殉情きらり−桜子かく語りき

NHK連続テレビ小説純情きらり」最終週です。
何だかんだで、この味噌くさい(→ほめてるのよ)ラブストーリーを、リタイアもせず
半年間最後まで見続けてしまいました。
・桜子、最後の奇跡
妊娠判明の喜びも束の間、結核に冒されていることも判明した桜子さん(宮崎あおい)。
そういえば母・マサさん(竹下景子)も、結核で亡くなってましたな。
出産を諦めるよう、達彦さん(福士誠治)に言われるが・・・桜子さんは命がけで
子供を産むことを決意する。
・死亡者多数、その最後は
昭和23年(1948年)3月(思えば第1話の“味噌桶転落事件”から、ちょうど20年目です)。
帝王切開で無事に男の子が生まれ「輝一(きいち)」と名づけられた。
が。出産は母体に少なからぬダメージを与え、病状はどんどん悪化。秋には容態が急変する。
桜子さんご臨終の場面そのものは無かったが・・・原作の通りに死亡、と解釈いたします。
桜子さーーーん!・゜・(ノД`)・゜・
このドラマは結構多くの死人を出したけど、その最後にヒロインが死ぬなんて。
・母の遺言
「お母さんの人生には、素敵なことが山のようにあった」。
我が子のために、自分の人生のこれまでを一冊のノートに書き残していた桜子さん。
そりゃ、あれだけ周囲の人を巻き込んで“やりたい放題”やってた人生だから楽しかったでしょうよ(笑)。
「寂しい時は、ピアノを弾いてごらん」桜子死すとも、音楽は死なず。「あなたのそばに居(お)るよ」。
唯一の救いは・・・輝一っちゃんが生まれたことで、達彦さんが天涯孤独にならずに済んだことか。
一応「山長」の将来の跡取りでもあるし。
・桜先生とSAKURA先生
最初の頃はあまり期待せずに見ていたのですが、面白かったです。
東京制作(4〜9月期)朝ドラで、最後までリタイアせずに見続けたのは「さくら」(2002年)以来。
純情きらり」を見た視聴者からは、ヒロインの暴走ぶりやご都合主義のストーリーに
苦言を呈する向きも結構あったようだが・・・
歴代の朝ドラヒロイン(あの人とか、あの人とか、あの人とか)に比べたら
桜子さんのそれは、まだ可愛げがあると思います(笑)。
「音楽の力」で、あり得ないほどの奇跡を起こしてきた“魔女っ子ヒロイン”的な要素もあったし(笑)。
原案「火の山−山猿記」とは違う「純情きらり」としてのコミカライズ(漫画化)本とか出ないかなー。
輝ける青春群像
後半ちょっとグダグダしたところもありましたが、前半の女学校〜マロニエ荘時代は面白かったです。
いろいろな障害や貧乏暮らしを乗り越えて、夢をかなえるために奮闘する人々を描いたお話−
戦時中の厳しい時代の物語なので、平成の若者を描いた作品よりも説得力がありました
(およそ実現不可能な夢を追いかける、というだけなら「まんてん」=2002年=もスゴかったですが)。
・視聴率回復!
中の人、お疲れ様でした。
主演の宮崎あおいちゃんをはじめ、豪華なキャスティングで臨んだ甲斐あって
朝ドラでは何年かぶりに「視聴率20%超え」を達成したそうで
(視聴率調査だけでなく、ブログの言及数やインターネット検索ワードでも「純情きらり」の
注目度は高かったようです)。
個人的には、達彦役の福士誠治くんがMVPだと思ってます。彼の演技と努力無しには、達彦という人物を
あれだけの「いい男」にすることは出来なかったと思います。今後の活躍に期待。
・オバサンの目の保養
そうです。我々オバサン層をひきつけて止まなかったのが、イケメンの役者さんたち。
脚本にマズいところがあろうが、設定に矛盾や無理があろうが、イケメンが居たら許されます(許されるか?)!
前半=三浦友和さん、劇団ひとりさん。
中盤=福士誠治くん。
後半=西島秀俊さん。
殴られっぷりの良かった松澤傑くんや、振られっぷりの良かった井坂俊哉くんも忘れちゃいけませんな。
宮崎あおいは嫌いだが、彼らイケメン役者を見てるだけで楽しめた」という人も多いらしい・・・。
あ。わて個人は、あおいちゃん好きですよ。許せます。新人女優の人と違って、
演技に「安定感」があるから。
・脚本家さんの「理想」だそうで
桜子を一途に愛し、本当の「純情」を見せた達彦。飄々としているが、時々「核心を突く一言」を放った冬吾。
好感の持てる心優しい先生だった直道(=斉藤先生)、そして大きく温かく、時に厳しい父親だった源一郎。
・・・魅力的な男性登場人物が女性視聴者を惹きつけた、という点に関しては
9月21日付asahi.com(好調「純情きらり」、理由は「文系男子」「普通の人生」=
http://www.asahi.com/culture/update/0921/002.html)でも指摘されている。
直道と勇太郎は、理系男子でしたけどね(笑)。
・祖母は桜子と同年代
そりゃー、あんなに「嫁さんのことを一途に愛する旦那」なんて、
現実の世界には居ませんから。
けれど。桜子さんがノートに書き遺したように「この人と一緒でよかった、この家族でよかった」と
思える人生を送りたいものです
(ウチの祖母が亡くなって、四十九日の法要でお経をあげに来たお坊さんが
そんなことをおっしゃっていたのを思い出した)。
・ファンの皆様は是非
NHK名古屋放送局では「純情きらり」の「もう一度見たい、あの感動の場面」を大募集しているらしい。
そして投票結果は11月10日(金)の東海ローカル番組「金とく」で放送されるらしい。
(詳細はこちら→https://www.nhk.or.jp/nagoya/kintoku/otayori_kirari.html
あなたの一番思い出に残ったシーンは?お暇なら投票を。