ふと顧(かえり)みる

NHKスペシャル枠「番組たまご」。今夜の番組は「アレ今どうなった?」。
かつて世間を震撼させた事件や、世の中で流行した物の「その後」に目を向けてみるというもの
http://www.nhk.or.jp/tamago/program/20080731_doc.html)。
浜の真砂は尽きるとも、世に事件のネタは尽きまじ。どんどん凶悪事件が起きている中、忘れられた事件を振り返る。
・世の中は理不尽
2005年に発覚した、一連の「マンション耐震強度偽装事件」。せっかく購入したマンションに住めなくなり、
住民の代表として裁判で戦った男性のその後を追う。家庭生活を犠牲にした結果、奥さんと離婚。子供たちとも離れてしまった。
手に入れたマイホームが、家庭崩壊のきっかけになるなんてひどすぎる(泣)。
もう一つは「白骨温泉偽装事件」。秘湯ブームで人気の出た白骨温泉だったが、訪れた客から
「(ポスターなどと違って)お湯が白くない」と理不尽なクレームをつけられた。それをきっかけに、
温泉旅館で「温泉の素」を入れて着色していた・・・というのだ。
それ以来、宿泊客も減っていたが・・・再建に向けて頑張っているという。
・泡が邪魔っていうな
また事件だけでなく「話題になった物」の追跡調査VTRも。1970年の大阪万博三洋電機が発表した「人間洗濯機・
ウルトラソニックバス」の、その後が紹介されていた。
「人間洗濯機」は、当時の三洋電機の社長の“万博にインパクトのある出し物を”という号令で開発されたのだそうで。
超音波の泡が出るお風呂で、人間の体を「丸ごと洗濯」するというもの。今でいうジェットバスの
原型にあたるのか?気持ち良さそうである
(男性の皆さんは、浴槽の性能よりも「水着姿になって入浴する、世界の美女たち」ばかり
見ていたようだが^_^;)。
SANYOミュージアムに模型が展示されている他、食玩タイムスリップグリコ大阪万博編」でもフィギュア化された。
・洗濯機のSANYOですから
万博の後、人間洗濯機は(一応)商品化され、2台売れたのだが・・・「髪の毛が排水口に詰まった」などの故障が続発、
社員の皆さんは新規販売よりも修理に追われていたという。やがて人間洗濯機は、生産を終了した。
後年。その人間洗濯機を「復活させよう」というプロジェクトが、当時の社長の提案で始動した。
三洋電機に在籍する、難病のため車椅子生活を余儀なくされた社員・春山さんの協力により研究が再開。
車椅子専用の入浴装置として、新しい「人間洗濯機」が出来た。
・絶賛稼働中
これも「高機能収納式介護浴槽『hirb』」として商品化が実現し、全国の介護施設に納入されているという。
従来の障害者用浴槽と違って「車椅子に乗ったまま、お湯につかることができる」「介助者の負担が軽減される」
と、お世話「する側」の人にも「される側」の人にも優しいのだ。
しかも洗濯機のスペシャリストらしく、本体が「収納すると、家庭用洗濯機と同じ面積に納まる」というコンパクトさ。
そりゃいいな。老後もこれで安心だ。あとは介護ロボットがあれば。