吸血鬼2006−肉を切らせて骨を絶つ

早朝。足に激痛が走り、目が覚める。
痛い・・・いや、痛いんじゃないな。これは「痒(かゆ)い」んだ。目が覚めてそう気付いた。
右足の親指の付け根を見ると、赤く腫れあがっている。またしても蚊に刺されたようだ。
またやられたーーー!どこから入ってきたのかは定かでないが。
−「確か、以前も同じようなこと言ってませんでした?早朝に、足の指だか足の裏だかを蚊に刺されて
大騒ぎした・・・って」
そうなんです。基本的に駄メイドは就寝時、パジャマの長ズボンを穿いて布団を被ってるので
露出してる部分が「首から上」と「足首から下」しかないのです。
殺虫剤を準備し、しばらく寝ていると・・・「ぷぅ〜ん」来た来た。耳元を掠める羽音。
やはりこの部屋には蚊が居る。
攻撃の機会を覗ううち、先程の患部に更なる違和感が。どうも痛みが増している・・・
「げえええ!」もう1箇所刺されている!しかも右足中指の先!手足の指を刺されると、猛烈に痛い!
「くそー。絶対許さんぞ」朝から怒りに燃える駄メイド。
ふと、横の白い壁を見ると・・・黒い点がひとつ。血をたらふく吸って、パンパンに膨らんだ蚊だった。
(脳内に聞こえてきた、蚊のセリフ)「ふうー。お腹いっぱい♪間抜けな人間のおかげで、栄養補給できたわ。
一休みしたら、産卵しに行こうっと」
「そうは行くか!」バチン!
飲みすぎで動きが鈍くなっているところを、一発で叩き潰す。とりあえず、飲み逃げは阻止した。
欲かいて、2回も吸血するからこんなことになるのよ・・・飲みすぎはいけませんね、人間も蚊も
(まあ「2回目」がなかったら、蚊の逃亡を許してしまったかも知れない)。
こちらのダメージも大きかったが、蚊を潰すことで報われた。「肉を切らせて骨を絶つ」じゃないが。