禍福はあざなえる縄の如し

今週のNHK連続テレビ小説芋たこなんきん」。
いい事と悪い事は常に表裏一体・・・というお話。
・客足が増えても
町子さん(藤山直美)は、関西地方の情報誌の取材を受け、関東煮「たこ芳」や映画館「みゆき館」など
行きつけのお店を紹介する。
それぞれに町子さんのファンが殺到し、大盛況に。客足の遠のいていた映画館主・大崎さん(櫻木健一)は
大喜びだったが・・・「たこ芳」は常連客が寄り付けなくなり、キレた酔っ払いに提灯を壊される始末。
自分のお気に入りの店は、あまり他人に言うもんでもないな・・・。
野戦病院か!?
喜八郎爺ちゃん(小島慶四郎)は、徳永病院の受付の金庫からお金を失敬して飲みに行っている。
公園に居るホームレスのおっさんたちと「意気投合した」と言っては、彼らに酒をおごる。
そんなおっさんたちの一人が体調を崩し、息子である健次郎先生(國村隼)に診察させた。
するとホームレス同士の口コミで「無料で診察してくれる病院」という評判が広まり、病院は連日盛況。
「診察代やったら、ワシが払うがな」
「ここ(病院の受付の金庫)から持って行くお金から払っても、意味ないでしょー!」
犬の子や猫の子を拾ってくるんじゃないんですから(笑)。
・見た目はメタルヒーロー
徳永家の三人息子は、テレビの特撮ヒーロー「ウルトライダー」に夢中。
雑誌「冒険少年」の編集者さんが(あくまでもご好意で)懸賞アイテムである「ウルトライダー・ビーム剣」を
プレゼントしてくれた。いいなー、有名人の特権(ぉぃ)。
その一方で。工藤酒店の息子・守くん(田中祥平)が、懸賞応募のために同じ号の雑誌を何冊も買い込んで
結局当選しなかった・・・という。複雑な心境の町子さんでありました。
余談だが。同じ「冒険少年」の表紙に「キックの鬼・サワモトタダシ」とあったのは“真空飛び膝蹴り”の
沢村忠さん(今の子供たちには「ポケモン」のサワムラーのモデルとして知られる)のことだろうか。
・こうして人は大人買いに走る
徳永家の近所の路地。町子さんは、小学生の少年が「冒険少年」の懸賞応募ハガキを切り取って
雑誌本体を捨てるところを目撃。
懸賞のために、もう3冊も雑誌を買ったという少年(おまけつきの菓子を捨てるようなもんだな)。
「自分のお金で買ったものをどうしようと、勝手やんか」と開き直る彼を、町子さんは叱責!
本を大切にしない奴は許せん!
結局。同じようなケースが各地で相次いでいたらしく、懸賞キャンペーンは中止された。
「1枚のハガキで、そのチャンスを大事に使う。当たらへんかったら我慢する」と徳永先生。ええこと言わはる。
・ライダーがやって来た!
町子さんの師でもある小説家・池内先生(板尾創路)が、一人の青年を連れて徳永家を訪れた。
端正な顔立ちの青年は、俳優の河原崎さん(海部剛史)。彼こそが、ウルトライダーを演じている人だ。
そこへたまたま三男坊・隆くん(土井洋輝)がやって来て、日曜日に開催される「ライダーショー」に招待される。
が!その日は工藤さんちの守くんの誕生日会の先約と重なっている・・・。
ライダーショーに行くことを許してもらえなかった隆くんは、ハンガーストライキを決行
(ただし。栄養失調のホームレスが病院に担ぎ込まれたのを見て、すぐに挫折した)。
歳のいったヲタクなら、強行突破でライダーショーに行くのだろうが(ヲタクと一緒にすな!)。
・今週の名言
隆くんのハンストをきっかけに、戦時中の苦しかった時代を思い出す町子さん。
「簡単に食べられる時代やから、ハンストも簡単にしてしまう。
毎日ちゃんと三度三度、御飯食べることが、自分の命にとって一番大事な事やいうのをわかってない」。
・・・この台詞、最近話題の「食育」に携わる人に聞かせたい。
「せっかく空襲の中生き延びても、飢え死にする人ぎょうさん居ったしな」と健次郎先生。
翌日から、町子さんは自分の女学生時代の戦争体験記を執筆し始めた。「私・・・書かなアカン!」
・軍国乙女リターンズ
そして。来週から、いよいよ「町子・女学生編」が始まる。
「欲しがりません勝つまでは」の世界が、NHKドラマに帰って来る!
その他「おかあさん疲れたよ」など、田辺聖子先生の作品に書かれた戦時中のエピソードが出てくるか?