メメントモリ〜死を覚える

今週(というか先週)のNHK連続テレビ小説芋たこなんきん」。後からまとめて見ました。
・みんなに愛されていた
健次郎先生(國村隼)の亡き前妻・澄子さん(中井佳代)の命日が迫っている。
生前、小説家としての澄子さんに憧れていたという町子さん(藤山直美)は、近所の人も呼んで
自宅で法事をしたいと言い出した。
しかし、晴子先生(田畑智子)には「子供たちに母親を思い出させるのはかわいそう」と反対される。
子供たちに、というより・・・ご自分が寂しい思いをする、というのも理由の一つかも知れないが。
・良き母であり良き小説家
ご近所の皆さんは「後妻さんの前で、亡くなった奥さんの話をするのはどうかと・・・」と気を遣って
出席を遠慮しようとする。
いや、その後妻さん本人が「故人の思い出話をしたい」と言うてはるのに(^_^;)。
町子さんは「後妻」という意識(というか「こだわり」)がほとんど無い。
子供たちの「新しいお母ちゃん」になるつもりも無いので、無理をすることも無いのである。
何だかんだで法事は決行され、集まった人々は酒を酌み交わしながら故人を偲ぶのでした。
・乗り越えるべき悲しみ
法事を控えた頃。長男・清志くん(小倉悠聖)の様子がおかしくなった。「死ぬこと」を異様に怖がるのだ。
同じ学校の子供が交通事故で亡くなったことや、町子さんの「楽天乙女」の中に記された
「戦争でたくさんの人が死んだ」ことに影響されたのだ。
しかし。法事で母親を思い出すことによって「人は死んでも、決して孤独にはならない」と実感し
死の恐怖を克服したのだった。
・神様もワガママやな
命を粗末にする21世紀の子供たちも、これぐらい「死に対する『恐れ』と『畏れ』」を
持ってくれりゃあ・・・と思う、今日この頃。
死について考え、思い悩んだのは清志くんだけではなかった。健次郎先生と町子さんも考えた−
「命って、神様からの預かりもんかも知れんな。突然『返せ!』って言われたら、返さなアカンけど」。
「突然『返せ!』って言われて命を返しても、この世に“利子”を残していく事はできるんやね」。
うまい事言うねー、本当。