箸!はし!ハシ!

はてなダイアリーきっての“超・茶番ブログ”がお送りするレビュー・・・今週のNHK連続テレビ小説ちりとてちん」。
・安酒に肝臓を壊(いわ)して
「嘘つき!B子のせいで、私の人生めちゃくちゃや!」と言うA子@清海ちゃん(佐藤めぐみ)。
7年前。東京のニュース番組から声がかかり、行くかどうか悩んでいたとき・・・B子@喜代美ちゃん(貫地谷しほり)に
「草々さんが好き」と言われ、三角関係発生。B子ちゃんに草々兄さん(青木崇高)を譲るような形で、東京に出た。
そして東京の番組は半年で打ち切り。その後は鳴かず飛ばず、本来の夢であった「報道関連の仕事」にも就けず。
居酒屋「寝床」の咲さん(田実陽子)の推測では「人生で初めてザコ扱いされる」という挫折を味わった・・・らしいが
(咲さん、途中で自分の挫折体験に話がすりかわってるし)。
・人生は後悔の繰り返し
塗り箸工場を継ぐため、結婚して婿養子を取るように言われているA子ちゃん。お見合いの前に、「心に決めた男性」として
思いついたのが草々兄さんだった―それで、ひと目会いに来たってわけか。
その場所で“落語家兼おかみさん”として、拙いながらも充実した日々を送る若狭@B子ちゃんを見て、A子ちゃんは
ますます傷つくのであった。
7年前、あの日あの時。東京に行くのをやめていれば、草々さんと別れていなければ・・・私は不幸にならずに済んだ、と。
A子ちゃんの本心を知り、衝撃を受けるB子ちゃんであった。
・人のせいにするのか
しかし。それでどうなるわけでもない。B子ちゃんの落語家人生は、落語の神様に仕組まれたもの・・・もとい。彼女にとって、
「誰にも譲れないもの」だったわけで。
そして。果たしてA子ちゃんが不幸になったのは、B子ちゃんのせいなのか?逆境に放り出されたとき、彼女が力を
発揮できなかったのは・・・苦労らしい苦労をしないままで大人になったからではなかったのか。
彼女の苦労する様子を見てみたい、とも思ったが・・・それじゃあA子ちゃんが「朝ドラヒロイン」っぽくなっちゃうしなあ(笑)。
つーか。一番悪いのは、箸工場を継がなかった友春兄ちゃん(友井雄亮)やろ(笑)。
・その「はい」はホンマなのか??
新弟子の“鉄砲勇助”こと木曽山くん(辻本祐樹)が、両親を説得して(?)弟子入りを許可され、戻って来た。
ただし得意の虚言癖は、相変わらず(^_^;)。
そんな中。天狗芸能から、若狭ちゃんに仕事の依頼が来た。彼女の故郷・小浜市で開催される落語会に出演して
欲しいというのだ。
A子ちゃんのことが気になりつつ、若狭ちゃんは出演を引き受ける。そして単身、小浜の実家に里帰りするのだった。
・お宝発見!?
そのB子ちゃんの実家では、父・正典さん(松重豊)の工房で弟・正平くん(橋本淳)が塗箸作りをしていた。
もとから手先が器用な正平くん、初心者とは思えぬ出来栄え。こうなると周囲の「塗り箸職人の道を継げる」という
期待も高まる。
ある日。塗り箸工場の社長・秀臣さん(川平慈英)が和田塗箸店にやって来た。そして正平くんの作った箸を眺めて
「あの時と同じだ」と呟き、去っていく。
それを知った小次郎叔父ちゃん(京本政樹)、「この箸はきっと高額で売れる!」と大興奮。ホンマかいな(^_^;)。
叔父ちゃんは、箸を京都の道具屋に売り込むことに。このあたり、落語「はてなの茶碗」がモチーフになっているそうで。
・もうひとつの和田家のこと
最近(世の中の不景気もあって)塗り箸工場の経営は傾いているらしい。A子ちゃんの母・静さん(生稲晃子)も入院中。
その静さんを見舞った若狭ちゃんは、幼い頃のA子ちゃんの話を聞く。「同じ名前の子が転校してきた、とすごく喜んでいた」
ことをはじめ、高校を出るまでB子ちゃんのことが大好きだったという話だった。
自分はA子ちゃんの何を見てきたのだろう。そして「A子とわかりあいたい」と願うのだが・・・順ちゃん(宮嶋麻衣)は
「やめとき!」と忠告。今のA子ちゃんに何を言っても無駄、ってことですか。
・エエ子のA子、ビービー泣くB子
これからA子ちゃんがお見合いに行くと聞いて、若狭ちゃんは居ても立っても居られず箸工場に行く。
「子供の頃から『ええ子ちゃんのA子』というイメージに縛られて、辛かった」と打ち明けるA子ちゃん。
東京に行くのを決めたのも、そこから逃れたいという気持ちがあったからだった。お見合いを決めたのも、親の期待に応えるため。
そしてドラマのお約束―その話を父・秀臣さんが部屋の外で偶然に聞いてしまった!
秀臣さんはA子ちゃんの気持ちを考え、お見合い話を断る。そして秀臣さんは、箸工場を畳もうと考えていた・・・!
・呪いのアイテム
A子ちゃんは若狭ちゃんがかつて捨てた「水晶のペンダント」―高校生の頃、恐竜の化石と交換したアレです―を、拾って持っていた。
そしてそれを、若狭ちゃんに返した。どうしても戻って来るらしい・・・。
箸工場から戻り、順ちゃんにそのことを話すと「『恐竜の化石』の“発見者”にされたことで、A子は嘘をつき続ける羽目になった。
その辛さを考えたことがあるのか」とたしなめられる。
・アホぼん&A子はクォーター
その夜。若狭ちゃんの実家に、A子ちゃんが訪ねてきた。秀臣さんが居なくなったというのだ。
それを聞いた小梅婆ちゃん(江波杏子)、「こっちへ来なれ」と正典さんの箸工房へ直行。すると案の定、秀臣さんはそこに居た!
かつて、正太郎爺ちゃん(米倉斉加年)に弟子入りしたものの・・・「塗り箸職人では生活できない」と、修行をやめて
出て行ってしまった秀臣さん。その生い立ちを語り始めた。
秀臣さんは外国人(どこの国かは明言されなかったが)の父と日本人の母の間に生まれ、ナイフとフォークを使って育った。
やがて両親は離婚。母は新しい家庭を持ったが、秀臣さんは馴染めなかった。箸が使えれば、日本の家庭の一員になれると思った。
−「人間になりたがったボンバーマンみたいだな」
−「わけのわからん例えをするな!」
いろんな箸を使ってみたところ・・・手に一番馴染んだのが、若狭塗箸だった。彼にとって「箸」は、家族の象徴だった。
そして箸職人として修行をしていた頃。当時中学生だった正典さんが箸工房に来て、遊びで箸を作り始めた。
その出来栄えは、秀臣さんが作るものとは全然違った。先代、先々代から脈々と受け継がれているものがあった。
正平くんの塗箸を見たとき「あの時と同じだ」と言ったのには、そんな理由があったのだ
(後ろで小次郎おじちゃんが落胆していた。『お宝』というわけではなかったのだ)。
・父と子、それ以上
努力だけではどうにもならない境地―秀臣さんは師の下を去ることにした。そして妻・静さんの実家の事業を拡張して
箸工場を設立。工場で箸を作り、全国にアピールすることで「伝統を伝えていく」という仕事をしてきたのだ。
若狭ちゃんは「鴻池の犬事件(草々兄さんの破門騒動)」で「ちっとは親の気持ち考えい!」と言って草若師匠が
草々兄さんをしばいたことを思い出し、正太郎爺ちゃんもまた「秀臣さんが他人行儀だったことを悲しんでいた」と指摘。
自分の子供のように愛情を注ぎ、可愛がっていた筈なのに。だからこそ傷ついた、と小梅婆ちゃんも涙したのであった。
長年のわだかまりが解けた夜でありました。
・間違ってはいない
さて。もう一組、わだかまっている親子が―正典さんと正平くんである。
「やっぱり、塗箸は継げん」。
本当は恐竜の研究家になりたい。その夢を、諦めきれずに居た。
アメリカの大学に留学させてもらえるほど、和田家に経済的余裕があるわけではない。
お父ちゃんに言ってどうなるもんでもないけど・・・言わないのも水くさいわけで。親の期待との板ばさみで、悩み続けていた。
外見が小次郎おじちゃんっぽくなっても。正平くんの内面に塗り重ねられた真面目な部分は、変わることはなかった。
いろんな人が和解する一方で・・・肝心の若狭ちゃんは、A子ちゃんと仲直りできず。
・おかみさんの思い出がー(泣)
若狭ちゃんの留守中。徒然亭屋敷では、小草若兄さん(茂山宗彦)が両親のために立派な仏壇を購入。
小草若兄さんに居座られている四草兄さん(加藤虎ノ介)、「この仏壇に住めばいいのに」と呟く(笑)。
草々兄さんは木曽山くんに、愛用のスーツをクリーニングに出すよう命じる。クリーニング店に向かう木曽山くんを、
四草兄さんが呼び止め「俺やったら、ここでひと儲けする」という。
後日。若狭ちゃんが徒然亭屋敷に戻ると、草々兄さんがぶっ倒れていた。クリーニングから戻った草々兄さんの
「思い出の一張羅スーツ」が、何故かボロボロになってしまったという!!
木曽山くんは四草兄さんの入れ知恵により、スーツを洗濯機で洗ってクリーニング代を着服したのだ!
「ちょっと師匠に問い詰められたぐらいでホンマのこと言うて。何が鉄砲勇助や」表情一つ変えず、四草兄さんは呟く。
鉄砲勇助が平兵衛の“算段”に負けた・・・!リアルの落語より面白い対決だ(笑)。
・恐竜は成長し続ける
立ち直れない草々兄さんのもとに、草原兄さん(桂吉弥)と四草兄さんが新しいスーツを持ってやって来た。
弟子を取って師匠になるんだから、それに相応しい「身の丈に合った」服を着ろ・・・というわけだ。
思えば、あのスーツも草々兄さんが二十歳にもならん頃に作ったもの。その頃に比べたら、縦にも横にも成長している。
いつまでもおかみさんの思い出に甘えてないで、自立しろ!ってか。果たしてその算段が、四草兄さんにあったのかどうか
・・・は、定かでないが(笑)。
師匠が草々兄さんを愛したように。正太郎爺ちゃんが秀臣さんを愛したように。自分たちも木曽山くんに愛情を注ごう・・・と
決心する若狭ちゃん。しかし次週またしても、とんでもない事態が待ち受けている!!
・今週のおまけ
最近になって、某巨大掲示板群に「こんな『ちりとてちん』はイヤだ!」というスレッドを発見し、見るなり爆笑している。
その一例はこちら。他のドラマへのリスペクトが見受けられる。

  • B子が捨てた光る石のペンダントが、「風林火山」の摩利支天に化けている
  • 「ハゲタカ」のホライズン・インベストメントから出資を受けて、若狭塗箸製作所を乗っ取る正典
  • 秀臣が箸工場をやめ、東京に出て音楽プロデューサーに転身する
  • バラク・オバマ候補が突然大統領選挙を辞退して、徒然亭一門に弟子入りする
  • 創作落語だと思ったら、盗作落語だった

・・・皆さん、よう考えはりますな。