さらば愛しきカモカよ

いよいよ最終回を迎えたNHK連続テレビ小説芋たこなんきん」。
健次郎先生(國村隼)が喀血して倒れ、病院に担ぎ込まれた。
診断結果は悪性の腫瘍−肺がんだった。
体力面を考慮して手術はせず、放射線治療で進行を食い止める治療方針が決まった。
・梅酒ゼリーってのはあるが
町子さん(藤山直美)は本当の病名を告知すべきか迷ったが・・・純子さん(いしだあゆみ)は
「大先生と町子先生は、今までどんなことでも話し合って来られたじゃないですか」と告知を勧める。
健次郎先生も医者である。だから自分の病状には気付いていたのだろう。
放射線治療をすれば、食欲も減退する。ゼリーやプリンなど、のどごしのいい食物を勧められて
黒糖焼酎のゼリーって無いかな」と健次郎先生。
それいい!食べたい!いつか作ってみるか(笑)。
・リアルでも享年100
そんな中。町子さんのお母ちゃん(香山京子)が転んで足を捻挫し、妹・孝子さん(メイサツキ)や
弟・信夫くん(西興一朗)から同居を勧められるが「町子を一人にはできない」と拒否。
「年寄りはワガママなんです」とお母ちゃん。お母ちゃんも臨戦態勢である。
朝ドラのヒロインのお母さん(特に「実在の人物がモデル」の場合)って、
元気なおばあちゃん多いよなー。
・泣くだけ泣いて
徳永家の子供たちにも、父の病状と「完治することは無い」という事実が告げられた。
気丈に振舞う町子さんを見て「おばちゃんは強いから・・・」と由利子さん(邑野みあ)。
その町子おばちゃんの部屋に入ると・・・ゴミ箱の中に、涙を拭いたティッシュのゴミと
空き箱が2箱分積み上がっていた。
・似合ってますよ
健次郎先生の74歳の誕生日。外泊許可を取り、徳永家でパーティーが開かれる。
「シルクハットが似合う男になりたい」と言っていた健次郎先生に、本物のシルクハットが贈られた。
子供たちとその家族も集まり、久々に楽しい日を過ごす(この時点で、お孫さんも何人か居るようだ)。
・十七文字のラブレター
それから半年後。健次郎先生の病状は日に日に悪くなり、口数も少なくなってきた。
町子「健次郎さん、何か喋って。『町子、愛してるよ』とか」
健次郎「口に出して言えることと、言われへんことがあります〜」
・・・言われへんのか、それは。
しかし。健次郎先生はしんどい中、気力を振り絞って町子さんに言葉をかけた。
「かわいそに。ぼくは、あんたの味方やで」。
「川柳のつもり?」町子さんも苦笑い。自分がしんどいのに、町子さんを気遣う余裕あるんか。
・得避(さ)らぬ別れ
後日。健次郎先生は危篤状態になり、子供たちや晴子先生(田畑智子)も病室に駆けつけた。
そこで、末娘の亜紀ちゃん(寺田有希)が男の子を出産したという報告が。
数日後、健次郎先生は息を引き取った・・・。・゜・(ノД`)・゜・
以前「命って、神様からの預かりもんかも知れんな」「この世に“利子”を残していく事はできるんやね」
なんてセリフがあったが。神様から預かった命で、素晴らしい利子を残していった。
・生き続ける言葉
最愛のパートナーの死を悲しむ暇もなく、喪主挨拶の文面を考える町子さん。
こういう場でこそ、文筆家のセンスが問われるというものだ。
悩んでいる町子さんの耳に、懐かしい声が聞こえた。
「笑い取ってくれな困るで」。
健次郎先生の亡霊が現れ、語りかけてきた!まるで生前、いつも晩酌をしていたときのように。
「生きてるときに、大事な人にちゃんと言葉を残している人は、亡くなってからも喋れるんやね」
以前こんなセリフがあったが、まさにその通りだった。うーんスピリチュアル(笑)。
・可笑しかったら笑(わろ)うて下さい
池内先生(板尾創路)が弔辞を読み、参列者は故人の人柄を偲ぶ。
「中途半端と中途半端が2つ寄って、トータルしたら満タンやないか」という健次郎先生の
名言を紹介したときは、参列者も思わず笑ってしまうのであった。
喪主挨拶での町子さんの言葉は「“カモカのおっちゃん”のこと、忘れないで下さいね」。
故人の希望通り、明るく心のこもった葬儀となりました。
・さよならは言いません
夜。健次郎先生の遺影を前に、黒糖焼酎を飲む町子さん。
「生まれ変わっても、生まれ変わっても、生まれ変わっても!健次郎さんのこと見つけるからね。
そしたらまたプロポーズしてね。約束よ」
暫しの別れ。「ほな、健次郎さん・・・またね」いつかまた同じ世界で酒を酌み交わす、その日まで。
前作「純情きらり」に続き、またも最終回で夫婦の別れが来てしまいましたが・・・悲しみよりも明るさを。
こういう夫婦になりたいものです。
・これからもお元気で
ラストシーンは平成19年(2007年)春。齢を重ねた町子さんと純子さんが、仕事に出かけるところ。
「こんにちは」近所の御婦人役で、作者・田辺聖子先生が特別出演!
田辺先生の隣に居たもうひとりの御婦人は、リアル秘書(純子さんのモデル)の方かな?
最後の最後まで豪華キャストの「芋たこ」でありました。
・楽しませてもらいました
朝から笑いと涙をくれた「芋たこなんきん」が終わっちゃうのは寂しいなあ。
藤山直美さんの今後のご活躍にも期待(今度沢田研二さんと「春団治」の舞台公演をなさるそうで)。
生で彼女の舞台を見てみたい。