サカタのタネの「たね明かし」

朝の株式ニュース「オープニングベル」(テレビ東京系)金曜日の「ザ・トップライン」今週ご登場いただく企業トップは
サカタのタネ・坂田宏社長。
・ハマの優良企業
横浜市に本社を構え、野菜や花卉(かき)の種を研究・開発しているサカタのタネ。農家向けからガーデニングまで、種苗業界では
「東のサカタ、西のタキイ(タキイ種苗)」が2大勢力である。
安くて美味な「アンデスメロン」はサカタの開発した品種。「アンデス」は「安心です」の略である・・・というのは有名な薀蓄。
・味が落ちたといわれる理由
突然変異のない、安定した品質の野菜ができる「F1(一代雑種)」の種を農家に供給するのも、サカタのタネなど種苗会社のお仕事。
この日記でも度々ネタにする「杉本師匠に聞く『極うま野菜』の選び方」(竹書房まんがくらぶオリジナル」連載)では
悪者扱いされている、あのF1品種だ。
中学の生物の教科書にあった「遺伝の法則」により、様々な特徴を持つ品種を交配して
「味=○」「色・模様=○」「形・大きさ=○」「丈夫さ(病害虫に強い)=○」に近い遺伝要素が出る品種を作り出す。
従来品種で「味=◎」というのがあっても「形・大きさ=×」だと売れない。で、作る人も減って淘汰される傾向にある。
こうして「全部○」という無難さが売りのF1品種が増えていった・・・というわけだ。
・儲かる理由
実った作物には普通、種ができる。その種をとって育てればいい、と思いそうなものだが・・・
その種から出来る作物は、必ず「親とまったく同じもの」ができるとは限らない。100%コピーは無理なのだ。
てなわけで、農家の人は毎年「同じ品質の野菜」を作るため、新しい種を購入してくれる。これがF1野菜全盛の理由だ。
・いいとこどりは出来る
そのF1品種を開発する側にも、暗中模索の苦労はあったわけで。その結果、「安定供給」の理想は叶ったものの
やむを得ず「自然の風味」は犠牲にされた。
今後は更に、全てのパラメーターを「◎」に近づける研究をしていただきたく。
・可及的すみやかに
また、世界的な食糧危機が叫ばれる中、サカタのタネは「厳しい気候条件の中でも育つ野菜」の品種改良にも取り組む方針とのこと。
飢餓を救うには、まず安定供給からだな。
ちなみに同社は「遺伝子組み換え作物の分野に進出する予定はない」そうで。あくまで「交配」にこだわるのだ。
・世界にひとつ以上の花
サカタのタネは世界各地に拠点を持ち、研究開発や販売を進めている―現地の種苗会社を買収して、そこに根を下ろすこともある。
いろんな品種の技術や特許を培ってきた分、会社ごと買収されるリスクもそれなりにある。ガーデニング愛好家を中心に
個人株主の種を撒いて、マネーゲームの虫や世界の大手に食われないよう備えている(カゴメと似たような感じ?)。