えをして芸妓になることを告げた。しかし悩みは「『黒髪』が舞われへんのどす」。
そこへ、嘉子お母さん(鈴木砂羽)がやって来た。怪しいスカウトこと石橋さん(山口翔悟)が訪ねて来たというのだ。
・掴みかけた・・・
ライブハウス「ワイルドダック」に続き、忠さんと2度目の“直接対決”となる石橋さん。どうしても双子をデビューさせたい、
と説得にかかる。
相変わらず、忠さんは二人の父親として歌手デビューに賛成しない方針。
しかし。石橋さんも負けてはいない。かつて忠さんがプロボクサーとして「世界チャンピオンを狙える器」でありながら
夢を諦めた過去を引き合いに出し「チャレンジしないまま人生が過ぎていく悔しさ」を知って居る筈だ、と詰め寄る。
「チャンスはそう何度もめぐって来ない」と言い残し、石橋さんは帰って行った。
・グッズ商品化されないかな
翌日は姉妹が京都に帰る日。初枝おばあちゃん(三林京子)は、お手製の勾玉(まがたま)の携帯ストラップをプレゼントした。
のぞみちゃんにはピンク系の石、めぐみちゃんにはグリーンの石と、色違いのペアである。
「勾玉を持っとったら、願いが叶う。恋愛も成就する」とおばあちゃん。
のぞみちゃんは「恋愛」という言葉に、敏感に反応するのであった。
・北風と太陽
京都に戻った双子は、それぞれ老人ホームのボランティアと舞の稽古を再開する。
のぞみちゃんは宍道湖の一件以来、石橋さんのことをもっと知りたいと思うようになっていた。
が。彼女の質問攻めに対し、石橋さんは何も答えてはくれない。“謎の人”状態である。
恋に悩んで色気づいてきたのぞみ@夢花さんを見て、久乃さん(藤村志保)は
「芸妓になる時期を早めよう」と思うようになる。
しかし、石橋さんからは「デビューするなら舞妓のうちに」と言われている―夢花さんの心は揺れるのであった。
・本当の恐ろしさ
8月16日、石橋さんとシジミジルの仲間がワイルドダックでめぐみちゃんの誕生日パーティーを開催することになった。
めぐみちゃんは、その日もお座敷に行くのぞみちゃんに悪いからと断ろうとする。
が「ウチに遠慮せんかてええんどす」と、のぞみちゃんは意に介さず。誕生祝いに行くよう、めぐみちゃんに勧める。
しかし内心ははらわた煮えくり返ってるのがバレバレ。恐るべし京都の女。
・手を引くように
一方その頃、サリーミュージックでは大変なことが起こっていた。
相変わらず、雅堂との契約は保留のまま。このままでは本当に契約打ち切りになり、大損害を被ってしまう。
そんな中、竹中部長(円広志)は石橋さんに福岡の新事務所への転勤を命じた―事実上の左遷である。
・鍵を握る男
8月16日。双子は19歳の誕生日を迎えた。そういえば双子の姉妹が再会して、ちょうど1年である。
「花むら」の茶の間で朝食中、京都医大の後藤先生(伊武雅刀)が上がりこんで来た。
「あの・・・?」めぐみちゃんとしては「誰?」てな感じで呆然とする。そらそうだ(笑)。
自分とのぞみちゃんを取り上げたお医者様だと教えられ「その節はお世話になりました」と恐縮。
・めぐみの「M」
夜。めぐみちゃんとシジミジルの康太くん(久保山知洋)、俊くん(東島悠起)、それに俊くんと
付き合っているというイーリンちゃん(チェン・チュー)が、ワイルドダックに集まった。
が。石橋さんがなかなか来ない。ようやく現れた時には、すでに泥酔状態だった。
しばらくして正気を取り戻した石橋さんは、転勤することを打ち明けた。
転勤してしまえば、双子やシジミジルをデビューさせる世話は出来なくなる。振り回された康太&俊がかわいそう過ぎるぞ(笑)。
・以前は産婦人科医役
「石橋さんにとって、音楽って何かね」めぐみちゃんに問い詰められ、石橋さんは自分の過去を話し始めた。
彼は芸能事務所に入る前、医者の卵だったという。父親もやはり医者で、島根の故郷・知夫里島の病院を継ぐつもりで居たが
その父親があっけなく過労死してしまい、「医者に出来ること」の限界を感じて失望したという。
・キセキノオト
そして「人間の心の音」を聴く仕事がしたい、と音楽の道に進み、本当に人を勇気づける歌を探してきたのだ。
前年の松江城ライブで双子の「赤いスイートピー」を聴いた時「やっと見つけた・・・!」と言ったのは、そういうことだったのだ。
ちなみに。石橋さんがめぐみちゃんに持ってきたプレゼントの中身は、箱型のオルゴール。流れてくる曲はプリンセスプリンセスの「M」。
いろんな意味がありそうだな。
・悲恋の遺伝
帰宅後。めぐみちゃんは“衝撃の誕生日”の一部始終を、のぞみちゃんに報告した。
「何でも話してくれるんどすな・・・めぐみには」石橋さんのことを知りたいのに、自分には何も教えてくれなかった。
のぞみちゃんの嫉妬が、静かに爆発する。「黒髪」の稽古中、のぞみ@夢花さんの目には思わず涙があふれてくるのであった。
そんな夢花さんを見て、真喜子@花雪さん(石田ひかり)は姉さん(先輩芸妓)として、また母として心を痛める。
かつて忠さんと「許されぬ恋」に走った若かりし自分の姿を、少し思い出しながら。
・思いの丈を
めぐみちゃんは康太くんから「石橋さんが行ってしまう」ことを知らされ、のぞみちゃんにも報告。
しかし。のぞみちゃんは「うちは芸妓になるんどす」と、恋を封印する覚悟。
めぐみちゃんはギター持参でワイルドダックへ。そして石橋さんのために「M」を熱唱!
自分も石橋さんのことが好き、とめぐみちゃんは己の思いに気づくのであった。
次週、それぞれの“縁の糸”は切れてしまうのか?とりあえずシジミジルを何とかしてやれ(それかい)。